ネタバレ解説&感想『プレデター:バッドランド』ラストの意味は? 「エイリアン」との繋がりと今後を考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説&感想『プレデター:バッドランド』ラストの意味は? 「エイリアン」との繋がりと今後を考察

©2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

初掲:2025年11月7日

2025年公開の『プレデター:バッドランド』

人気SFアクション「プレデター」シリーズの最新作『プレデター:バッドランド』は2025年11月に公開された作品。正史に位置付けられている映像化作品としては『プレデター』(1987)、『プレデター2』(1990)、『プレデターズ』(2010)、『ザ・プレデター』(2018)、『プレデター:ザ・プレイ』(2022)、『プレデター:最凶頂上決戦』(2025) に続く最新作で、第7作目に位置する。

『プレデター:バッドランド』の監督を務めたのは、『10 クローバーフィールド・レーン』(2016) のダン・トラクテンバーグ監督。ディズニープラスで配信されている『プレデター:ザ・プレイ』『プレデター:最凶頂上決戦』に続いて指揮を執る。また、同監督はドラマ『ザ・ボーイズ』(2019-) でシーズン1第1話「発端」の監督を務めたことでも知られている。

今回は、シリーズで初めてプレデターが主人公に据えられた映画『プレデター:バッドランド』について、特にラストの展開に焦点を当ててネタバレありで解説&考察していこう。以下の内容は結末に関する重大なネタバレを含むため、必ず本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『プレデター:バッドランド』の結末に関するネタバレを含みます。

『プレデター:バッドランド』ネタバレ解説&考察

若きプレデターの物語

映画『プレデター:バッドランド』は、映画では『プレデターズ』となる異星を舞台にした作品で、ゲンナ星での若きプレデターの“狩り”が描かれる。しかし、本作が特殊な点は、一族で最弱とされる主人公デクがゲンナ星での出会いを通して変化していく点だ。

デクはヤウージャの一族の落ちこぼれと見做されており、畏怖する父から処刑を言い渡されていた。しかし、デクの兄のクウェイは命を捧げてデクを守り、父に殺される代わりにデクをゲンナ星へと送り出した。デクとクウェイの会話を聞くに、クウェイは過去にデクに命を救われたことがあったようだ。

デクはカリスクという最強の生物を狩って帰ることが兄への弔いと父への証明になると信じ、ゲンナ星で狩りを始めることになる。『プレデター:バッドランド』の物語の土台にあるのは、「プレデター=狩りを行う戦闘民族」という前提だ。『エイリアンVSプレデター』(2004) では、プレデターの狩りは成人の儀式として描かれており、『バッドランド』でも若きプレデターが自身の力を証明する儀式として描かれている。

『プレデター:バッドランド』の冒頭では、「ヤウージャは群れない」と、単独で狩りを行わなければならないという一族のルールが示される。しかし、デクはゲンナ星で出会ったアンドロイドのティアと、小さなお猿のようなバドとの出会いを経て変化していくことになる。

「エイリアン」との繋がりは?

エル・ファニング演じるティアは、ウェランド・ユタニ社製のアンドロイドとして登場。ウェイランド・ユタニ社といえば、「エイリアン」シリーズに登場する悪の企業で、アンドロイドを開発してエイリアンの捕獲に精を出す企業として知られている。

「プレデター」シリーズと「エイリアン」シリーズは映画では『エイリアンVSプレデター』、『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』(2007) でクロスオーバーしており、コミック版も展開されている。クロスオーバーシリーズはどれが正史に設定されているのか不明確となっているが、コミックやゲームを通して両シリーズのクロスオーバーは様々な形で描かれてきた。

映画シリーズでは、「エイリアン」の映画シリーズにはプレデターの要素は登場していないが、『プレデター2』ではプレデターの宇宙船内にエイリアンの頭蓋骨が飾られていた。映画『エイリアンVSプレデター』ではウェイランド社が登場し、『AVP2』ではユタニ社の幹部と思われる人物が登場。今回、『プレデター:バッドランド』ではついにウェランド・ユタニ社が映画版「プレデター」に登場した。

さらに映画『エイリアン』(1979) から登場しているAIの「マザー」も登場。マザーはゲンナ星の生物を理解するためにティアを感受性豊かな個体として設計したようだ。ウェイランド・ユタニ社の狙いはデクと同じくカリスクである。「エイリアン」シリーズではエイリアンを捕獲して人類を進化させようとしていたが、『プレデター:バッドランド』では高い再生能力を持つカリスクを捕獲して人類の進化に用いようとしているようだ。

カリスクとの戦いとデクの変化

『プレデター:バッドランド』ではデクと共にカリスクを追っていたように思われていたティアだったが、真の狙いは「姉妹」であるテッサが率いるウェイランド・ユタニ社の部隊と合流することだった。カリスクとの戦いで下半身を失ったティアは、自身を拠点まで運んでもらうためにデクを利用していたのである。

デクは裏切られた格好になるが、そこにカリスクが現れ戦闘に。だが、カリスクはデクを追い詰めるも匂いを嗅いで攻撃をやめている。この後に明らかになるが、バドはカリスクの子どもで、デクから食べ物を分けてもらった時に敬愛の証としてデクの顔に唾を吐いていた。カリスクはその匂いを感じ取ってデクをファミリーだと見做したのである。

しかしここにテッサが現れると、プレデターの武器を使ってカリスクを冷凍。デクもろとも捕獲に成功する。ティアは輸送中になんとかデクを解放するようにテッサを説得するのだが、テッサはウェイランド・ユタニ社のアンドロイドに託された「使命」から逸れようとしない。

テッサのこの態度は、独りで狩りをして一人前にならなければならないという、プレデターの、ヤウージャの掟を信じてやまなかったデクの姿勢の裏返しでもある。戦闘民族たるプレデターが愚かなのではなく、地球の文明もまた自分に課されたルールに服従して突き進む者がいる。それはアンドロイドだけでなく人間社会にも言えることだ。

そんなテッサに、ティアは「生き方は選べる」と伝える。この言葉は同時にデクにも向けられており、『プレデター:バッドランド』のデクはそうして他者の姿を見ながら変化していく。ティアの助けを得て脱出したデクはバドと合流し、バドがカリスクの子どもであったことを知り、二人はティアとバドの母を助けるためにウェイランド・ユタニ社に挑むことになる。

『プレデター:バッドランド』ラストをネタバレ解説&考察

新しいプレデター

映画『プレデター:バッドランド』のクライマックスでは、武器を失ったデクはゲンナ星の植物や生物を採取して武装する。中にはカミソリ草のようにティアが特性を教えてくれていたものも含まれている。

つまりデクは伝統的なプレデターの装備ではなく、ゲンナ星で出会った生態に適応し、出会いと旅を通して学んだことを取り入れているのだ。それに囚われた仲間や家族を助けに行くという行為もプレデターの掟に反している。

思えば『プレデター2』では、プレデターを倒した人間の方がプレデターの一族から評価を受けていた。弱き者は淘汰されるのがプレデター社会だ。だがデクは旅の途中でティアから、オオカミの中のアルファと呼ばれるリーダーは狩りをするのではなく群れを守る者だと聞かされ、異なる価値観を持つようになっていた。

文化も価値観もアップデートしたデク。史上稀に見るバイオな装備を身につけたプレデターの誕生だ。さらにティアの下半身を起動して上半身の元へ向かわせることでウェイランド・ユタニ社の運搬船との合流に成功してもいる。スマートなやり方だ。

ゲンナ星の植物を用いたデクの戦い方はもちろん、ティアの上半身&下半身タッグによるアクションも見どころの一つだ。アンドロイドという設定を活かして、あまり見たことがないクールな戦闘シーンが展開されていた。

ロボ vs 怪獣

デクが爆弾虫(仮)と毒針花(仮)でアンドロイドを一掃するシーンは圧巻。必殺仕事人のような格好良さがあった。ティアは下半身と上半身を接続すると、バドと共にお母さんカリスクの解放にあたる。アンドロイドのコートを着て変装しているつもりのバドの姿にはほっこり。バドは本当に良いコミックリリーフになってくれていた。

さらに『プレデター:バッドランド』の見せ場は続く。テッサがロボに乗って登場し、解放されたカリスクとのバトルを繰り広げるのだ。「プレデター」でロボと怪獣のバトルが観られるとは。こちらも映像のクオリティーは高く、エンタメ要素をこれでもかと詰め込んだクライマックスとなっていた。

カリスクはどうしても敵を喰らう習性があるようで、テッサを丸呑みしてしまう。カリスクとバドは再会を果たし、デクもまたカリスクとおでこを合わせて絆を結ぶが、案の定テッサが内部からカリスクを破壊。凍らされて破壊されたために再生機能が使えず、カリスクは死んでしまったのだった。

さらにテッサはプレデターの武器を用いてティアを殺そうとするが、デクが自身の足に刺さっていた刃物でテッサを倒して勝負あり。こうしてデクは、自分の力を証明するためではなく、他者を守るために行動することで初めての狩りを終えたのだった。だが、デクにとってはまだ終わりではないという。

ラストの意味は?

もうお父さんのことなんて忘れてみんなで仲良く暮らせばいいじゃんか、とも思うが、今までの“プレデター”と逆をいく展開が続く中で、旧来のファンのために“プレデター”としての要素も残そうという配慮もあるのだろうか、デクはやはり父と決着をつけるために故郷へ戻る。

急成長を遂げたデクは父の側近を瞬殺すると、お父さんとも良い勝負を見せて撃破。追い詰められたデクの父は一族に迎え入れようとオファーするも、デクは「本当の家族がいる」として拒否し、急に大きくなったバドがお父さんの頭を食べて勝負は決するのだった。

映像では一瞬で父の元へと帰っていたが、おそらくデクはテッサを倒した後にゲンナ星で訓練を積んだのだろう。バドの身体が大きくなっていたのがその証で、バドとデクは一緒に成長して父の元へ向かったものと考察できる。

何よりこのシーンでは、デクは最後のとどめをバドに譲っている。独りで戦果をあげることを求められるプレデターの掟ではあり得ないことだ。そしてバドは、その一族に生まれたからという“使命”を背負うのではなく、自分で選んだ家族と一緒にいることを選んだ。“戦闘民族”として厳しい戦いを強いられてきたプレデターが解放されたような、そんな優しいラストだった。

しかし、『プレデター:バッドランド』にはまだもう一展開待っていた。ヤウージャの一族が一斉に現れると、巨大な宇宙船が飛来。デクは「母上だ」と明かし、『プレデター:バッドランド』は幕を閉じている。捕食者の上には捕食者がいる、そんなシリーズの定石を一味違うやり方で見せるようなラストだった。

『プレデター:バッドランド』ネタバレ考察&感想

面白すぎるSF映画

映画『プレデター:バッドランド』は、シリーズで初めてプレデターを主人公に置いた作品ということで、プレデター社会の掟を疑い、覆していく爽快な作品だった。広大な自然の映像美セーラ・シャクナーの重厚な音楽怪獣からロボットバトルまで見せてくれるサービス精神と合わせて確実に2025年公開映画の上位に入る面白さだった。

「エイリアン」シリーズからアンドロイドとウェイランド・ユタニ社の要素を取り入れつつも、本作を単独で観ても面白いと思えるようなバランス感覚も見事だった。ネイティブ・アメリカンの社会を舞台にした『プレデター:ザ・プレイ』からダン・トラクテンバーグを続投させたのは大正解だったと言える。人類はまだこんなに面白いSF映画を作ることができたのだ。

最弱のプレデターが危険な惑星に追放されるというあらすじからは想像できなかったが、後半からはプレデターとアンドロイドの戦いが展開された。「エイリアン」シリーズ出身のウェイランド・ユタニ社のアンドロイドとプレデターが激突し、実質『プレデターVSアンドロイド』となった展開もワクワクした点だった。

今後はどうなる?

表情が全く違うティアとテッサを演じ分けたエル・ファニングの演技も良かったし、プレデターの言語を操り目で感情を表現するディミトリウス・シュスター=コロアマタンギの演技も良かった。『プレデター:バッドランド』の良かった点を挙げ出すとキリがないのだが、気になるのは今後のフランチャイズの展開についてだ。

『プレデター:バッドランド』の最後は、できればデクとティアとバドとバドのお母さんで幸せに暮らしてほしかったが、そのラストでは今後につなぐことが難しくなるのだろう。ラストでは映画作品では明確に描かれていなかった女性プレデターの登場を予感させる展開が待っていた。

本作の前半は、父を恨みながらも自分の力を証明することに取り憑かれているデクの姿が描かれた。一人で狩りを成功させられないプレデターは弱者として掃き捨てられる、非常に男性的な価値観がこれまでのプレデター社会の特徴だった。

『プレデター:バッドランド』では、デクに新たな視点をもたらすティアは女性型のアンドロイドで、バドも代名詞は「She」になっていた。カリスクも「母」とされており、プレデター社会の規範を揺るがすのは、非男性的な文化というメッセージも読み取れる。今後はデクの母を通してプレデター社会の新たな側面が描かれることになるのだろうか。

一方で、『プレデター:バッドランド』の公開前にディズニープラスで配信された『プレデター:最凶頂上決戦』は、『バッドランド』と同じように「ヤウージャの書」の引用から始まる。同作では地球の各時代で“捕食者”となった強者がプレデターによって集められている。

一見プレデターがタイムトラベルをしているようにも見えるのだが、ダン・トラクテンバーグ監督はプレデターがコールドスリープを使って各時代の猛者を集めているだけだと明かしている。同作には『プレデター2』と『プレデター:ザ・プレイ』にも登場した1715年製の銃も登場しており、その物語が連綿と続く「プレデター」の歴史の一部であることが示されている。

この伏線が回収されるとすれば、プレデターと最強の人類が対決するか共闘する展開が考えられる。ウェイランド・ユタニのアンドロイド vs プレデター&人類連合の戦いも見てみたい。

2025年8月に配信されたドラマ『エイリアン:アース』では、2120年を舞台にウェイランド・ユタニ社を含む五つの企業が地球を統治していることが明かされ、同社CEOのユタニも登場した。「エイリアン」シリーズからは2024年公開の『エイリアン ロムルス』の続編の制作が進められている。

『エイリアン ロムルス』ではウェイランド・ユタニ社のアンドロイドの新たな側面も描かれただけに、ウェイランド・ユタニ社を通した今後の「エイリアン」と「プレデター」両作のクロスオーバーも期待できる。プレデターは今後どんなアップデートを見せるのか、その行方を注視しよう。

映画『プレデター:バッドランド』は4K UHD + ブルーレイ セットが発売中。

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
¥8,690 (2026/02/20 00:28:21時点 Amazon調べ-詳細)

『プレデター:バッドランド』公式

 

第1作目『プレデター』から第4作目『ザ・プレデター』までを収録した『プレデター クアドリロジーBOX』は発売中。

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
¥14,798 (2026/02/19 22:28:32時点 Amazon調べ-詳細)

第5作目『プレデター:ザ・プレイ』ブルーレイ+DVDセットは発売中。

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
¥4,164 (2026/02/19 22:28:33時点 Amazon調べ-詳細)

プレデター同士の戦いを描くコミック『プレデター バッドブラッド』は2025年11月7日発売。

フェーズシックス
¥2,970 (2026/02/19 22:28:33時点 Amazon調べ-詳細)

『プレデター:バッドランド』と『プレデター:ザ・プレイ』『プレデター:最凶頂上決戦』との繋がりについての考察と今後についての情報はこちらの記事で。

監督が明かしたラストの意図と続編への布石についてはこちらの記事で。

監督が明かした『プレデター:バッドランド』のシリーズにおける時系列の解説はこちらから。

監督が語った『エイリアンVS.プレデター3』制作の可能性についてはこちらから。

エル・ファニングが演じたティアについての考察はこちらから。

 

「エイリアン」シリーズのアンドロイドの系譜の解説&考察はこちらから。

【ネタバレ注意】『エイリアン:ロムルス』ラストの解説&考察はこちらから。

『エイリアン:ロムルス』を含む「エイリアン」シリーズの時系列の解説はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
お問い合わせ
¥3,300 (2026/02/20 02:53:45時点 Amazon調べ-詳細)
社会評論社
¥1,650 (2026/02/19 22:54:16時点 Amazon調べ-詳細)

関連記事

  1. MCU映画『サンダーボルツ』よりスティーヴン・ユァンがセントリー役降板か スケジュール問題が原因

  2. ネタバレ! 征服者カーンとハンクの意外な接点に見るテーマ 『アントマン&ワスプ:クアントマニア』

  3. ネタバレ解説『室井慎次 敗れざる者』「踊る大捜査線」と繋がる要素は? アノ人も登場【小ネタまとめ】

  4. 本日公開!『ワン・バトル・アフター・アナザー』より特別映像「テンパる革命パパ編」公開 ディカプリオが語る魅力とは