東京国際映画祭で舞台挨拶に麻上洋子
2024年10月28日(月) から11月6日(水) まで開催されている第37回東京国際映画祭で『宇宙戦艦ヤマト 劇場版 4Kリマスター』が上映され、森雪役の声優を務めた麻上洋子が舞台挨拶で登壇した。『宇宙戦艦ヤマト』は2024年10月でテレビ放映50周年を迎え、リメイクシリーズの劇場公開が続く中、庵野秀明が代表を務める株式会社カラーが新作劇場アニメの製作を発表するなど、注目を集めている。
麻上洋子は1974年に放送を開始したアニメシリーズからメインキャラクターである森雪の初代声優を務めており、今回の舞台挨拶では当時の思い出を振り返ると共に、森雪というキャラクターへの思いを語った。
『宇宙戦艦ヤマト』森雪役の裏側を語る
オーディションで『宇宙戦艦ヤマト』の森雪役に抜擢されたという麻上洋子は、「声優になってアニメのキャラクターの声をやりたい、それも主役の声をやりたいと思っていました」と明かし、当時は若手の声優が多くなく、アニメの仕事をメインでやっている声優は少なかったと振り返った。
当時、他のキャストが年上ばかりで緊張していたという麻上洋子は、収録現場で椅子に座ることもできなかったといい、後に佐渡酒造役の永井一郎から「座ればいいのにビクビクして壁にへばりついてて、先輩のことを見てたよね」と言われたことを明かした。そんな中で、古代進役の富山敬は「洋子、ここ空いてるから座りなさい」と座るよう促してくれたといい、「本当に優しかった」と振り返っている。一方で、『宇宙戦艦ヤマト』のナレーションを務めた木村幌からは「マイクの前に立ってから座るまで女優でいなきゃダメ」と指導を受けたこともあるという。
森雪を演じるにあたっては、「私の世代の声優がすごく少なくて、森雪くらいの年齢の役は(年上のキャストが)20代のキャラクターを作って演じている感じだったので、私は演じない方がいいと思いました。今の私の思いを乗せれば今のままで良いと。そしたら演出家の田代さんが『そのままが凄く良い、作らないのがとても良い』と言ってくださったので、勇気を持ってそれを続けられました」と振り返った。
また、麻上洋子は森雪のセリフについては「『古代くん』しか言ってない」という記憶がずっとあったが、4Kでの再上映などを観て、「え、こんなに喋ってたの?」と驚いたという。ファンレターが“森雪宛”に届くことが多く、過去には自分と森雪の違いに戸惑うこともあったというが、「森雪はどんな存在だったか」という問いには「大きな存在です」と答え、「凄く良い作品に出会わせていただいて、個性豊かな先輩たちにお芝居の個性がアニメを深いものにしているのだということを、この頃とても感じています」と語った。
舞台挨拶の最後には、「新しい『ヤマト』もあって、でも今日上映される『ヤマト』がベースにあって、そこで頑張っていた私がいる。またいつか新しい『ヤマト』で何かでフッと声を出すことができれば、凄く嬉しいなとも思っています」と語り、今後の「宇宙戦艦ヤマト」作品への“再登板”に期待を持たせる発言も。会場に詰めかけたファンには「これからもずっとヤマトを応援する気持ちを持ち続けていただきたい」と語り、手を振るファンに笑顔で応えた。
『宇宙戦艦ヤマト 劇場版 4Kリマスター』は4K ULTRA HD Blu-ray & Blu-ray Discが発売中。
シリーズ最新作『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第二章 赤日の出撃』 は2024年11月22日(金)公開。
前作『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第1章 黒の侵略』の見どころはこちらの記事で。