『パシフィック・リム』がドラマ化
2013年にギレルモ・デル・トロ監督によって世に送り出された映画『パシフィック・リム』。そのドラマ版の制作が決定したようだ。米Varietyは、「パシフィック・リム」シリーズを手がけるレジェンダリー・エンターテインメントがエリック・ハイセラーとテレビシリーズのファーストルック契約を結び、最初のプロジェクトが『パシフィック・リム』のドラマ版になると報じた。
「パシフィック・リム」シリーズからは、2018年に第1作目の10年後を舞台にしたスティーヴン・S・デナイト監督による続編『パシフィック・リム:アップライジング』が公開された。2021年には同作のその後を舞台にしたアニメ『パシフィック・リム:暗黒の大陸』がNetflixで配信されている。ドラマ版『パシフィック・リム』の舞台は第1作目よりも過去になり、シリーズのオリジンが描かれることになる。
レジェンダリーが手がけるシリーズとしては、映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』(2024) のヒットも記憶に新しい〈モンスター・ヴァース〉フランチャイズが広く知られている。こちらもNetflix配信のアニメ『髑髏島』(2023)、AppleTV+配信のドラマ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』(2023-) と、映画以外の展開を進めている。
ドラマ『モナーク』はシーズン2への更新も決定し、映画『ゴジラxコング』は全世界興収5億6千万ドル超を記録するなど映画シリーズも好調だ。レジェンダリーとしては、「パシフィック・リム」を〈モンスター・ヴァース〉に続くフランチャイズに育てたいところだろう。
一方で、「パシフィック・リム」の生みの親であるギレルモ・デル・トロ監督は2021年に、同シリーズが〈モンスター・ヴァース〉と「密かに」同じ世界線にあり、いつか激突する日が来るかもしれないと、旧Twitterで自説を展開している。この設定は正式に認められているわけではないが、ひょっとしたら、ドラマ版『パシフィック・リム』で描かれるオリジンで両フランチャイズのつながりが示唆されるかもしれない。
I personally love seeing the Neon, Sea battles, building demolition, etc because secretly -maybe- the PAC RIM Universe co-exists in the LEGENDARY Kaijuverse and, perhaps, one day they can rumble! https://t.co/VjcVhTgJgf
— Guillermo del Toro (@RealGDT) January 26, 2021
今回、「パシフィック・リム」の権利を持つレジェンダリーと契約を結んだエリック・ハイセラーは、映画『メッセージ』(2016) や『バード・ボックス』(2018) の脚本・製作総指揮を手掛けてきた人物だ。今後ハイセラーは自身が立ち上げた映像制作会社のクロノジーを通して、共同創設者のカルメン・ルイスと共にレジェンダリーのドラマシリーズの企画を担当することになる。
エリック・ハイセラーとクロノジーは、この報道の3週間前にもソニー・ピクチャーズと映画作品のファーストルック契約を結んでいる。レジェンダリーは長らくワーナー・ブラザースと協業してきたが、2022年にはソニー・ピクチャーズとパートナーシップを締結し、ドラマシリーズの配給は主にソニーが行うことになっている(「デューン」シリーズ等は引き続きワーナーが配給を担当する)。
ソニーは近年、ドラマ部門のソニー・ピクチャーズ・テレビジョンが制作した『ザ・ボーイズ』(2019-) や『THE LAST OF US』(2023-) など、SFドラマが高い評価を受け、人気を集めている。レジェンダリーとクロノジー、そしてソニーの三者はどんな化学反応を見せるのか。続報を楽しみに待とう。
映画『パシフィック・リム』と『パシフィック・リム:ライジング』はBlu-rayが発売中。
Source
Variety
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