『ラストで君は「まさか！」と言う きらめく夜空』発売
PHP研究所より人気シリーズ「3分間ノンストップショートストーリー」の第34弾『ラストで君は「まさか！」と言う きらめく夜空』が刊行された。3分間で読めるショートストーリーを集めた同シリーズは朝読書にも人気で、「きらめく夜空」と銘打たれた今作では「まさか！」のエンディングが用意された「星と星座の物語」を18話収録している。
『ラストで君は「まさか！」と言う きらめく夜空』には、2023年開催の第三回かぐやSFコンテストで最終候補に選出された花園メアリー「月面ジャンプ」が収録されている。第三回かぐやSFコンテストでは「未来のスポーツ」をテーマに4,000字以内のSF作品を募集。「月面ジャンプ」は最終審査で大賞に推す声もあった作品で、審査員の井上彼方は「想像力を飛ばしていくSFショートショートの王道のような楽しさを堪能させてくれる作品」と評した。
花園メアリーは2022年に「宇宙とビスケット」で集英社コバルト第218回短編小説新人賞受賞、同年「銀の玉地獄変」が光文社文庫サイトYomeba!ショートショート公募第19回入選、2023年には「月面ジャンプ」が第三回かぐやSFコンテスト最終候補に選出されると共に「ソウルフライヤー」がanon pressに掲載された。2024年3月刊行の『』（
『ラストで君は「まさか！」と言う きらめく夜空』には、小鳥居ほたる、小春りん、櫻井とりお、村咲しおんの作品も収録されている。『3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか！」と言う きらめく夜空』はPHP新書より紙と電子で発売中。
かぐやSFコンテストからの採録
2020年から不定期で開催されているかぐやSFコンテストからは、数々の作品が書籍などに採録されてきた。第一回大賞受賞作の勝山海百合「あれは真珠というものかしら」は大森望編『ベストSF2021』（竹書房）に、第一回審査員特別賞受賞作の坂崎かおる「リモート」は著者の短編集『嘘つき姫』（河出書房新社）に収録されている。
第二回大賞受賞作の吉美駿一郎「アザラシの子どもは生まれてから三日間へその緒をつけたまま泳ぐ」は中国のSF誌《科幻世界》の2022年3月号に、第三回大賞受賞作の暴力と破滅の運び手「マジック・ボール」は《科幻世界》2024年4月号に掲載された（共に田田による中訳）。
2024年5月に刊行された齋藤隼飛編『野球SF傑作選 ベストナイン2024』（Kaguya Books／社会評論社）には「マジック・ボール」と共に、第三回最終候補作の関元聡「月はさまよう銀の小石」と第三回選外佳作の溝渕久美子「サクリファイス」が収録された。第三回審査員特別賞受賞作の糸川乃衣「叫び」は同作を収録した短編集『我らは群れ』（Kaguya Books）が電子書籍で刊行されている。
その他にも、複数の作品が翻訳されて海外の媒体に掲載されるなど、4,000字以下でネットで読めるという特色によって、かぐやSFコンテストからは多くの作品が世界に羽ばたいている。次回のかぐやSFコンテストにも要注目だ。
