『ワンダヴィジョン』シットコム作りの執念
Disney+で2021年1月15日(金)より配信を開始したドラマ『ワンダヴィジョン』。オープニングや掛け合いのノリ、白黒の映像に4:3の画面アスペクト比など、昔懐かしいシットコム (シチュエーションコメディ) を再現した作風に注目が集まっている。
#マーベルスタジオ 最新作
『#ワンダヴィジョン』
🔥ついに配信スタート🔥『#アベンジャーズ /エンドゲーム』のその後を描く新たな物語が始まる—。
『#ワンダヴィジョン』1~2話 #ディズニープラス で配信中⚡ pic.twitter.com/xCv35fHGgY
— ディズニープラス公式 (@DisneyPlusJP) January 15, 2021
中でも『ワンダヴィジョン』のシットコム風味を決定付けているのが、観客の笑い声だろう。時に不穏な空気が漂う同作にあって、この笑い声は作品を見る視聴者の姿勢を方向付けてくれる。実はこの笑い声、後から付け足されたものではなく、実際にスタジオに観客を入れて収録されたものだ。
『ワンダヴィジョン』ではスタジオに観客を入れて撮影しているという情報は、米Entertainment Weeklyでも報じられていたが、今回、マーベルが公式に『ワンダヴィジョン』のメイキング映像を公開。実際の収録現場の様子が明らかになった。
メイキング映像では、スタジオでの撮影中に観客たちが笑い声をあげている様子が確認できる。
ワーナー・スタジオで撮影!?
Marvel公式の情報によると、『ワンダヴィジョン』は、昔ながらのシットコムの精神を受け継ぐために、最初のエピソードは全てスタジオ内の観客の前で撮影され、それもたった二日間で収録を終えたのだという。確かに、いくらMCU作品といえど撮影に数日を要するというのはシットコムの精神に反するだろう。『ワンダヴィジョン』の撮影監督を務めるジェス・ホールはこう話す。
『ザ・ディック・ヴァン・ダイク・ショー』(1961-1966) の手法をそのまま取り入れたんです。マット (脚本のマット・シャクマン) はシットコムの歴史を掘り下げてくれたし、私も同じようにやりました。ライブでの収録には代えがたいものがあります。
実は『ワンダヴィジョン』の撮影が行われたのは、カリフォルニア州バーバンクにあるワーナー・ブラザース・スタジオ。『フルハウス』(1987-1995) など、数々の名作が撮影された場所だ。ワンダとヴィジョンが住む町の風景は、『フレンズ』(1994-2004) でもお馴染みのブロンディ・ストリートで撮影されている。『ワンダヴィジョン』のエンドクレジットで、ワーナーのロゴマークが登場することに気が付いた人もいるだろう。当然ディズニーもスタジオは持っているわけで、シットコムの空気感を再現するためにライバルであるワーナーの力を借りるとは、徹底している。
また、第1話と第2話で見られた白黒での撮影にも、特有の苦労があったという。普段通りのカラーの基準で撮影をしても、白黒にした時に画面に映える映像ができなければ意味がない。撮影監督のジェス・ホールは白黒での撮影を成功させるため、セットや衣装、照明も調整する必要があり、まさに部門を越えた仕事が必要だったそうだ。
ドラマ『ワンダヴィジョン』は映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) 後を描くMCUフェーズ4 第1弾の作品としてDisney+で公開された。MCU作品としては2019年6月に公開された『スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム』以来、1年半ぶりの新作だ。MCUの中に位置づけられながらも、昔ながらのシットコム全開のノリと謎多き展開で注目を集めている。
『ワンダヴィジョン』はDisney+で独占配信中。
第1話のネタバレ解説はこちらから。
第2話のネタバレ解説はこちらから。