王子スカーはなぜヴィランになったのか『ライオンキング:ムファサ』新予告で明かされたオリジンに注目 | VG+ (バゴプラ)

王子スカーはなぜヴィランになったのか『ライオンキング:ムファサ』新予告で明かされたオリジンに注目

©Disney

『ライオンキング:ムファサ』新予告が公開

2019年に公開され、大ヒットを記録した“超実写版”『ライオン・キング』の前日譚である映画『ライオンキング:ムファサ』が2024年12月20日(金) より劇場で公開される。『ライオンキング:ムファサ』では、『ライオン・キング』の主人公シンバの父ムファサのオリジンが描かれる。知られざる伝説が明かされる、この冬最注目の映画の一つだ。

米時間2024年8月9日(金) から始まったディズニーのファンイベントD23に合わせ、映画『ライオンキング:ムファサ』の第2弾予告が公開された。新予告は、第1弾の予告で控えめだったムファサの弟スカーがたくさん登場する構成になっている。『ライオンキング:ムファサ』では、どうやらスカーのオリジンも知ることができるようだ。

予告編の冒頭は、ヒヒのラフィキがシンバとナラの娘キアラに、ムファサとスカーの物語を話して聞かせるシーンから幕をあける。形としては前作『ライオン・キング』のその後に、回想としてムファサのオリジナが語られるというつくりになっているようだ。

そして、幼い頃のスカーはライオンの王子で、タカという名前だったことが明かされる。「スカー(Scar)」という名は「傷跡」という意味であり、よく考えれば親がそんな名前をつけるはずがない。本来の名前を明かすというのは、スカーが生まれついてのヴィランだったわけではないということを強調する演出と捉えることができる。

後に「スカー」と呼ばれるようになるライオンの王子タカは、川で流されている孤児のムファサを見つける。タカは後のスカーとは違う明るい性格と表情を見せている。ところが、二人は「王はよそ者を受け入れない」と忠告を受ける。血統を重んじるこの土地のライオンは、「未来の王」と呼ばれる王子のタカに「得体の知れない奴と付き合うな」と警告。タカ/スカーの優しさが大人たちに踏みにじられる哀しい展開だ。

それでも、タカはムファサと一緒にいることをやめない。今回の予告編では、劇中歌「BROTHER」が披露されている。「僕がいつもほしかったもの、それは兄弟」と歌われている。じゃれ合いながら成長していくスカーとムファサの姿を見ているだけでも涙が抑えきれない……。タカは何があって、スカーになったのだろうか……。

そして、青年になったタカとムファサは新しい故郷を探すよう言い渡され、二人は旅に出る。前作でもキーワードになった「命の輪(サークル・オブ・ライフ)」を探し求めて。こうしてタカは王になる道を失ったのだろうか。『ライオン・キング』では、スカーはムファサが自分ではなくシンバを次期王に選んだことで、王の座を狙って謀反を起こすことになる。

『ライオンキング:ムファサ』では、ホワイトライオンの王キロスが登場。タカとムファサはキロスが率いるライオンたちと戦うことになる。ムファサがタカに「兄弟、僕が君を守る」と語りかけるシーンも。強い絆で結ばれた兄弟は、なぜ別々の道を歩むことになったのだろうか。

ファン待望のスカーのオリジン

今回の『ライオンキング:ムファサ』の新予告で明らかになったのは、スカーがかつてタカと呼ばれるライオンの王子であったこと、そしてタカが孤児のムファサを救ったということだ。タカはスカーはなぜスカー(傷跡)と呼ばれるようになり、ムファサはスカーを遠ざけるようになったのか。

場合によってはムファサの人気が危うくなるかもしれない、突っ込んだストーリーが扱われることになりそう。そのままスカーの単独作に繋がったり、最後に現在のキアラの前にスカーが現れ、実はスカーは生きていた……という展開もあり得るだろうか。

なお、公式からはスカーをメインに据えたポスターも公開されている。「伝説となるずっと昔から、ムファサと後にスカーとして知られることになる王子は、兄弟だった」というコメントと共に投稿されたポスターには、「プリンス、ブラザー、ヴィラン」というスカーの三つの肩書きが記されている。そして、幼いタカが可愛くこちらを見上げる一方で、水面には後のスカーの姿が映し出されている。

前作『ライオン・キング』の公開後には、ファンの中にはスカーのオリジンを描く作品を求める声もあった。『ライオンキング:ムファサ』は事実上、スカーのオリジンも同時に描く作品になりそうで、期待が高まる。12月の公開を楽しみに待とう。

映画『ライオンキング:ムファサ』は2024年12月20日(金) より日本の劇場で公開。

『ライオンキング:ムファサ』公式サイト

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バリー・ジェンキンス監督が語った意気込みとコンセプトはこちらから。

「ライオン・キング」は今後フランチャイズとして展開される可能性も示唆されている。詳しくはこちらの記事で。

『トイ・ストーリー5』のコンセプトの解説はこちらから。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』のタイトルの解説はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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