ネタバレ解説&考察『名探偵津田 第4話~電気じかけの罠と100年の祈り~』バラエティ番組のミステリー 感想 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説&考察『名探偵津田 第4話~電気じかけの罠と100年の祈り~』バラエティ番組のミステリー 感想

(c)TBS

2025年の年末は『名探偵津田』で決まり!

大人気バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』。さまざまな説を芸人が持ってきては検証することがテーマの番組だが、その企画の中でも高い人気を誇るのが「犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリ、めちゃしんどい説」、通称『名探偵津田』だ。

最初は単純なワンコーナーとしてはじまった『名探偵津田』だが、探偵役に駆り出されるダイアン津田篤宏が嫌がりながらも推理に参加する様子と、巧妙に仕込まれた小ネタ、いまいち頼りにならない名探偵の姿が人気を博し、新語流行語大賞にもノミネートするほどの名物企画になった。2025年最後の『水曜日のダウンタウン』の放送の『名探偵津田』第4話は、まさかのSF展開で話題を呼んだ。

本記事では、そんな『名探偵津田 第4話~電気じかけの罠と100年の祈り~』のSF展開や小ネタなどの解説と考察、感想をしていこう。なお、以下の内容は『名探偵津田 第4話~電気じかけの罠と100年の祈り~』のネタバレが含まれるため、本編視聴後に読むと一層楽しめるかもしれない。

ネタバレ注意
以下の内容は、バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』の『名探偵津田 第4話~電気じかけの罠と100年の祈り~』の内容に関するネタバレを含みます。

『名探偵津田 第4話』ネタバレ解説&考察

電気イスゲームからまさかの展開

『水曜日のダウンタウン』の名物企画・電気イスゲームをしていたダイアン津田と劇団ひとり。前回の電気イスゲームで頭脳派に見えて実は弱いということが露呈している劇団ひとりに対し、ダイアン津田は有利にゲームを進めていく。

しかし、電気を浴びた劇団ひとりが倒れて動かない。駆けつけてくる小籔千豊と岡野陽一。その瞬間、ダイアン津田は気づいた。この企画は電気イスゲームではない。案の定、小籔千豊が劇団ひとりの死亡を確認。名物プロデューサーの倉田規行が事件の隠蔽を模索。こうなったら事件を解決できるのは一人しかいない。そう、名探偵津田だ。

ダイアン津田は気づいた瞬間に嫌がるがとんとん拍子にことは進み、APの高木尚美とともにダイアン津田は劇団ひとりこと江田島省吾の実家がある群馬県館林市に行くことになった。このとき、ユニクロのCMがあると思っていたダイアン津田はユニクロに連れて行ってくれと言うが、実は館林市は本当にユニクロの店舗が閉店してしまったのでユニクロがない。

1の世界と2の世界

『名探偵津田』を語る上で外せないのが1の世界と2の世界という概念だ。これはダイアン津田がどこまでが仕込みで、どこからが実際の出来事なのかわからなくなった際に発した言葉である。ダイアン津田は『名探偵津田』の時間軸を1の世界と仮定して、それが放送される現実世界を2の世界と呼んでいる。

1の世界のダイアン津田は芸人として有名ではなく、名探偵として有名ということになっている。しかし、当の本人は「自分は2の世界の人間」だと思っているので、登場人物に平然と「役に入れ込んでいるな」「また死んでるやん」と言うこともある。ある意味、『名探偵津田』はマルチバースに巻き込まれた人間のパニックが見られる貴重な企画である。

これは視聴者にも適応され、かなり前に放送された企画が実は『名探偵津田』の伏線になっている、映像の背景に『名探偵津田』の登場人物が映り込んでいるなど、視聴者も1の世界と2の世界に巻き込まれる。視聴者もダイアン津田もその入り組み具合に驚き、どこからどこまでが1の世界なのかわからなくなるのも面白い。

ちなみに、2の世界のダイアン津田自身も高校時代にフェンシング県大会で個人優勝を果たした経験があるなど、ちょっとした小説の名探偵っぽい要素を持っている。そのため、余計に1の世界と2の世界の境が曖昧になってしまうから余計に混乱する。

ダイアン津田が嫌がる理由

こんなにも大ヒットしたシリーズにも関わらず、ダイアン津田本人が嫌がるのには理由がある。CMなど架空の大きな仕事を入れて喜ばせておいてから突き落とす、移動時間などが長い、その割にギャラが安く設定されているなど、ダイアン津田が『名探偵津田』を絶妙に嫌がるように仕組んでいるのだ。

その一方で、探偵の助手役として理沙、理奈、理花という女性(同じ俳優)とキスできるチャンスがあり、ダイアン津田が完全に嫌がらないようにも仕組まれている。しかし、ダイアン津田は既婚者であるため、『名探偵津田』では葛藤したと思えば、次は怪盗として実の母親が見ているなどキスは毎回成功しない。この絶妙な塩梅が視聴者を笑わせる。

第4話では、泊まりが確定して幽霊の出る部屋に泊まった際、胸を見せてくる幽霊と出会い感謝を伝えているなど、ダイアン津田が自分の欲望に素直に行動する様子が生々しく放送される。それを笑っていると、実は背景に伏線が差し込まれるので、ダイアン津田は良い気持ちになったり、嫌な気持ちになったりと1の世界から抜け出せなくなっている。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part2』よりデロリアン登場

江田島家で劇団ひとりの父親・皇次の密室殺人事件が発生。皇次の遺言である金庫を開けるために100年前に行くことになるのだが、普通に考えれば不可能なことは明らかだ。そのとき、ダイアン津田の頭に嫌な予感が過る。それは1ヶ月ほど前、閉幕直前の大阪万博でロケを行った際、茶山英明という人物からタイムマシンの完成が近いと聞かされていたのだ。

つまり、あの冠特番は『水曜日のダウンタウン』の仕込みであり、放送されることはない。意気消沈するダイアン津田に追い打ちをかけるように、タイムマシンの到着は明日の朝だと茶山英明から電話越しに伝えられる。つまり泊まりが確定し、明日のユニクロのCMは消えた。

完全に意気消沈したダイアン津田。その前に登場するタイムマシンは、なんと『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part2』(1989)のデロリアンだった。これにはダイアン津田も大はしゃぎ。生ごみを燃料にするためのフードプロセッサーもついており、中まで完全再現されたデロリアンに喜びを隠せなかった。確かに開発者の茶山英明の苗字はブラウン、名はエイメイでエメット・ブラウン、つまりドクの本名のもじりになっている。

しかし、これは『水曜日のダウンタウン』だ。ダイアン津田を喜ばせて終わりではない。このデロリアンは不完全であり、時間移動するたびに漏電して激痛が走るのだ。そのため、時間移動するたびに搭乗者は電流で苦しむことになる。ここでもダイアン津田を喜ばせてから突き落とすという仕掛けになっている。

また、あくまでもダイアン津田は『名探偵津田』が嫌なため、デロリアンを使って事件が起きる前に戻って、事件を阻止すればいいのではないかとまで言う。元も子もないことだが、よくよく考えればその通りだ。その上、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズがそのような物語だったため、デロリアンの正しい使い方と言えるかもしれない。

江田島家の謎

デロリアンで100年前に戻ったダイアン津田だったが、そこで江田島家の先祖と思われる平八と出会う。この江田島と平八の組み合わせは週刊少年ジャンプの人気漫画「魁!男塾」シリーズの人気キャラクターの男塾塾長・江田島平八から取られている。デロリアンといい、ちょうどダイアン津田と同世代の視聴者に刺さるようになっている。

ここで理沙、理奈の先祖と思われる理花と出会い、再びダイアン津田は大はしゃぎ。テンションの上がるダイアン津田だったが、理花と会えたことに喜び過ぎた結果、重要な100年前の人物たちの名前を覚えいなかった。その上、現代に戻ってみれば助手役として巻き込まれたみなみかわの開かずの金庫を開けるというテレ東の企画をマルパクリした偽番組で金庫は開いていた。

助手役のみなみかわは三度目の『名探偵津田』に絶望。劇団ひとりの弟の玖馬も事件に巻き込まれ、捜査をしようとしたが案の定、ダイアン津田は過去の人物の名前を憶えておらず、みなみかわには呆れられている。ちなみに玖馬は芸人だったら実際にネタと同じ状況になっても突っ込み出来る説でも登場し、ちゃんと江田島というプレートを付けている。

ここで緑色の油絵具がないことに気が付き、再び過去に戻るためデロリアンを用意するとAPの高木尚美が言うが、あまりの気軽さに驚く。ちなみに、デロリアンに乗れることがそうとう嬉しかったのか、ダイアン津田は記念写真を撮っている。Xではみなみかわが自分映っていないことに突っ込んでいた。この後ろのぼやかされているのはカメラの部分。みなみかわのXでは消されていないので、プロ意識か、それとも1の世界で生きていくダイアン津田の決心だろう、

(c)X @daiantsuda

ちなみに、被害者の劇団ひとりの実家とされる江田島家だが、2の世界、つまり現実の劇団ひとりの本名は川島省吾。父親はパイロットで幼少期をアラスカで過ごすなど、国際的な家庭で育ったため、このような古い家とは真逆の家の育ちというのがお笑いファンにはたまらない演出となっている。

1925年と2025年

現代では江田島家だったが、理花の口からここは山田家だと明らかになる。家系図によれば、どこかで使用人の江田島玉助が山田家を乗っ取ったのだ。しかし、それよりもダイアン津田が大事なのは理花の存在。美しい女性が多く登場する『名探偵津田』だが、ダイアン津田は鈴木理沙、佐々木理奈、山田理花に純愛の情を抱いている。忘れないように念を押すがダイアン津田は既婚者なので、不倫にあたるのに純愛という矛盾した恋でもある

そのせいで理花を奪い合うダイアン津田と婚約者の太蔵だが、太蔵は1925年の人間なので「選挙権も無いくせに女は黙ってろ」と言い、2025年のダイアン津田とみなみかわはドン引き。理花を物扱いする大正時代の人間に、ダイアン津田が「俺らの時代はな、新しい総理が女性になろうとしてんねんぞ」と言い返すのがスカッとする。本家の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でもゴールディー・ウィルソンに対して、未来では黒人が市長になっていると言うシーンがあるので、奇跡の令和のカウンターだ。

毎回お馴染みの理花とのダイアン津田との恋愛パートだが、太蔵はサラッと重要なことを言っている。それは群馬有数の名家である鈴木家の鈴木太蔵のもとに山田家から理花が嫁いでくるということだ。確かに初めてダイアン津田が戸隠村に訪れた際、助手を務めた理沙の姓は鈴木である。

鈴木太蔵と卓球対決で勝利して理花との結婚を破棄させた上、自分は既婚者ではないと嘘をついてキスをし、公開不倫するダイアン津田。しかし、ダイアン津田と山田理花が結ばれた場合、鈴木理沙と佐々木理奈は誕生しなくなってしまう。このあたりは完全に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)と同じ流れだ。それにより、未来が変わってしまう。

山田家消滅

ダイアン津田を慕い続けた山田理花は鈴木太蔵との結婚で精神的に追い詰められ、自宅に放火し、服毒自殺。それにより山田家はおろか江田島家も消滅。2025年の未来すべてが変わってしまった。劇団ひとりの事件を解決するためには鈴木理花と山田太蔵を結婚させなければならない。しかし、変わってしまった2025年は江田島家が存在しないので、劇団ひとりの事件そのものも存在しない。

歴史が変わらないように山田太蔵の挑発に耐えながら卓球対決するダイアン津田。彼自身、俗に言う“煽り耐性”が低い上、一度勝利とキスの味を覚えてしまったため、ダイアン津田にとっては余計に屈辱的だ。ここもダイアン津田が『名探偵津田』を嫌がるように仕組まれている。

そして未来に戻ろうとしたとき、江田島玉助が「山田平八が村の金を使い込んだ」と嘘を流して梅とともに山田家が乗っとる瞬間を目撃する。これにより、山田家は消滅。山田平八は江田島玉助を末代まで呪うと罵り、この怨念が現代の事件へと繋がっていく。これにより鈴木家に嫁いだ理花は戸隠村に逃げ、戸隠村の鈴木理沙が生まれることに。

さらに100年前の江戸時代へ

本家の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズが『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』(1990)で西部開拓時代に行ったように、いたずら小僧のせいで100年前の江戸時代に飛ばされてしまったダイアン津田とみなみかわ。当然この時代に電気などなく、デロリアンのバッテリーが切れたことで未来に帰れなくなってしまう。

いよいよ2人は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのように落雷でバッテリーを充電するか、蒸気機関車で加速しないといけない状況になってしまった。電気を手に入れるためにエレキテルを探すダイアン津田とみなみかわ。ここで山田家の祖先の平五と出会うが、その妻の菊はダイアン津田に胸を見せた幽霊だった。

江戸時代の電気と聞いて平賀源内を想像する二人。しかし、エレキテルを持つ人物として紹介されたのは江戸時代の儒学者、大坂町奉行組与力の大塩平八郎。大塩平八郎の乱で知られる彼だが、1000年先でも自分を演じることは許さないと断言した瞬間、2028年の大河ドラマ「雷鳴は聞こえるか~大塩平八郎ものがたり~」に松平定信役で出演すると思っていたダイアン津田はそれも仕込みだったと悟り、再びショックが走る。

大塩平八郎曰く、エレキテルに銅線をかけなければデロリアンは充電できないということだったが、どうみても電気ショックを仕掛けたいだけの嫌がらせだ。しかし、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では最後、ドクが落ちた配線を繋げようとして時計台に登り、落雷のショックを受ける展開だったので、これも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのパロディ演出だ。

ミステリーファンの代弁者・ダイアン津田

ダイアン津田とみなみかわは江田島玉助と梅に恨みを抱いた山田家の子孫の犯行と推理。そこで使用人の権蔵と医者のたくやのいずれかが山田家の子孫ではないかと考えるが、みなみかわはここまでの仕掛けで、オチが“ざ・たっち”の双子トリックで終わるのかと疑う。

その疑問にダイアン津田は第2話が医者の誤診というオチだったと突っ込む。そう、これはミステリードラマではない。バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』なのだ。ちょっと雑なのも『名探偵津田』の味だ。ダイアン津田がみなみかわの推理に対して手柄を横取りするなど、普通に考えたらミステリードラマではない展開が続くのが『名探偵津田』なのだ。

そして、100年前に山田平八が江田島家の書斎の壁に怒りで穴をあけたことを思い出したことで、壁を調べると穴のあった場所に絵が固定されていた。実は江田島家に残されていた掛け軸には「堅壁にも隙あり志あらば穿つべし」と書いてあり、山田家の子孫に向けたメッセージとなっていた。

さらに絵の緑色の油絵具は塗りたて。権蔵を犯人だと確信し、美味しいところを持っていきたいダイアン津田は権蔵の部屋で100年前に撮影した写真と菊がつけていたかんざしを見つける。そして、ダイアン津田は名探偵津田として待望の推理ショーに突入するのだった。

権蔵の本名は鈴木権蔵、つまり鈴木太蔵と山田理花の子孫であり、山田家の復讐の物語だったのだ。鈴木権蔵は自決し、ダイアン津田は『名探偵津田 第4話~電気じかけの罠と100年の祈り~』の終わりを宣言するが、今回は年末特番の前後編の90分スペシャル。そう簡単には終わらない。

このとき、江田島家から去るダイアン津田の後ろに映るお婆さんが印象的に映される。実は、このお婆さんは最初に江田島家に向っているときもダイアン津田とすれ違っており、最初から事件に関与していた可能性を匂わせる。

20年後から来た息子・亮吾

事件を解決したと思ったダイアン津田。一週間後、プレイべートでゴルフを楽しんでいたところ、ダイアン津田のもとに20年後の未来からデロリアンに乗った38歳の息子・亮悟が現れる。彼曰く、鈴木権蔵の遺したメモに自分が起こした事件は2つだけと書いてあり、未来で冤罪を起こしたとして1の世界では津田家は表に出られない状況と知る。ここはまだ1の世界だったのだ。ちなみに周りの芸人曰く、亮悟は本当のダイアン津田の18歳の息子の名前らしい。

未来の世界で技術が発展した結果、劇団ひとりだけが服毒自殺であり、その毒がダイアン「津田が太蔵に勝ち、理花とキスした世界線」で理花が服毒自殺に用いたオニスイセンと同じだと判明する。そして、すれ違っていた老婆が理花であり、みなみかわは街頭インタビューで100歳を越えた理花と接触していたことまで明らかになる。

ダイアン津田は世界線がデロリアンによって分岐することで余計に混乱。そもそも、1の世界と2の世界というマルチバースにより既にパニックになっているダイアン津田に、新たにパラレルワールドの世界線の分岐までぶつけるのは酷というものだ。

ダイアン津田とみなみかわは再び群馬県館林市へ向かい、お婆さん、いや、理花に再会しに行く。理花はようやくダイアン津田が自分に気づいてくれたことに喜び、劇団ひとりの殺害を告白するとともに、ダイアン津田と再会するために事件を起こしたの語る。服毒自殺に用いたオニスイセンの花言葉は「私のもとに帰って」であり、タイトルの100年の祈りとはダイアン津田への愛だった。

理花は最後にダイアン津田にキスを迫るが、18歳の理花とキスしたのにもかかわらず、118歳の理花とはキスを拒むダイアン津田。あのときは未婚とウソをついたのに、今回は既婚者と告げるなど、ダイアン津田はどこまでも欲求に素直。最後までキスを拒み続けたのだった。

『名探偵津田 第4話』ネタバレ感想

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ40周年記念

『名探偵津田 第4話~電気じかけの罠と100年の祈り~』は徹底して「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの小ネタが挟まれたエピソードだった。『水曜日のダウンタウン』の作家の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ愛が爆発していると言っても過言ではない。

その一方、霜降り明星せいやが突っ込んでいたように、ロバート・ゼメキス監督が怒りそうなデロリアンの使い方をしているのも確かだ。とくに江戸時代の平五と菊のシーンはロバート・ゼメキス監督を激怒させてもおかしくないかもしれない。

しかし、それは『水曜日のダウンタウン』という番組を利用して、デロリアンで遊び倒したいというオタクの夢を叶えたものだとも言える。デロリアンで不謹慎なことをしてみたいし、デロリアンを使えば自由に時間軸をいじれるので世界を自由に書き換えて遊んでもみたいし……デロリアンを与えられたオタクたちのはしゃぎっぷりが伝わる展開だ。

また、今回のサブタイトルの電気じかけが電気イスゲームだけではなく、デロリアンやその座席の漏電問題、江戸時代のエレキテルなど様々なものにかかっている。どこまでが仕込みで、どこからが1の世界と2の世界の境なのかわからなくなる『名探偵津田』だが、第4話で伝えたいのは「ロバート・ゼメキス監督、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ40周年おめでとう」というオタクの感謝の念だろう。

1の世界の中心・戸隠村

『名探偵津田』シリーズを語る上で外せないのが、初めて名探偵津田と助手みなみかわがタッグを組んだ第2話の戸隠村での事件だ。この事件では、戸隠村の五百旗頭一族が中心となったが、事件解決のヒントとして、戸隠村のYouTubeチャンネルが誰にも知らされずに公開されていることでダイアン津田と視聴者を驚かせた。

今回も戸隠村のYouTubeチャンネルが更新されており、戸隠村が忍者の隠れ里で、平家の落ち武者をはじめとした様々な人々が入ってきたことが明らかになっている。ここで戸隠村が隠れ里であることが強調され、山田家が逃げのびたことが明らかになる。

つまり、この100年間で山田家が江田島家に乗っ取られた結果、そして山田家は戸隠村に逃亡。理花の血筋は戸隠村の鈴木理沙と、その双子の妹である佐々木理奈につながる。1の世界の中心には戸隠村があるので、『名探偵津田』ファンは戸隠村Channelを随時チェックしなければならない。バラエティ番組でここまで入り組んだ世界観を構築しているのは『水曜日のダウンタウン』ぐらいだ。

最後にエンドロールまで注目していただきたい。エンドロールにAPとして助手役を務めた高木尚美と事件の隠蔽を試みた悪徳プロデューサーの倉田規行の名前がある。つまり、私たちはまだ1の世界にいるのかもしれない。最後の最後まで、1の世界か2の世界かわからなくさせるマルチバース展開。これが『名探偵津田』なのだ。

『水曜日のダウンタウン』の『名探偵津田 第4話~電気じかけの罠と100年の祈り~』はTVerにて見逃し配信中。また、過去のエピソードはU-NEXTにて配信中。

『水曜日のダウンタウン』TVer配信ページ

『水曜日のダウンタウン U-NEXT配信ページ

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズは、3作品をまとめた30周年記念トリロジー版Blu–rayボックスが発売中。

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のネタバレ解説&考察はこちらから。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART4』とリメイクについての情報はこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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