さなコン2024 結果発表
2024年9月24日(火)、ピクシブ株式会が主催し、一般社団法人日本SF作家クラブが共催する「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト2024」(通称:さなコン2024)の受賞作品が発表された。
今年のさなコンでは、これまでのさなコンとは変化が見られた。まずは主催が一般社団法人日本SF作家クラブからピクシブ株式会に。そして、新しく部門や賞が新設された。「見返した日記には、一ページだけ意味のわからない箇所がある。」という指定された一文から始まる小説を募集し、日本SF作家クラブの会員が審査員を務める「さなコンN部門」。これまでのさなコンの書き出しのうち好きなものを選んで小説を書き、抽選で小冊子が当たる「さなコンフリー部門」。そして、コンテスト応募作品に対する応援コメントをつけた読者に抽選で景品が当たる「Myさなコン賞」だ。
24日に発表が行われたのは、このうち、「さなコンN部門」。さなコン賞に選ばれたのは、秋待諷月「花が咲いた日」。審査員賞はそれぞれ、鳥原継「終身永年懐古厨とページに挟まる女(meta null character)」(粕谷知世賞)、東京ニトロ「THIS IS THE END NOW 1983」(久美沙織賞)、深津弓春『やたら賢いハンスの誤謬』(柴田勝家賞)、志村麦穂「言の葉の翳を游ぐ」(図子慧賞)、珠宮フジ子「魔女の遺言」(関元聡賞)が受賞した。
第1回は坂崎かおる、第2回はaya(文月あや)、第3回はだいたい日陰が受賞してきた、「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」。「さなコンN部門」という部門が設けられ、賞名が「日本SF作家クラブ賞」から「さなコン賞」に変わって初めての受賞者となったのは、秋待諷月。さなコン賞受賞者には、非売品のさなコン2024特別ノベルティと日本SF作家クラブによる講評が贈られる。審査員賞の受賞者には作品を選出した作家による講評が贈られる。また、入選作品は、さなコン2024の小冊子に作品が収録される。
今回、「THIS IS THE END NOW 1983」で久美沙織賞を受賞した東京ニトロは、Kaguya Booksから9月30日に刊行される『トウキョウ下町SFアンソロジー:この中に僕たちは生きている』に「総合的な学習の時間(1997+α)」で参加している。
さなコン2024は4月26日からpixiv上で開幕。「見返した日記には、一ページだけ意味のわからない箇所がある。」を共通の書き出しに定め、10,000字以内の小説を募集した。さなコンは第4回目の開催であり、年号の表記が付されるようになって初の開催となった。最終選考審査員は粕谷知世、久美沙織、柴田勝家、図子慧、関元聡の各氏が務めた。今回の結果発表と共に、粕谷知世、久美沙織、柴田勝家、図子慧、関元聡による講評および総評が公開されている。
また、Kaguya Booksから好評発売中の『SF作家はこう考える:創作世界の最前線をたずねて』には、第一回「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」から審査員を務め、通算2000編以上の応募作品を読破した作家の門田充宏さんによるコンテストを勝ち抜くための小説の手引き「戦略的にコンテストに参加しよう さなコンスタディーズ 2021-2023」が収録されている。
※本記事のサムネイルは「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト2024」Webサイトのバナーより作成しました。