映画『罪人たち』6月20日公開
「ブラックパンサー」シリーズのライアン・クーグラー監督最新作『罪人たち（原題：Sinners）』が2025年6月20日(金) より日本で公開を迎える。マイケル・B・ジョーダンが双子役で主演を務め、「ブラックパンサー」シリーズのルドウィグ・ゴランソンが音楽を担当する。
『罪人たち』は、1932年のミシシッピを舞台に、シカゴから地元に帰ってきた双子の兄弟スモークとスタックが一攫千金を目指してダンスホールを開業するという物語。ブルースシンガーや料理担当、見張り番に装飾担当など、兄弟はビジネスに必要な人材を次々とリクルートしていくが、“招かれざる客”の登場によって事態は一変する。
『罪人たち』は4月に北米で公開されると、硬派なテーマと斬新なストーリー、印象的なサウンドトラック、そして俳優たちの見事な演技によって高い評価を受け、公開初週末の米国内興収は4,800万ドルを記録。原作を持たず、シリーズにも属さない完全オリジナルの映画作品としては過去10年で最大のヒット作となった。
『インセプション』以来のヒット
『罪人たち』の製作費は9,000万ドルほどと見られているが、既に世界興収は3億5,800万ドルを突破している。ライアン・クーグラー監督作品では『ブラックパンサー』(2018)、『ブラックパンサー：ワカンダ・フォーエバー』(2022) に続くヒット作品となっている。
『罪人たち』は「完全オリジナルの映画作品としては過去10年で最大のヒット作」としたが、米国内では公開から8週を経て、興行収入は2億7,500万ドルを突破。オリジナル作品としては『ゼロ・グラビティ』(2013) の2億7,400万ドルを超え、「オリジナル作品としては過去15年で最大のヒット作」となった。
オリジナル作品として『罪人たち』の上位に立つ映画が、2010年に公開され、国内興行収入2億9,200万ドルを記録したクリストファー・ノーラン監督の『インセプション』(2010) だ。原作を持たずシリーズではないオリジナル映画としては、『罪人たち』は『インセプション』以来のヒットを記録したことになる。米国では、公開7週目にしてデジタル配信も始まったため、『罪人たち』が『インセプション』の記録にどこまで迫れるかに注目が集まる。
続編について、ライアン・クーグラー監督が語る
早くも2025年を代表する作品の一つとなった『罪人たち』だが、意外にもライアン・クーグラー監督は続編の制作を想定していないという。ライアン・クーグラー監督は米Ebony Magazineで、続編について「考えたこともありません」として、こう語っている。
しばらくフランチャイズ映画に取り組んでいたので、距離をとりたかったんです。自分にとってオリジナルでパーソナルだと感じられる映画に取り組むことを楽しみにしていて、オリジナルでユニークなものを観客に届けたいという欲求もありました。
ライアン・クーグラー監督が最後にオリジナル作品を手掛けたのは、長編デビュー作でマイケル・B・ジョーダンが主演を務めた『フルートベール駅で』(2013) だ。その後、クーグラー監督は「ロッキー」シリーズの『クリード チャンプを継ぐ男』(2015) を手掛けた後、MCUフランチャイズで二作の「ブラックパンサー」を手掛け、2025年配信のドラマ『アイアンハート』と『アイズ・オブ・ワカンダ（原題）』で製作総指揮を務めるなど、フランチャイズ作品での仕事が続いている。ライアン・クーグラー監督にとって、『罪人たち』はデビュー作以来12年ぶりのオリジナル長編だったのだ。
その上で、クーグラー監督はこう続けている。
映画をコース料理のように味わってほしかったんです。アペタイザー、前菜、メインディッシュ、そしてデザートが出てきて、全てそこに揃っている。全てが揃っていて、完結している、そういうものにしたかったんです。それが私の狙いでした。常にそれを意図していました。
映画ファンの“フランチャイズ疲れ”も指摘されている中、『罪人たち』は一本の作品として楽しめる映画になっている。それは映画本来の楽しみ方の一つでもあるが、ライアン・クーグラー監督は最初からこの形を意図していたというのだ。
オリジナルの名手になるか
過去15年のオリジナル作品の興行収入を見ても、上位に入っていて続編が制作されたのは『クワイエット・プレイス』(2018) くらいで、ほとんどの作品は続編が制作されていない。ちなみに、オリジナル作品の興行収入上位を占めているのは、『インセプション』『ダンケルク』『インターステラー』など、クリストファー・ノーラン監督の作品だ。
ノーラン監督といえばバットマンを主人公にした「ダークナイト」トリロジーで知られ、DCEU作品でも製作総指揮を務めている。ライアン・クーグラー監督もまた、「ブラックパンサー」シリーズを手掛ける傍ら、クリストファー・ノーラン監督のようにオリジナル作品の名手となっていくのだろう。
映画『罪人たち』は、ブルースをはじめとする音楽の要素を中心に置いており、「クリード」「ブラックパンサー」シリーズや『オッペンハイマー』(2023) の音楽を手掛けたルドウィグ・ゴランソンが初めて製作総指揮も務めている。主演を務めるマイケル・Ｂ・ジョーダンの他、ドラマ『ホークアイ』(2021) のケイト・ビショップ役ヘイリー・スタインフェルド、ドラマ『ロキ』(2021-) のB-15役ウンミ・モサクらも出演する。
映画『罪人たち』は2025年6月20日（金）、IMAX®及び2D字幕、Dolby Cinema®で劇場公開。
邦題：罪人たち（※よみ：つみびとたち） 原題：Sinners 映倫：PG12 上映時間：2時間17分 配給：ワーナー・ブラザース映画
© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema® is a registered trademark of Dolby Laboratories
Source
Ebony Magazine
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一人二役のマイケル・B・ジョーダンをフィーチャーした特別映像はこちらの記事で。
