スティーヴ・アオキのSFアートがNFTに
米時間の2021年4月27日(火)、世界的な人気を誇るDJのスティーヴ・アオキ(Steve Aoki)によるSFアートシリーズ「Neon Future」がNFTで発売された。NFTとは、Non-fungible token=代替不可能トークンのことで、ブロックチェーン技術を利用した複製不可能な電子アイテムのこと。データを物理的なアイテムと同じように“世界に一つのもの”として扱えることから、現在、アートの分野で大きな注目を集めている。
今回発表されたのは、スティーヴ・アオキのアルバムシリーズ「Neon Future」と同名のコミックシリーズをテーマにしたNFTアート。デジタルアーティストのMaciej Kuciaraの映像にスティーヴ・アオキの音楽が融合した作品となっている。
Getting to partner with @steveaoki and @maciej_kuciara on this amazing NFT series inspired by #NeonFuture is a mind bogglingly cool moment for me.
If NFTs interest you or you simply want to see the amazing art, go to https://t.co/CffMWS5NwD and sign up.@niftygateway pic.twitter.com/HglClwVS6q
— Tom Bilyeu (@TomBilyeu) April 22, 2021
NFTを販売するプラットフォームのNifty Gatewayでは、5本限定で販売された「Free Will」が全てが落札され、最も高い落札額は7,699ドル(約77万円)だった。1本限定で出品されている「Morning Routine」は、6時間を残して12,111ドル(約120万円)が最高入札額になっている。落札された作品は落札者のウォレットに保存され、いつでも再生できるようになる。
なお、今回のNFT作品原作となったコミック版『Neon Future』(2018-) は、マーベルコミックスの『Earth X』(1999-2020)、DCコミックスの『ジャスティス』(2005-2007) で知られるジム・クルーガーとスティーヴ・アオキのコラボで制作されたSF作品だ。スティーヴ・アオキは押井守監督の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995) から強い影響を受けてアルバム「Neon Future」シリーズを制作しており、コミック版もサイバーパンク色が強い作品になっている。
『第9地区』(2009)、『エリジウム』(2013) といったSF作品で知られ、『第9地区』の続編『第10地区』の製作が明らかになったニール・ブロムカンプ監督も、スティーヴ・アオキのNFTに反応。Twitterで「素晴らしい」とコメント。ニール・ブロムカンプ監督もまた押井守らに影響を受けたクリエイターの一人だ。
Looks awesome.. https://t.co/aMV0h7TboR
— Neill Blomkamp (@NeillBlomkamp) April 27, 2021
アート業界に新たな可能性
スティーヴ・アオキがNFTアートを発表するのは今回が初めてではない。3月には木村カエラのミュージックビデオを手掛けたこともあるアントニー・ツディスコとコラボした「Dream Catcher」コレクションを発表。こちらは425万ドル(約4億2,500万円)の売り上げを記録した。
ブロックチェーン技術を利用した“最新の資産”であるNFTは、SF作品との相性の良さを見せている。日本では作家の宮内悠介が自身のツイートをNFTとして出品して話題になった。
さて実験! この告知ツイートの所有権を売ってみます。仮想通貨が必要なので売れるかわからないけど、ものは試し(https://t.co/vkIkFqIJTo @cent)。ご希望とあれば、落札者に署名入りの本をお送りします。詳しくは以下ツリーにて。#NFT https://t.co/3vZBZ9Ds4i
— 宮内悠介 (@chocolatechnica) April 6, 2021
時を同じくして、4月26日よりラッパーのエミネムもNifty Gatewayで12種類のNFTの販売を開始。セレブやスターの相次ぐ参入でNFTが更に注目を集めることが予想される。デジタルアートが資産として保存/収集可能になった今、投機熱が高まる危険性も懸念されているが、アーティストにとっては可能性に満ちた展開となっている。
スティーヴ・アオキの最新アルバム『ネオン・フューチャー Part.4』はSMJより発売中。