ネタバレ解説&感想『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』S2第6話 ゴジラ東京上陸について考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説&感想『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』S2第6話 ゴジラ東京上陸について考察

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ゴジラ東京上陸の意味とは?

ヒロシの死という衝撃的な結末から、ランダ家がどうなったのかを描く『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」。その予告編ではゴジラの東京上陸が描かれたが、モンスター・ヴァース初のこの展開はどのような意味があるのだろうか。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2も折り返しに入ったことで、怪獣たちも本格的に動き出し、ドラマでありながらモンスター・ヴァースの映画さながらの展開を見せ始めている。

本記事では『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」の解説と考察、感想を述べていこう。なお、以下の内容は『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」の内容に関するネタバレを含みます。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」の現代編をネタバレ解説&考察

ヒロシの死

ヒロシ・ランダが死んだ。人生を怪獣研究に費やした人物が、また一人、命を落としたのだ。彼は故郷である日本の三浦家の墓で、永遠の眠りにつくことになったのだ。シーズン1でヒロシは死んだと思われており、それによってケイトとケンタロウは出会った。しかし、本当の死は家族を引き裂くのに十分だった。

そこに一人の老人が現れる。彼はかつて戦後間もない日本で怪獣を研究し、怪獣電話ことガンマ線シミュレーターを発明した科学者の鈴木博士だった。ヒロシは生前、波照間島に何度も訪れては怪獣電話について調べまわっていたとのことだった。

そのことを知ったリー・ショウはヒロシのレガシーを受け継ぐと墓前に誓う。ヒロシの遺したレガシーが、『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」のテーマだと考察できる。しかし、その受け取り方で、家族が引き裂かれてしまうのだった。

怪獣電話

鈴木博士宅でヒロシの思い出話をしようとしていた面々だったが、そこでヒロシが調べていた砂時計〈アワーグラス〉作戦について聞く。この作戦でリーは長きに渡り失踪。そして空洞世界〈ホロウアース〉やその中間地点にある世界軸〈アクシスムンディ〉と、地上の時間の流れが違うことを知り、そこに落ちたケイコが生きている可能性に希望を持った。

しかし、その裏で鈴木博士は作戦失敗の責任を取らされ、研究機関のブラックリストに入れられていたことが明かされる。さらにはアメリカへのビザも取り消されるなど、一種の島流しのような状態になっていた。だが、アメリカ政府に要注意人物とされた鈴木博士とその名声を取り戻したのがヒロシだった。

鈴木博士はヒロシが自分のレガシーを継いでくれたと喜んでいたが、実際のヒロシは様々な秘密を抱えていた。そのため、おそらくMONARCHに対しても鈴木博士と接触は隠していたと考察できる。

リーは鈴木博士とヒロシが合っていたことを知ったときから、彼の復讐のため、そして人類をタイタンXから守るために、ゴジラを呼び覚ましてタイタンXと戦わせる腹積もりだったのだ。ケイトとケイコが怪獣を操ることはアメリカ軍の誤った判断と同じだと非難する中、リーと鈴木博士は世界軸の亀裂がある恐山に向かうのだった。

神との接触

その頃、ケイトの身体に変化が現れる。それは海などに足を着けると震えてもいないのに波紋が生じるということだ。その他にも、ケイトはタイタンXから歌声を感じ取る、タイタンXの目を見たときに近寄らずにはいられなくなるなど、タイタンXに取り込まれ始めているように思える。

タイタンXにはクトゥルフ神話の要素が色濃くあり、クトゥルフは夢によるテレパシーで信奉者に指示を送っている。そのため、催眠状態のようになったケイトは、タイタンXに信奉者として取り込まれていた可能性が高い。

また、タイタンXとケイトの関係は、モスラと小美人との関係にも似ているため、もしかすと海のモスラとしてタイタンXは君臨しているのかもしれない。過去の「ゴジラ」シリーズでは、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』(2001)で、モスラは海の神である最珠羅として登場している。

ケイコはケイトが受けている信号を解析することで、タイタンXについて研究できると考えていた。ケイトに水に潜るように頼むケイコ。彼女が水に潜ると計測機器のあらゆる数値が跳ね上がり、タイタンXの歌声を録音できたのだった。しかし、その声を聴いてケイトはタイタンXが道に迷い、パニックを起こしていると解説する。

イザベル・シモンズ

父親の死で荒んでいたケンタロウは、メイにキスをした上、自分よりケイトを愛していると言って彼女を怒らせた。酒に溺れ、落ちる一方のケンタロウ。そのような彼に女性が近づいてくる。

最初こそ、二人は酒を飲みかわすだけだった。しかし、G-Dayの映像の中でゴジラが出るたびに酒を飲むというゲームをする中で、彼女はケンタロウがゴジラと出遭ったことがあると漏らしてしまう。

彼女の正体はイザベラ・シモンズ。エイペックス社のCEO、ウォルター・シモンズの娘だった。エイペックス社はアメリカ政府と蜜月の中にあり、アメリカ政府の高官たちをも従わせるほどの実力を持っている会社だ。しかし、『ゴジラvsコング』(2021)では娘で重役のマイア・シモンズが現場に赴くなど、家族経営が目立つ。

もしかしたら、父親のウォルター・シモンズをはじめとしたシモンズ一家は、他人にハンドルを握らせるのをひどく嫌う性格で、それが会社の発展に貢献したのかもしれない。イザベルの興味本位での接触は失敗に終わり、ケンタロウを怒らせるだけだった。しかし、結局ケンタロウはイザベルに連絡を取る。

ゴジラ東京上陸……?

予告編で何度も流されていた東京の新宿付近に上陸したゴジラは、ケンタロウの悪夢であった。夢落ちなのは、正直がっかりだったが、そこからケンタロウが思うケイトの現在の姿が垣間見える。

ゴジラが電車を投げ、ビルを壊し、人々を恐怖に陥れる中でケイトだけはゴジラの味方をする。その姿はまるでカルトの信者だ。ヒロシの死のきっかけをつくったケイトは、ケンタロウからはG-Dayで多くを失ったのにも関わらず怪獣に肩入れる人物に見えたと思われる。

それが今回の夢の中のケイトであり、ヒロシの命を奪ったタイタンXの存在がケンタロウの中で怪獣への恐怖を再び増幅させていると考察できる。ちなみに、ゴジラと夢というものは縁が深く、『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』(1969)ではゴジラは夢の中の存在として登場し、夢の怪獣島にはミニラやガバラ、カマキラスといった多くの怪獣が登場している。

ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」過去編をネタバレ解説&考察

巨大化していくMONARCH

1958年のアメリカ。タイタンXの存在を知ったパケット将軍により、怪獣遊撃隊のようなMONARCHは政府の対怪獣防衛部門として巨大化していた。それぞれに秘書が付き、専用のオフィスまで与えられている。以前のエピソードでケイコは自分を“博士”と呼ばせるのに苦労したと語っている。

その驚きはビルの秘書のアリスと出会ったときにも描かれており、彼女がビルの秘書としった後に自分にも秘書が付くと知らされたケイコは驚きを隠せないでいる。1950年代にアジア系の女性が政府の要職につき、秘書まで持つことがどれだけ難しかったかうかがえる場面だ。

ここで重要になってくるのが、リーが再任官したと語る場面だ。再任官とは退役、もしくは予備役になった軍人が士官として復帰することを意味している。再任官の目的は専門スキルを有する人材の確保のためが多く、『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」のパターンはそれに当てはまるだろう。

リー曰く、現在のパケット将軍は三ツ星とのことだ。三ツ星とは米軍において中将を指す言葉で、アメリカ軍において三番目に高い階級である。一番上の階級とされる元帥は大規模な戦争、もしくは死後その名誉を称えて送られることが多いため、中将は軍における実質的なナンバー2だ。

リーは今回の再任官でパケット将軍の直属の部下になるとも解説している。中将の直属の部下ということは、軍人としては栄転であり、リーの専門性が軍内部で高く評価されたと彼は考えたと考察できる。その一方でリーはケイコと距離を取る理由も探していたためにこの職についた。

パケット将軍は怪獣を倒すのではなく共生すべきと唱える派閥に対し、彼らの同僚かつ知識を持つリーを部下とすることで緊急時には怪獣対策を、それ以外のときはMONARCHへの睨みを利かせられると考えていた可能性が高い。そうでなければ、中将直属の部下にしてはオフィスが明らかにお粗末だ。また、パケット将軍こそ、怪獣は操れると信じていた人物であり、皮肉にも未来のリーはこのとき嫌っていた人物と同じ考えをしていた。

MAAG VIETNAM(ベトナム軍事支援顧問団)

1958年、ジョン・F・ケネディ政権下のアメリカ政府はソ連との冷戦下において、軍事面での大きな施策を行なった。それは北ベトナムに支援された反政府組織・南ベトナム解放民族戦線と、反共産主義の南ベトナムの政権との武力闘争への介入——いわゆるベトナム戦争だ。

アメリカ政府は1959年にMAAG(軍事支援顧問団)を南ベトナム側に送り込む。支援顧問と言えば聞こえはいいが、実際は兵器などの援助物資からプロの軍人を派遣して訓練・指揮を行なうなど軍事介入そのものだった。ガラの悪い言い方をすれば、内戦下にあった南ベトナム政権に空気を入れて膨らませたのである。

それにより、多くのアメリカ軍人が派遣され、1963年にはリンドン・B・ジョンソン大統領が初めて戦闘部隊の派遣を命令し、それによって18万4000人のアメリカ軍人が戦地に送られた。これによって、ベトナム戦争は完全にアメリカとソ連の代理戦争となったのである。

1958年にリーの父親は彼をMAAGに勧誘しているが、これは暗にベトナム戦争における重要なポジションを与えるという誘いである。それに対してリーは、あくまでも自分が再任官したのは怪獣対策のためであると固辞しようとする。それによって喧嘩になるが無理もない。この時点では、まだアメリカ軍は怪獣の恐ろしさをしらず、2015年のG-Dayで彼らに勝てないと悟るのである。

しかし、ここでリーがMAAG入りを断り、MONARCHに復帰したことで、彼はベトナム戦争に従軍せずに済んだのかもしれない。彼の知識や経験がなければ、シーズン1のゴジラ出現にMONARCH側は対処することができなかっただろう。若いアメリカ軍人の無用な血を流すことになったベトナム戦争より、怪獣という世界の危機を優先したリーはケイコやビルに影響を受けた先見の明がある軍人だったと言える。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」ラストネタバレ解説&考察

時間の膨張がもたらしたもの

鈴木博士の改造された怪獣電話によって、恐山にある世界軸の裂け目との通信を図るリー。それによって開いた亀裂からは、怪獣かどうかもわからない巨大なゴジラではない何かが地上に這い上がろうとしていた。

危険を感じ、鈴木博士は装置のパワーを切るが、そのとき発生した時間の歪みによって通信機が誰かの声をキャッチする。リーは、その声の主に何者なのかを尋ねるが、その声の主とは砂時計作戦のときの若いリー自身だった。このシーンはワイアット・ラッセルとカート・ラッセルの親子共演でもある。

これまで、世界軸と地上世界とでは時間の流れが違うと解説されてきた。しかし、『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」では、そこに鈴木博士の考察である時間の膨張を加算することにより、過去との通信が可能になった。

この伏線として、。メイがケンタロウとの会話の中で「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズについて触れているもしかすると、今後の『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』は時間軸に関わる物語になるのかもしれない。

そうすれば、映画本編のモンスター・ヴァースとの多少の設定の差は問題なくなる。また、「ゴジラ」シリーズでは『ゴジラvsキングギドラ』(1991)でタイムトラベルをテーマにしている。そのため、時間軸をいじるという話は今回が初めてではない。

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モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」ネタバレ感想

タイタンXは時間の流れの迷子?

ゴジラの東京上陸が夢落ちで終わったのは残念だったが、世界軸を利用することで時間移動が可能かもしれないと示唆するエピソードだったのは興味深い。なぜならば、チリの漁村の洞窟に遺された伝承ではタイタンXは一度消えていることが語られているからだ。

もしかすると、タイタンXは本来チリ付近を生息域にしている怪獣だったが、ケイトが世界軸の裂け目を開いたことで、古代から現代に迷い込んだのかもしれない。そうだとすれば、ケイトの言う道に迷ってパニックになっているという言葉がしっくりくる。

ゴジラやコングと言った怪獣の王たちの役割はタイタンXを倒すことではなく、本来の時間軸に送り返す可能性が出てきた。『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」によって生まれたこの仮説は、今後、ドラマと映画で別の世界線を辿る可能性すらも示唆している。今後の展開から目が離せない。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」は2026年4月3日(金)よりApple TV+にて配信開始

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』配信ページ

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第1話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第2話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第3話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第4話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話のネタバレ解説&感想はこちらから。

モンスター・ヴァースの年表はこちらから。

 

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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