11月15日公開 映画『対外秘』ジャパンプレミアでファン熱狂 イ・ウォンテ監督らが来日【東京国際映画祭】 | VG+ (バゴプラ)

11月15日公開 映画『対外秘』ジャパンプレミアでファン熱狂 イ・ウォンテ監督らが来日【東京国際映画祭】

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『対外秘』ジャパンプレミア開催

11月15日(金) より日本全国で公開される韓国映画『対外秘』のジャパンプレミアが第36回東京国際映画祭で開催され、イ・ウォンテ監督と俳優のチョ・ジヌン、キム・ムヨルが来日。当日のチケットは発売開始からわずか10分で完売したといい、会場に詰めかけた大勢のファンの熱狂に包まれる中で三人が舞台挨拶を行った。

映画『対外秘』は国会議員選挙に立候補し、フィクサーによって切り捨てられてリベンジに燃える男が国家を揺るがす〈極秘文書〉を手に入れ、自らもダークサイドに堕ちる覚悟で、巨悪への反撃に出るという作品。あの『THE FIRST SLAM DUNK』を抑えて韓国初登場No.1を獲得した『対外秘』について、イ・ウォンテ監督、チョ・ジヌン、キム・ムヨルの三人が熱く語った。

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三人は『対外秘』の大きなテーマである「選挙」にちなんで、それぞれの名前がプリントされた特注のタスキを着けて登壇。「ちょっと窮屈です」と苦笑いするイ・ウォンテ監督に対し、「私は映画の中で何度もつけていたので、とっても落ち着きます」と、キム・ムヨルも「私も何度も選挙運動を手伝っていたので」と笑顔を見せた。

裏社会の汚い欲が溢れる1993年の粗暴な街・釜山を舞台に、正義を信じる政治家、裏社会の支配者、凶悪なヤクザの三つ巴の死闘を描く本作。イ・ウォンテ監督は撮影を振り返り「釜山で撮影した分量は30%くらいなのですが、舞台にふさわしい景色を探すため18,000kmも車を走らせた。ロケーションはもちろん、90年代当時を完全再現するべく、小道具や当時の音楽も徹底的にこだわりました」と制作の苦労をしみじみと語った。

イ・ウォンテ監督

続いて演じたキャラクターについて聞かれたチョ・ジヌンは「人間の内面には常に善と悪が共存していると思います。私の演じたへウンはまるでゲーテの『ファウスト』のように悪魔と取引するようなシーンがありました。皆さんの人生においても常にそのような状況はありえると思いま す。私は決して悪い人間ではないと思いますが、この作品を通じて自分自身の行いを振り返ることができました。皆さんにとってもそんな作品になってくれると嬉しいです」と、へウンは誰しもが共感でき、誰しもが抱く人間の醜悪な部分を持つ魅力的なキャラクターだと語った。

チョ・ジヌン

さらに、今回残念ながら来日が叶わなかったイ・ソンミンについて聞かれると「イ・ソンミンさんは最高だ!」と満面の笑みを見せた。「何度も共演したことがありますが、本当にお兄さんみたいな存在。まさに長男の様な。演技力も言うまでもなく韓国最高峰でとにかく最高の人です」と語った。本作では互いを殺したいほど憎み合う仲を演じたが、普段は強靭な友情が2人を結んでいるようだ。

親玉・ピルドを演じたキム・ムヨルは、『悪人伝』以来イ・ウォンテ監督とは2回目のタッグとなる。前作での正義の熱血警官から打って変わり、本作ではカリスマ性あふれるヤクザを演じ、「2作とも体重に関しての注文がありました」と苦笑いを浮かべながら、イ・ウォンテ監督からの10キロ以上の体重増加を求められたと無茶ブリを吐露。「実は、さきほどホテルで監督と会ったときに『え? なんでそんな痩せている?』と言われたのですが、『いやこれが普通なんですよ』と答えました」と仲睦まじいと裏話も飛び出し会場は笑いの渦に。

キム・ムヨル

加えて「俳優というのは作品ごとに常に新しい自分を見せないといけないので、一つの作品と向き合うときに常に新しい姿を探すようにして います。そういう意味でルックスの変化というのは観客の皆さんにダイレクトに伝わるので、この作品は大きなチャレンジになり、自分のためにもなりました。でも、次の作品のために一カ月以内に体重を戻さなくてはなりませんでした」とプロフェッショナルな姿勢を明かすと、チョ・ジヌンが重ねて「私の場合は2週間あれば大丈夫!」とかぶせて会場は再び笑いの渦に包まれた。

最後に、日本のファンへのメッセージとしてキム・ムヨルは「私はこの作品を本当に楽しみながら撮影しました。さらに大好きな日本に来て、 大好きな皆さんに観てもら事ができて本当に幸せです。どうか皆さんの記憶に長く残る作品になってほしいです」と日本への愛と作品の魅力を改めてアピール。

チョ・ジヌンからは、「この作品を作ったのは私たちですが、この先は皆さんのものです、思いっきり楽しんでください!」と熱いメッセージ。最後にイ・ウォンテ監督は「改めてこの映画祭に呼んで頂きありがとうございます。この作品は重みがありシリアスな作品ですが、とても楽しめる作品だと期待しています。どうか皆さん楽しんでください」と改めて心からの感謝を述べ、鳴りやまぬ拍手の中、ジャパンプレミアイベントは大盛況のうちに幕を閉じた。

韓国版『ジョーカー』とも呼ばれる映画『対外秘』。日本ではどのように受け止められるのか、公開を楽しみに待とう。

映画『対外秘』は2024年11月15日(金)公開よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷他で全国公開(配給:キノフィルムズ)

『対外秘』公式サイト

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