マーベル・スタジオがドラマ制作に新方針 複数シーズンを前提とした「伝統的な方法」をMCUに | VG+ (バゴプラ)

マーベル・スタジオがドラマ制作に新方針 複数シーズンを前提とした「伝統的な方法」をMCUに

©️2025 Marvel

MCUドラマが変わる?

2025年も、マーベル・スタジオからは複数のドラマ作品が公開される。3月5日(水) からはドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』がディズニープラスで配信を開始する。その後も、6月24日に『アイアンハート(原題)』、12月に『ワンダーマン(原題)』が配信される予定だ。

そんな中、マーベル・スタジオはドラマ制作において新たな方針を定めている。マーベル・スタジオの配信・テレビ・アニメ部門のヘッドを務めるブラッド・ウィンダーバウムは、ドラマ『アガサ・オール・アロング』が配信されたタイミングで米Entertainment Weeklyで現在の新方針を明かしている。

「映画のため」から転換

元々MCUのドラマ作品は、2019年にディズニープラスを立ち上げたウォルト・ディズニー社からの要請で製作がスタートした。幕開けとなった2021年には、映画に登場済みの人気キャラを主人公に据えた『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』『ロキ』『ホークアイ』が配信された。

当初、MCUのドラマ作品は映画に直接繋がるものにするという目的が置かれていたという。例えば『ワンダヴィジョン』は映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022) へ、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』は映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025) と『サンダーボルツ』(2025) へと繋がる序章という位置付けだった。

ブラッド・ウィンダーバウムはMCUドラマにおけるこの方針を変更したことを明かしている。

現在、私たちは伝統的なドラマシリーズのように複数のシーズンを更新していくことを考えています。そうすることで、そのカルチャーの中でキャラクター達が育っていくのを何年にも渡って見られるようになります。

つまり、これまで映画のために制作されていたドラマを、次のシーズンも見据えたドラマらしいドラマへと転換していくということだ。映画とドラマはセットで観るというのが基本だったMCUにとっては、大きな変化となりそうだ。

今後のMCUドラマは?

これまで、MCUのドラマでシーズン2が製作されたのは『ロキ』のみだが、同作は当初から2シーズンで一つの物語という構成だった。3月配信の『デアデビル:ボーン・アゲイン』はシーズン2の配信が決定しているが、こちらはNetflixで配信されたドラマ『デアデビル』(2015-2018) のように、伝統的なドラマ作品の形でシーズンを更新していく可能性もある。

先述の通り、MCUドラマでは『ミズ・マーベル』(2022) と『シークレット・インベージョン』(2023) が映画『マーベルズ』(2023) に繋がるなど、ドラマが映画の序章となるパターンが主流だった。一方で、『ムーンナイト』(2022) や『シー・ハルク:ザ・アトーニー』(2022) など、高い評価を受けながらも今のところ映画にはつながっておらず、シーズンの更新がない作品もある。

それらの作品のキャラクター達も、大型クロスオーバーが期待される「アベンジャーズ」作品で登場する可能性は高い。だが、ドラマでもそのキャラクター達のストーリーが継続されるのであれば、ファンとしては観てみたい。

なお、MCUドラマでは「ワンダ三部作」の最終作『ヴィジョン・クエスト(仮題)』が2026年の配信を予定している他、スーパーヒーローのノヴァを主人公にしたドラマの製作も進められている。ノヴァのドラマの配信時期は、2027年5月米公開の『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』よりも後とされている。

2026年は映画『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』とMCU「スパイダーマン」4作目、2027年は『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』という大型作品が控えている。その後に来たるフェーズ7では、一味違ったMCUドラマが観られるかもしれない。

ドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』は2025年3月5日(水) より、ディズニープラスで配信開始。

ディズニープラス

Source
Entertainment Weekly

『ヴィジョン・クエスト(仮)』の情報はこちらから。

『デアデビル:ボーン・アゲイン』の最新予告はこちらから。

『アガサ・オール・アロング』シーズン2についてショーランナーが語った内容はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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