4つの異なる時代の4人の少女たち――彼女らを繋ぐ禁断の遊び
第98回⽶国アカデミー賞のドイツ代表にも選出された『落下⾳』が4月3日(金)に公開される。⼿掛けたのは、本作がカンヌ初参加で⻑編2作⽬という、今最も勢いをもち、そして現代映画界の最前線へと躍り出ているドイツ出⾝の新鋭マーシャ・シリンスキ監督だ。
1910年代のアルマ、1940年代のエリカ、1980年代のアンゲリカ、そして現代のレンカ――4つの異なる時代を⽣きる4⼈の少たちが、同じ⼟地で体験する不可解な出来事を描いた、百年にわたる映像叙事詩である本作より、この度死者と戯れる無垢な⼦供たちの禁断の遊びを捉えた本編映像及び、本作のキーワードでもある<⼟地><時間>についてシリンスキー監督が語ったインタビューが解禁された。
「語られなかった人類のトラウマを掘り起こす」――IndieWire
「ただ“観る“では済まない」――The Rolling Tape
「記憶の迷宮を彷徨う映画体験」――The New Yorker
カンヌを騒然とさせた異才の衝撃。 かつてない〈不安〉が世界を呑み込む。 死者と戯れる 無垢な⼦供たちの禁断の遊び の本編映像解禁。 百年の時を経て響き合う彼⼥たちの<不安>が、この北ドイツの農場を静かに覆いつくしていく。
子どもたちの“危険な遊び”を捉えた映像が解禁。死んだ男の子の体にハエが入り込んだらしい――その真偽を確かめるため、子どもたちは納屋へ集まる。死体に耳を近づけ、羽音を探す子どもたち。
「黄泉の国に引きずり込まれるよ」
「最後に出たら、黄泉の国行き!」
無邪気な好奇心は、いつしか<死>を弄ぶ遊びへと変わっていく。
だがその遊びは、やがて不穏な気配へと変わる。気づけば、ひとり足りない。
出てくるはずの誰かが出てこない、黒い穴。常に何かに怯えるような表情でその光景を見つめる末っ子アルマの姿も、強烈な印象を残すシーンとなっている。
本作の着想の原点となったのは、素朴な農村地帯でありながら、複雑な歴史を背負う⼟地でもある⽥園地帯アルトマルクの農場で過ごした夏だったというシリンスキー監督。ベルリンとハンブルクの中間に位置するアルトマルクは、エルベ川に接し、第⼆次世界⼤戦ではロシア軍の進軍の最終到達点となり、戦後は東⻄ドイツを隔てる「鉄のカーテン」の⼀部であり、ベルリンの壁崩壊後には、都市の喧騒から逃れるように⼈々が週末を過ごしに訪れるようになった場所でもある。
滞在した農場は、50年ものあいだ空き家だったが、部屋から部屋へと歩くたび、過去の時間を踏みしめているような感覚があったという。「最後に農夫がスプーンを置いた瞬間まで残っているようだった」と監督は振り返る。
そんな中、農家の中庭で撮られた古いスナップ写真が⾒つかった。そこには三⼈の⼥性が⽴ち、まっすぐこちらを⾒つめていた。その視線は、過去から現在へと差し込む窓のようだったという。「私たちは今にいるのに、彼⼥たちが第四の壁を越えてこちらを⾒返してくるようだった」。その感覚こそが、本作全体に流れる気配を決定づけた。
同じ場所に、異なる時間が折り重なって存在していること。アルトマルクでの体験は、本作に流れる独特の時間の流れ、そして層が静かに共鳴する世界へと結実している。
カンヌでの公式上映後には、テレンス・マリック、ジェーン・カンピオン、ミヒャエル・ハネケ、デヴィッド・リンチといった⻤才の名が引き合いに出されながらも、いずれにも回収されない独⾃の映画世界が⾼く評価、その⾰新性は映画祭に鮮烈な驚きをもたらし、世界中の批評家を虜に。「今年のカンヌで最も記憶に残る作品」「映画⾔語を更新する新たな才能」「次世代を担う重要な監督の登場」といった称賛が相次ぎ、瞬く間に映画祭の“ダークホース”として注⽬を集める存在となった。
彼⼥たちが⽬撃したものとは、いったい何だったのか。世界がまだ名前を与えていない〈不安〉を、あなたは体験する。
映画『落下音』は2026年4月3日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー。
STORY
1910年代、アルマは同じ村で、自分と同じ名を持つ幼くして死んだ少女の気配に気づく。1940年代、戦争の傷跡が残る中、エリカは片足を失った叔父への抑えきれない欲望に気づき、自らの得体のしれない影に戸惑う。1980年代、アンゲリカは常に肌にまとわりつく“何か”の視線に怯えていた。そして現代、家族と共に移り住んだレンカは、自分の存在が消えてしまいそうな孤独感に徐々に侵食されていく。百年の時を経て響き合う彼女たちの<不安>が、この北ドイツの農場を静かに覆いつくしていく――
監督・脚本:マーシャ・シリンスキ
出演:ハンナ・ヘクト、レア・ドリンダ、レーナ・ウルツェンドフスキー、レーニ・ガイゼラー
配給:NOROSHI ギャガ|英題:SOUND OF FALLING |2025年|ドイツ|カラー|ビスタ|5.1ch|155分|
字幕翻訳:吉川美奈子|PG-12|(C) Fabian Gamper – Studio Zentral
<公式HP>https://gaga.ne.jp/rakkaon_NOROSHI/ <SNS>X、instagram: @noroshi_gaga
