ミン・ジヒョンさんの最新作『忘却する者へ祝福を(原題)』、制作チームを紹介! | VG+ (バゴプラ)

ミン・ジヒョンさんの最新作『忘却する者へ祝福を(原題)』、制作チームを紹介!

ミン・ジヒョンの新作長編がKaguya Booksから2026年秋刊行!

『僕の狂ったフェミ彼女』などで知られる韓国の小説家、ミン・ジヒョンさんの最新作『忘却する者へ祝福を(原題)』(加藤慧 訳)が、2026年秋にKaguyaBooksから刊行されます。『僕の狂ったフェミ彼女』で男性側の視点から恋愛とフェミニズムを描き出し、『私の最高の彼氏とその彼女』では、ロマンチックな関係にまつわる独占性の危うさを扱ったミン・ジヒョン。最新作ではどんな物語が展開されるのか──。

『僕の狂ったフェミ彼女』がNetflixで映画化

ミン・ジヒョン『僕の狂ったフェミ彼女』は、Netflixで実写映画化、2026年に世界で独占配信されることが発表されています。遠距離恋愛で別れた元カノと再会したら、髪をショートカットにして、黒づくめの服装でデモに参加する「フェミ」になっていた……というシーンから始まる恋愛小説。「フェミ」には賛成できないけれど、それでもやっぱり好きだからヨリを戻した二人だが……。前と同じ、可愛い君に戻ってほしいという主人公と、もう知ってしまったからには以前の自分には戻れないという彼女のラブストーリーは、日本でも大いに共感を呼びました。

ミン・ジヒョンの最新作は女性たちを描いたミステリー?

Kaguya Booksから刊行される最新作『忘却する者へ祝福を(原題)』は、フィクションを通して社会の様々な問題を見つめてきたミン・ジヒョンの最新作。テクノロジーの進歩とともに貧富の差の拡大した韓国で、ハウスキーパーとして働くジェイは、ある朝雇用主が惨殺される現場に遭遇します。容疑者は雇用主の妻。鍵を握るのは、記憶を抽出してリアルに体験することのできる装置「ライフ・ランドスケープ」──。殺人事件のミステリーを追う冒険劇を主軸に、女性に対する暴力や、フェミニズムを描きます。

翻訳を手がけるのは加藤慧さん・原文照合は廣岡孝弥さん

『忘却する者へ祝福を(原題)』の翻訳を手がけるのは、翻訳者の加藤慧さん。これまでに邦訳されたミン・ジヒョンさんの長編小説『僕の狂ったフェミ彼女』と『私の最高の彼氏とその彼女』はどちらも加藤さんが翻訳を手掛けています。『僕の狂ったフェミ彼女』が韓国で刊行された時に、この作品をぜひ日本に紹介したいと思ったところから翻訳に本格的に取り組み始めたそうです。

その他、エッセイ、アン・トイ『なかなかな今日 ほどほどに生きても、それなりに素敵な毎日だから。』(共訳)の翻訳を手がけているほか、最近では、いろんな「好き」のあり方を持つ人々の暮らしを描いた絵本、カヒジ『ドロシーマンション』を翻訳しています。

また、「語学が大好き」という加藤さん。韓国語のほか、スペイン語、タイ語、台湾華語など様々な言語を学んだ経験があります。現在は翻訳者として活躍する傍ら韓国語の講師もしています。

『忘却する者へ祝福を(原題)』の原文照合を手がけるのは翻訳者の廣岡孝弥さん。廣岡さんは2021年に第5回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて『モーメント・アーケード』(ファン・モガ作)で最優秀賞を受賞し翻訳者としてデビュー。ミン・ジヒョンさんも参加している、日本と韓国のSF作家による『日韓SF交換日記』では、韓国作家の日記部分の翻訳を手掛けました。

廣岡さんはその他にも、Netflixドラマ『D.P. −脱走兵追跡官−』の原作コミックであり、韓国軍隊の人権問題を正面から取り上げた話題作、キム・ボトン『DP DOG’s DAY』や、イ・ジョンスほかによる『100曲でわかる!K-POPヒストリー 1992-2020』などの翻訳も手がけています。サウナ×人を掘り下げる『トトノイ人』をはじめ、リトルプレスの制作やサポート業をしています。

制作を手がけるのは、Kaguya Booksの編集者の堀川夢さん ほか

『忘却する者へ祝福を(原題)』の担当編集はKaguya Booksの堀川夢さん。堀川さんは、編集者としてディーリア・オーウェンズ『ザリガニの鳴くところ』(友廣純訳)や、呪いで人魚にされた先住民族の少女アイカイアと漁師のデイヴィッドの邂逅を描くモニーク・ロフェイ『マーメイド・オブ・ブラックコンチ』(岩瀬徳子訳)など、多数の翻訳文学を手がけています。

堀川さんは翻訳者・歌人としても活動しており、ジェナローズ・ネザコット「エターナル階段でたそがれを」や、カロリン・リューダース「マヤ/28歳/狼女」、『ジ・アート・オブ ズートピア2』(齋藤隼飛と共訳)などを翻訳しています。

Kaguya Booksのメンバーとして編集協力を担うのは、編集者の井上彼方さんと正井さん。井上さんはVGプラス合同会社代表。編著書に『社会・からだ・私についてフェミニズムと考える本』があります。また、『SFアンソロジー 新月/朧木果樹園の軌跡』と『京都SFアンソロジー:ここに浮かぶ景色』の編者を務めました。

正井さんは普段は作家として活動しており、「よーほるの」が第一回かぐやSFコンテスト最終候補に選出されています。Kaguya Planetに「宇比川」「優しい女」を寄稿しているほか、『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編者を務めました。『Kaguya Planet vol.8 小さなオブジェ』にチョン・ボラ『呪いのウサギ』(関谷敦子訳)のブックレビューを寄稿しています。

ミン・ジヒョンさんも参加している『日韓SF交換日記』、好評発売中!

SF作家ソンでのミン・ジヒョンによる講演「フェミニズムとSFは韓国でどう出会い、広がったのか」を収録した『日韓SF交換日記 あなたの言葉を聞くための対話』がKaguya Booksから好評発売中! 講演では、『忘却する者へ祝福を』を初めとしたミン・ジヒョン作品の制作裏話も含め、韓国のSFとフェミニズムの歩みが語られました。

『日韓SF交換日記 あなたの言葉を聞くための対話』にはその他にも、『となりのヨンヒさん』などで知られるチョン・ソヨンと、池澤春菜が、作家団体の代表をする苦労や翻訳と執筆の相互影響、複業の秘訣や大好きなSF作品などについて語り合った対談「わたしとあなたのエンカレッジ!」や、日本と韓国の作家が二人一組になって、「韓国/日本女性SF」、「フェミニズムSFと韓国/日本のマンガ」、「韓国SFの歴史と傾向」、「闘病経験を作品に盛り込む」、「ハードSFとテクノロジー」、「SF作家になるまで/なってから」など、SF業界の話から個人的な話まで、様々なテーマについて語り合う交換日記、ソ・ユンビン、ファン・モガ、へ・ドヨン、ミン・ジヒョン、藤井太洋、そして司会の堀川夢が会場からの意見も交えながら、楽しく、そして真剣に討論した座談会「日本から見た韓国SF、韓国から見た韓国SF ──フェミニズム、男性性、兵役、連帯の可能性」、〈日韓SF交換日記〉への応答として書かれたSF短編小説、かかり真魚「エコーズ」を収録しています。

韓国と日本、社会と個人、フィクションと現実、書くことと読むこと。あなたとわたしの間で呼応する、よりよい明日を目指すためのたくさんの言葉たちを詰め込んだ一冊です。2026年秋にKaguyaBooksから刊行されるミン・ジヒョンの最新作『忘却する者へ祝福を(原題)』(加藤慧訳)と合わせて楽しもう!

『日韓SF交換日記 あなたの言葉を聞くための対話』
編:日本SF作家クラブ・韓国SF作家連帯
イ・コンヘ/イ・サンファ/イ・シド/イ・ソヨン/ソ・ユンビン/チェ・イテク/チョン・イェ/チョン・ソヨン/チョン・ドギョム/チョン・ヘジン/デイナ/ファン・モガ/へ・ドヨン/ホン・ジウン/ミン・イアン/ミン・ジヒョン/揚羽はな/池澤春菜/井上雅彦/白井弓子/上田早夕里/かかり真魚/吉良佳奈江/立原透耶/田場狩/中野伶理/長谷敏司/林譲治/廣岡孝弥/藤井太洋/堀川夢/溝渕久美子/八島游舷
サイズ:四六判
ISBN:978-4-911294-09-3
ページ数:304ページ
刊行:2026年5月1日
価格:2700円+税

収録しているコンテンツ
講演:フェミニズムとSFは韓国でどう出会い、広がったのか ──ミン・ジヒョン
日記:韓国と日本のSF作家24人12組による交換日記
対談:わたしとあなたのエンカレッジ! ──チョン・ソヨン×池澤春菜
座談会:日本から見た韓国SF、韓国から見た韓国SF ──フェミニズム、男性性、兵役、連帯の可能性
小説:かかり真魚「エコーズ」

ミン・ジヒョンの最新作『忘却する者へ祝福を(原題:망각하는 자에게 축복을)』(加藤慧 訳)は、2026年秋にKaguyaBooksより発売です。

ミン・ジヒョンの前2作、『僕の狂ったフェミ彼女』『私の最高の彼氏とその彼女』は共に加藤慧の翻訳でイースト・プレスより発売中です。

VG+編集部

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