映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』公開
映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』が2025年5月9日(金) より全国の劇場で公開されている。マイケル・ボンドの児童文学を映画化、累計興収が900億円を超える映画「パディントン」シリーズの最新作で、前作『パディントン2』から7年ぶりの続編となる。
実は「パディントン」の映画シリーズは、すでに第4作目の製作が発表されている。出版権を除く「パディントン」関連の権利を全て所有している仏スタジオカナルは、2024年に映画『パディントン4』とドラマシリーズの製作を発表。2028年に控えるパディントン生誕70周年を祝福し、映画『パディントン4』とドラマ版『パディントン』は2027年または2028年に公開されるという。
2025年末にはロンドンで『パディントン：ザ・ミュージカル（原題）』も上演される予定となっており、「パディントン」フランチャイズはどんどん拡大を続けている。では、次のパディントン作品はどんな内容になるのだろうか。映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』のラストを踏まえて考察してみよう。
なお、以下の内容は、映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』の結末に関する重大ネタバレを含むため、必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。
以下の内容は、映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』の結末に関するネタバレを含みます。
Contents
『パディントン 消えた黄金郷の秘密』ラストの意味をネタバレ解説
二人のヴィラン
映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』では、パディントンはルーシーおばさんが住む老クマホームがある故郷のペルーへ足を運ぶ。正式にロンドン市民として認められ、パスポートも発行されたパディントンだが、ペルーでは黄金郷エルドラドをめぐるトラブルに巻き込まれる。
パディントンとブラウン家のために船を出してくれたハンター・キャボットは、先祖の亡霊に囚われてエルドラドを探し続けていた。また、修道女のクラリッサはパディントンにエルドラドを探させるためにルーシーおばさんを川に流していた。
実はクラリッサもキャボット家の人間で、ハンターの娘のジーナを人質にとるが、パディントンの「睨みの目」を受けてハンターは改心。家族のジーナこそが宝だということに気づき、クラリッサを倒したのだった。
パディントンの決断
そして、パディントンとブラウン家は、ルーシーおばさんが待つエルドラドに辿り着く。黄金郷はオレンジ畑のことで、そこではパディントンと同じブレスレットをつけた熊たちが平和に暮らしていた。
パディントンはルーシーおばさんと再会を果たし、エルドラドがパディントンの故郷であったことを知る。パディントンがのマーマレード好きは故郷のエルドラドの環境に由来するもので、パディントンが迷子になったのはオレンジを取ろうとして川に流された時だったのだ。
パディントンは他のクマたちとマーマレードを作り、ブラウン家はここがパディントンの居場所だと思い至る。パディントンとの別れを覚悟したブラウン家だったが、パディントンはこれからもブラウン家で一緒に過ごしてもいいかと尋ねるのだった。故郷はエルドラドだが、居場所はブラウン家にあると。
パディントンが辿り着いたのは、黄金だけを求めてペルーに滞在していた欧米系のキャボット家とは真逆の結論。移民としてのパディントンの複雑な心情を描いた感動的なラストだ。しかし、映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』にはもう一つの展開が待っていた。
ポストクレジットの意味は？
後日、ロンドンにはエルドラドのクマたちがやって来る。パディントンはクマたちをロンドン見学に連れて行くのだが、その中でパディントンがクマたちと訪れたのはヒュー・グラント演じるフェニックス・ブキャナンの元だった。
ブキャナンは前作『パディントン2』に登場したメインヴィランで、同作のラストでは懲役10年の判決を受けて刑務所に入っていた。元々は俳優で、刑務所に入った後も獄中でミュージカルを披露していた。
『パディントン 消えた黄金郷の秘密』のミッドクレジットシーンでは、ブキャナンはもう直ぐ釈放されると明かし、エルドラドのクマたちに舞台に出ないかと誘う。「三匹のクマ」をやりたいらしい。
さらにブキャナンは、軍資金が必要になるとしてエルドラドの“黄金”を期待するが、黄金の正体がオレンジであったことを知り、残念がったところでミッドクレジットシーンは終了。ポストクレジットシーンでもブキャナンが再登場し、クマたちのモフモフの毛に触れて幕を閉じる。
『パディントン4』に向けての具体的なクリフハンガーではなかったが、おまけ映像は二つともヒュー・グラントが演じるフェニックス・ブキャナンが登場する内容になっていた。この『パディントン 消えた黄金郷の秘密』のラストは、次回作に向けてどんな意味を持つのだろうか。
『パディントン4』をネタバレ考察
ブキャナンの出所が鍵に？
まず、興味深いのはパディントンが獄中のブキャナンの面会に出向いている点だ。パディントンはブキャナンを友人の一人と考えているのだろう。また、10年の刑期を言い渡されたブキャナンだったが、もうすぐ出所すると話している。2作連続で「パディントン」作品に登場したブキャナンだが、『パディントン4』で三度登場することになるかもしれない。
フェニックス・ブキャナンは人気の高いキャラクターで、演じたヒュー・グラントもハマり役だった。ブキャナンがパディントンの仲間としてカムバックを果たすとしたら、かなり面白い展開が期待できそうだ。
仮にブキャナンがパディントンの仲間になった場合、対峙するヴィランには強敵が設定されるはずだ。振り返れば、第1作目の『パディントン』では、探検家の娘のミリセントがパディントンを剥製にしようとした。第2作目では俳優のブキャナンが飛び出す絵本を盗み、その罪がパディントンに着せられてしまった。第3作目ではエルドラドの黄金を目指してクラリッサとハンターがパディントンとルーシーおばさんを利用しようとした。
毎回魅力的なヴィランが登場している映画「パディントン」シリーズ。もし『パディントン4』でブキャナンが出所後にパディントンの仲間になるならば、過去のヴィランが集結してパディントンとブキャナンの前に立ちはだかるという展開もあるかもしれない。
ヴィラン大集合で豪華キャスト実現に期待
第1作目のヴィランのミリセントは、同作のラストで「刑務所に行っても反省しそうにない」という理由で、動物園での地域奉仕の罰を受けている。ブキャナンは刑務所送りになったため、逆説的に「反省の余地がある」とみなされたということだろうか。ミリセントはまだロンドンにいるものと思われ、パディントンへの復讐を狙う可能性もあるだろう。
『パディントン 消えた黄金郷の秘密』の二人のヴィランについては、ハンターは娘を大切にすることにして、黄金がないと分かった後もペルーに残っている様子が描かれた。ハンターは改心したものと思われるが、一方のクラリッサは本物のシスターになることを条件に教会から許され、北極の老クマホームへと飛ばされている。
ミリセントとクラリッサについては反省している様子があまりないため、第4作目にヴィランとしてカムバックするかもしれない。そうなれば、ミリセント役のニコール・キッドマン、ブキャナン役のヒュー・グラント、クラリッサ役のオリヴィア・コールマンが共演する超豪華なキャスト陣となる。パディントン生誕70周年に相応しい豪華キャストは実現するだろうか。
『パディントン 消えた黄金郷の秘密』のラストでは、家政婦だったバードさんがペルーの老クマホームに残ったこと、ジュディは大学に進んだことが明かされており、ブラウン家のストーリーがひと段落したことも要素としては大きい。
パディントンがロンドンに行くことを決めた第1作目、ロンドンに残ることを決めた第2作目、ロンドンに帰ることを決めた第3作目を経て、『パディントン4』ではどんな物語が描かれることになるのか。続報を楽しみに待とう。
映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』は2025年月9日(金)より全国ロードショー
監督：ドゥーガル・ウィルソン
脚本：ポール・キング（『パディントン』『パディントン２』
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』にて監督＆脚本）
マーク・バートン（『マダガスカル』）
サイモン・ファーナビー（『パディントン２』）
出演：ベン・ウィショー(声の出演）、ヒュー・ボネヴィル、
エミリー・モーティマー、アントニオ・バンデラス、オリヴィア・コールマン、
ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント 他
日本語吹替え版出演：松坂桃李、古田新太、吉田羊、三戸なつめ、斎藤工
提供：木下グループ
配給：キノフィルムズ
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吹き替えキャストが集結した公開前夜祭の様子はこちらから。
ブキャナンの吹き替えを担当した斎藤工の特別コメント映像はこちらの記事で。
吉田羊が生歌唱も披露したアフレコイベントの模様はこちらから。
『パディントン 消えた黄金郷の秘密』ジャパンプレミアの様子はこちらの記事で。
