『ジェン・ブイ』シーズン2最終回第8話はどうなった?
2025年9月に配信を開始したドラマ『ジェン・ブイ』シーズン2は、10月22日(水) に最終回となる第8話が配信された。『ジェン・ブイ』はAmazonプライムビデオの人気ドラマ『ザ・ボーイズ』のスピンオフで、若き能力者たちが通うゴドルキン大学を舞台に、大人たちの陰謀と若者たちの青春が描かれる。
2026年配信予定の『ザ・ボーイズ』のファイナルシーズンとなるシーズン5に向けて、『ジェン・ブイ』シーズン2の最終話はどんな展開を見せたのだろうか。ネタバレありで解説&考察していこう。以下の内容は結末までのネタバレを含むので、必ずプライムビデオで本編を視聴してから読んでいただきたい。また、本エピソードは18歳以上を対象としており、過激な暴力描写を含む。自傷に関する描写も含まれるのでご注意を。
以下の内容は、ドラマ『ジェン・ブイ』シーズン2最終回第8話の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
『ジェン・ブイ』シーズン2最終回第8話ネタバレ解説
「V1」から始まる歴史
ドラマ『ジェン・ブイ』シーズン2の最終回となる第8話「トロイの木馬」の脚本は、ジャスティン・フェラーラとショーランナーのミシェル・ファゼカスが担当している。最終回の冒頭では、1967年が舞台となった第1話の冒頭の続きが描かれる。当時ゴドルキンは他の研究者たちが未完成のVを打とうとしていたところを止めようとしたが、時すでに遅し。ラボが燃えて炎が迫る中、ゴドルキンは落ちていたVを注射し、直後に炎に包まれたのだった。
ここでようやくゴドルキンが能力者になった過程が明らかになった。ゴドルキンは緊急脱出的に自らVを摂取していたのである。この冒頭のシーンで流れている曲は、フランキー・ヴァリ「Can’t Take My Eyes Off You(邦題:君の瞳に恋してる)」。舞台となっている1967年にリリースされてヒットした楽曲だ。
前回、ようやく“サイファー”としての役目から解放されたダグは、けれど前回のポラリティ戦で傷を負っていた。ダグ曰く、ゴドルキンが摂取したのはソルジャー・ボーイやストームフロントと同じ「V1」と呼ばれるVで、二人と同様“老けない”という副次効果があるという。
整理すると、大人になってV1を摂取し、能力を得たスープス第1世代がソルジャー・ボーイ、ストームフロント、ゴドルキンということになる。ソルジャー・ボーイとストームフロントが登場する、1950年代を舞台としたスピンオフドラマ『ヴォート・ライジング(原題)』は製作が進められているが、『ジェン・ブイ』の描写を見るにV1の成功率は低いため、あまり能力者が登場しない作品になりそうだ。
次にソルジャー・ボーイのDNAを利用して作られ、“試験管ベイビー”として代理出産で誕生したのがホームランダーだ。この胚の段階でVを投与する計画が“オデッサ”と呼ばれ、ホームランダー以来の成功例となったのがマリーであった。
同時並行で、胎児から幼児の間に投与すれば能力を得られるコンパウンドVが発明され、スターライトことアニーら能力者が“量産”されることになる。副作用はあるものの24時間限定で能力を得られるV24も登場したが、未だ安定して大人を能力者にする薬は登場していない。成人のゴドルキンやストームフロントに能力を与えたV1は、成功率こそ低いが、(ヴォートにとって)非常に夢のある薬だったと考えられる。
ちなみにこの流れから逸れるのがホームランダーのDNAを引き継ぎ、自然出産で生まれたライアンだ。遺伝を持って生まれてくる“2世”たちについては、“量産”の世代が大人になった今、これから課題になっていくのだろう。
4人目が登場
ダグは、自身はゴドルキンの2代目のパペットであり、フィールダー博士という人物の依頼を受け、1996年から約30年の間、ゴドルキンの操り人形になっていたという。マリーを操れなかった理由は、「強すぎるから」だといい、ゴドルキンの能力の限界が示唆されている。
マリーの治癒能力で復活したゴドルキンは、暴飲暴食して現世を謳歌していた。このシーンで流れている曲はラヴィン・スプーンフル「Daydream」。「夢みたいな日だ」と歌われているが、やはり1966年に発表された曲で、ゴドルキンがVを打つ前の時代の曲が選ばれている。
ゴドルキンは、シスター・セージがスターライトにオデッサを探らせ、マリーを復学させたことを評価。復活計画の大部分はセージの案だったようだ。セージはずっと一人で暮らしてきたが、ゴドルキンと暮らしてもいいと打ち明ける。セージをファーストネームで「ジェシカ」と呼ぶゴドルキンは同居に賛成するが、セージはホームランダーには先に紹介しなければならないと忠告するのだった。
ポラリティはダグを知り合いの非営利の病院に連れて行く道中、ダグからアンドレについて話を聞く。ダグもまたゴドルキンに操られていた被害者である。ダグは、アンドレは立派だった、あの子は最高だと語り、いつもゴドルキンをイラつかせたと思い出話を始め、ポラリティの顔にも笑顔が。泣ける。
おそれを知らず、仲間のために戦う、「会った中で最高のヒーロー」という言葉は、アンドレを演じ、『ジェン・ブイ』シーズン1の後に事故死したチャンス・パードモへの改めての追悼でもあるのだろう。
しかし、ここで事態は一転。助手席のゴドルキンが刀で刺されると、ブラック・ノワールが登場するのだ。『ジェン・ブイ』シーズン2で登場した現役セブンメンバーは、ディープ、ファイアクラッカー、シスター・セージに続いてこれで4人目だ。
ブラック・ノワールはスターであるポラリティと自撮り。『ザ・ボーイズ』シーズン4で2代目の黒人俳優に入れ替わっており、同じ黒人で映画にも出ていたポラリティが憧れの存在だったのだろう。
ゴドルキンの計画
大学寮の自室に戻ったマリーは、「特別だと思わされた」と、サイファー=ゴドルキンに操られて復活を許したことを悔やむ。「悲しくなると自称する女の子」だと卑下するマリーに、エマは「ピザを大食いして吐いちゃう」と、誰でも問題を抱えており、似たもの同士だから絆は固いのだと説得する。
自傷と過食をメタ的に扱うのはシーズン1から地続きだが、シーズン2ではその特性が他者と手を繋ぐための力になる。そして、マリーはケイトを治癒。ついにケイトは能力を取り戻す。マリーは独りよがりをやめて、助け合うことを選んだのだ。
一方のゴドルキンは動画を配信し、学生ランキングはリセットして、全学生が受けられる新たなセミナーを開講すると宣言。「セブンに一歩近づける」とまで言ってしまっており、セージは「ホームランダーは喜ばない」と落胆している。ゴドルキンもまたホームランダーに負けず劣らずのエゴの塊だ。
マリーは動画配信でセミナーに行かないよう呼びかけ、ゴドルキンに対抗。サムとエマはルーファスたちにセミナーへ行かないよう訴えに出向くが、ルーファスのサイキック能力で出し抜かれてしまう。しかし、いつもルーファスといたお尻に人間を収納できるブラックホールは「怪しいから」とセミナーへ行っていない。そして、マリーたちの呼びかけの結果が功を功を奏すことになる。
ゴドルキンはセミナーを開始。弱い能力を殺していく“間引き”に向けた第一段階をスタートさせたのだ。ゴドルキンは身体には副作用が出ているものの、多数の学生を同時に操り、殺し合いをさせることに成功。思えばダグの身体で挑んだポラリティ戦では一人か二人ずつしか操れていなかった。
幸いだったのは、ゴドルキンが火災の最中にVを打って大火傷を負ったため、その能力が鍛られていなかったことだ。ようやく自分の身体で動くことができるようになったゴドルキンは、自分の能力のポテンシャルを最大まで引き出そうとしているのだ。
ゴドルキンの動画配信を見たのだろう、セージにはホームランダーからの電話が入っている。『ジェン・ブイ』シーズン2最終回は、このようにホームランダーがことあるごとに存在感を発揮する。シーズン1ラストでホームランダーが登場したことも踏まえ、緊張感が高まっていく演出だ。
「第2章」とは
シーズン2第6話でエドガーの基地に置き去りにされたジョーダンは、マリーとの関係を終わらせ、友達に戻りたいと告げる。この会話はケイトとアナベスが駆けつけて打ち切られるのだが、このやり取りがマリーの心に傷を残すことになったと思われる。
アナベスは、これまで未来予知のビジョンから逃げてきたが、立ち向かうべきなのかもしれないと、共に戦う姿勢を見せる。さらにエマ&サムがブラックホールと共に駆けつけて、ゴドルキンとの決戦へ向けて状況が整い始めるのだった。
自身の進化に高揚しているゴドルキンに対し、セージは「私たちの計画と違う」と不満顔。ゴドルキンは、マリーを操れれば同じオデッサ計画から生まれたホームランダーも操れると主張する。裏を返せば、「強すぎるから」という理由でマリーを操れないゴドルキンは、現状ホームランダーを操ることもできないということだ。
ゴドルキンはヴォート全体も間引くつもりで、さらにホームランダーが諸悪の原因だと主張する。ディープやファイアクラッカーがセブンにいることを疑問視し、ホームランダーを「あまりにも弱い」、能力者たちを「奇抜なだけの平凡な集団になった」と批判する。一面的には正論だが、だからといって間引きしようとなるのはヤバい。
セージは「第2章を忘れた?」と反論。「第2章」とは、『ザ・ボーイズ』シーズン4最終回でセージが触れていた次の計画である。ホームランダーが世界各国を訪れているシーズン5のポスターも公開されていることから、「第2章」が世界征服を意味している可能性はある。セージは、計画にはホームランダーが重要だと説得するが、ゴドルキン「私の計画」で進めると意に介していない。
そしてセージはゴドルキンと「一緒に」やりたいと、珍しく感情的な姿を見せている。セージは心からゴドルキンに恋をしているのだろうか。ここでゴドルキンがかける音楽は、1959年発表のエラ・フィッツジェラルド「Get Happy」だ。
「トロイの木馬」の意味
ブラック・ノワールに捕まったポラリティは、シーズン1でサムが監禁されていた森に監入れられていた。2代目ブラック・ノワールは喋れないという設定を無視して、ポラリティの出演映画の内容について喋りまくっている。中身が俳優という設定をうまく活かしたマッチングだ。
そこに現れたのはセージで、ポラリティが脱出できるようにドアを開けて立ち去る。セージはもうゴドルキンのことを諦めたのだ。
セミナーでは、ケイトが能力を使って職員を操り、マリーが潜入に成功。まだマリーを操るまで能力を鍛えられていないゴドルキンは戸惑うが、他の学生を一度にマリーに差し向ける。しかしここでマリーは紛れていたブラックホールの“尻”から仲間を召喚。お尻の中に入ったジョーダン、エマ、サム、ハーパー、アリー、グレッグが登場するのだった。
ブラックホールには、その名の通り意外と大きな収納スペースがあるみたいだ。『ジェン・ブイ』シーズン2最終話第8話のタイトルが「トロイの木馬」なのは、かつてギリシャ軍が巨大な木馬の中に兵士を忍ばせ、戦利品に見せかけて敵の城内に運び入れることに成功したという作戦を、ブラックホールでやるということだったのだ。
一同入り乱れての乱闘では、恋敵であるグレッグとサムがダブルパンチでエマを助ける場面も。エマは自分の意思で巨大化することにも成功している。アリーは陰毛を操る能力でゴドルキンを捕える(やはりモザイクの基準がよく分からない)と、ハーパーが触れた相手の能力をコピーできるカメレオン能力でゴドルキンの能力コピーに成功する。
ハーパーは学生たちの制御権を奪って解放に成功。ついに勝利宣言をしたマリーがゴドルキンと対峙するが、追い詰められたゴドルキンはマリーのコントールに成功。「進化に必要なものは重圧(プレッシャー)」という、サイファーの時にも言っていたゴドルキンの理論が実践される。
ゴドルキンが「ありがとう」と言うのは、マリーがゴドルキンを追い詰めて結果的にゴドルキンに進化する機会を与えたからだ。加えてマリーには、先ほどジョーダンから別れを告げられたという心の傷が生んだ隙のようなものがあったのかもしれない。
そしてここで、アナベスが見た血まみれのビジョンはこの場面であったことが明らかになる。マリーがジョーダンら全員を追い詰める中、現れたのはセージによって解放されたポラリティだった。ここで磁気を操る能力の関係でポラリティはゴドルキンの侵入を阻止できるという設定が生きてくる。
ゴドルキンはポラリティをコントロールしようと向き合ったことでマリーが自由になり、マリーはゴドルキンに意識を集中して頭頭爆破に成功。マリーもまた重圧下で進化し、ついにヴィクトリア・ニューマンの技を習得したのだった。そしてマリーは「アンドレのために」と、ゴドルキンに息子を殺されたポラリティに語りかけている。
涙必至のシーズン2ラスト
『ジェン・ブイ』シーズン2第8話のエピローグは、しっかりシーズン1の教訓を生かしている。ポラリティは、今回の惨劇をヴォートがマリーらの責任にすることを予測し、一同を逃すことに。だがポラリティはここに残るという。
ポラリティは逃がしたマリーらに代わってゴドルキンの死についての責任を被るつもりなのだろう。止めようとするエマに、ポラリティは「アンドレがいなくても前に進む」と決意を語り、二人はハグを交わして別れる。エマ&ポラリティは、シーズン2でアンドレを通して生まれた良いコンビだった。
エマは、やはり残るというグレッグに口付けを交わす一方で、逃走の道中にはケイトからサムといい感じなのではと声をかけられる。エマはそれを否定し、字幕で「特別な人はいない」となっているところは英語で「There’s no me and anybody.」と言っている。誰のものでもなく、誰かと“一緒”になるでもない、自分の生き方を選んだ、2年生のエマの姿が眩しい。
ちなみにこのシーンでマリーは、スタン・エドガーに連絡できないかと提案しているが、もうつながりは絶たれてしまっているらしい。マリーがまだエドガーを頼ろうとしているということは、エドガーはゴドルキンが人を操れる能力を持っていることは知っていたが、“間引き”の計画については知らなかったというところだろうか。
アナベスは、マリーに「あなたはヒーロー」と伝えて今後も一緒にいることに。マリーはアナベスの予知が当てにならないと言っているが、確かに血溜まりで倒れているマリーの姿は現実にはならなかった。つまり、アナベスが見る予知は努力次第で回避することができるということなのだろう。
そして、アナベスの最後の予知「彼女が来る」という言葉の後、スターライトことアニーが参上。空から降りてくるアニーの姿は、『ジェン・ブイ』シーズン1最終回のホームランダー降臨を思わせる演出だ。
アニーは、オデッサの情報はセージにつかまされていたことを認めると、自力で事態を収集したマリーたちに、レジスタンスに加わって力を貸してほしいと申し出る。エマが“合併”に合意すると、アニーはマリーたちを発見できたカラクリを明らかにする。
大オチで登場したのは、Aトレイン。大学周辺を30分走り回ってマリーらを見つけてくれたらしい。黒人ティーネイジャーのアナベスが喜ぶ姿が印象的だ。
Aトレインは『ザ・ボーイズ』シーズン4でスパイとしてザ・ボーイズに協力し、第7話で身を隠している。一方でAトレインは、海外に逃げようとしたMMには「海外に行っても逃げられない」と助言していた。逃げるだけではダメだということは本人が一番理解していて、だからアニーがいるレジスタンスに加わったのだろう。
「君らは反乱者だ」というAトレインの言葉は痺れるし、もはやコスチュームを身につけず、私服で反乱のために能力を使うAトレインの姿は見てると嬉しくなる。そんでこのシーン、なんでかめちゃくちゃ涙が出てくる。
スターライトにAトレイン、マリー、エマ、ケイト、ジョーダン、サム、アナベスがレジスタンスに集い、『ザ・ボーイズ』シーズン5へ向けて役者は揃った。エンディングで流れる曲はナイン・インチ・ネイルズ「The Hand That Feeds」(2005)。「君はどれだけ信じられる? 飼い慣らそうとしてくる手に噛み付けるか? 血が流れるまで噛んでいられるか? 立ち上がれるか? 目撃する勇気はあるか? 変化を求めるか?」と、反乱へ向けた覚悟を問う歌詞が歌われている。
ゴドルキンの時代の曲が続いていたが、最後の最後に2005年の曲が流れた。2005年といえば20年前。大学2年生のマリーたちが生まれた頃だ。まさにジェン・ブイ=Generation V=V世代が主役となることを示す曲で『ジェン・ブイ』シーズン2は幕を閉じる。
『ジェン・ブイ』シーズン2最終回第8話ネタバレ考察&感想
見事な最終回
『ジェン・ブイ』シーズン2の最終話である第8話では、シーズン1の印象を活かしながら、うまく予想を外してくる巧みなラストが描かれた。ホームランダーとブッチャーという本編の主役二人が締めたシーズン1に対して、シーズン2はとにかくホームランダーとブッチャー以外を『ザ・ボーイズ』からふんだんに投入し、その中でも古参であるAトレインで締めるというラストがなんだか分からないが泣けてしまった。
『ザ・ボーイズ』の物語の発端は、Aトレインがヒューイの恋人を轢き殺してしまい、不誠実な態度を見せたことだ。Aトレインに復讐心を抱くヒューイをブッチャーがスカウトし、セブンとの戦いが始まったのだから、Aトレインがそもそもの“反乱”のきっかけだったと言っても過言ではない。
その後、Aトレインも苦労し、反省して、ヒューイに謝罪、危険を冒してザ・ボーイズを助けるに至った。ザ・ボーイズとの出会いを通して更生したAトレインが、次はアニーと共に『ジェン・ブイ』の学生たちをレジスタンスに迎え入れる——やっぱり、泣ける。
Aトレインをラストに持ってくる展開も含めて、『ジェン・ブイ』シーズン2の根底には“寛容”という裏テーマもあったように思える。ケイトとサムも自身と向き合う過程を経て許され、最終回では警告を無視してセミナーに参加したルーファスもマリーらに助けられている。現実において、強い言葉で分断と排外を煽る政府やIT長者たちとの戦いに勝利するためには、そうした寛容さが必要だと訴えかけているようにも見えた。
まあまあ死者が出たシーズン1に対して、シーズン2では一番死にそうだったグレッグら新キャラが生き延びた展開も良かった。現実があまりにもあまりであるが故に、希望と救いを見せることが抵抗なのだという“ホープパンク”の匂いも感じ取れた。
『ジェン・ブイ』ならではのテーマ
“寛容”というテーマは、“ヒーローになる”、“他者を助ける”という『ジェン・ブイ』シーズン2の表のテーマとも地続きのものだ。ヒーローは助ける者を選ぶのではなく、できる限り多くの人に手を差し伸べるのだという信念は、寛容さと結びつく。
エマ役のリゼ・ブロードウェイは、米The Hollywood Reporterのインタビューで、エマはシーズン2の早い段階で「私は何者なのか?」と問うのをやめ、「私は他者のために何者になれるのか?」と問うようになったと語っている。確かにシーズン2のエマには、誰だろうが助けてやろうという余裕が見えた。
『ジェン・ブイ』の学生たちは、1年生/シーズン1では「自分は何者なのか」というアイデンティティの問題に苛まれていたが、2年生/シーズン2では「他者のために何ができるか/ヒーローになるとはどういうことか」を問うようになった。
強くなる、自分の責任を認める、他者のために生きる、というエマたちが通ったプロセスは、受け手によってはなかなかしんどくなり得る内容だ。同時に、学園×ヒーローという設定を置いた『ジェン・ブイ』だからこそ扱える成長譚だと言える。他者のために動けるから、エマたちはヒーローになれるのだ。
『ジェン・ブイ』シーズン3はある?
『ジェン・ブイ』シーズン2の物語は、もちろん2026年配信予定の『ザ・ボーイズ』シーズン5につながっていく。米Varietyでは、ショーランナーのミシェル・ファゼカスがシーズン3を作る方法は「いくらでもある」とした上で、シーズン2に関しては『ザ・ボーイズ』に繋ぐ役割があったと語っている。
また、ミシェル・ファゼカスは、「誰もが大学に行く」として、大学を舞台にしている『ジェン・ブイ』では比較的ストーリーが作りやすいということも示唆している。主人公を入れ替えてのシーズン3があり得ることを匂わせるコメントだ。
『ザ・ボーイズ』シーズン5はどうなる?
『ザ・ボーイズ』本編はシーズン5が最終シーズンになることが予告されている。シーズン4ではアニーとブッチャー以外のザ・ボーイズメンバーはヴォートに捕えられているが、『ジェン・ブイ』シーズン2では、アニーがなかなか強大な“軍”を結成した。
一方でブッチャーの行方は不明で、ブッチャーはヴォートvsレジスタンスの戦いにおけるジョーカー的の立場になり得る。スタン・エドガーも虎視眈々と転覆を狙っているようで、ホームランダーは政府を手中に収めたがゆえに敵が多い状況でもある。
特にマリーの才能開花はホームランダーにとっては厄介だ。マリーなら死にかけのブッチャーを治癒することができるかもしれないし、利害関係があったニューマンと違ってホームランダーの頭を爆破することもできるかもしれない。でもなんか、ブッチャーは治癒とか断ってホームランダーと自爆しそうな感じがするけれど……。
ケイトやエドガーまで味方につけたマリーは、ホームランダーと表裏の存在のようでいて、実は誰とでも敵対するブッチャーとも表裏の存在なのではないだろうか。ホームランダーとブッチャー、そしてマリーが三つ巴になる可能性も……? それにしても『ジェン・ブイ』だけでここまでストーリーを膨らませた製作陣、すごい。
「ザ・ボーイズ」フランチャイズとしては、ヴォート社の起源に迫るスピンオフドラマ『ヴォート・ライジング』の制作が進められている。ソルジャー・ボーイとストームフロントが登場する同作は2025年8月から撮影が始まっており、すでに7月に撮影を終えている『ザ・ボーイズ』シーズン5よりも後に配信されることが見込まれる。『ジェン・ブイ』でやや老いたゴドルキンを演じたイーサン・スレイターは現在33歳なので、『ヴォート・ライジング』で若き日のゴドルキンを演じる可能性もある。
メキシコを舞台にしたスピンオフ『ザ・ボーイズ:メキシコ(原題)』もパイロット盤の開発が進められており、『ザ・ボーイズ』終了後も「ザ・ボーイズ」ユニバースは続いていく模様。だがそのユニバースに一体どのキャラクターが生きて参加できるのか……またドキドキハラハラの日々の再来を心して待とう。
ドラマ『ジェン・ブイ』シーズン2はAmazonプライムビデオで独占配信中。
『ザ・ボーイズ』原作コミックの日本語版は、G-NOVELSから発売中。
『ジェン・ブイ』のベースになったチャプター〈We Gotta Go Now〉(23話〜30話)は日本語版の第2巻に収録されている。
『ジェン・ブイ』シーズン2第7話のネタバレ解説&考察はこちらから。
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『ザ・ボーイズ』シーズン4最終回で残された11の謎についてはこちらの記事で。
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