『SSSS.GRIDMAN』の3Dカットに注目
惜しまれながら放送終了
『SSSS.GRIDMAN』が放送/配信が最終回を迎えた『SSSS.GRIDMAN』は、円谷プロ創立30周年記念作品『電光超人グリッドマン』(1993-1994)を原作としたアニメ作品。『キルラキル -KILL la KILL-』(2013)で助監督等を務めた雨宮哲監督が指揮を執り、同作でアニメーションを手がけたTRIGGERがアニメーション制作を担当している。『SSSS.GRIDMAN』は放送開始当初から大きな注目が集まり、あれよあれよと大人気作品に。2018年ベストアニメとの声も高い名作が誕生した。
エンドロールの先にも世界は続きます。
今後とも『SSSS.GRIDMAN』を宜しくお願いいたします! PC北林#SSSS_GRIDMAN pic.twitter.com/LsOmMwUlfu— SSSS.GRIDMAN公式アカウント (@SSSS_GRIDMAN) 2018年12月24日
高い評価を得た3Dカットが公開中
そんな『SSSS.GRIDMAN』の評価を決定的なものにしたのが、そのアニメーションのクオリティだ。特にグリッドマンが怪獣と戦う際の3Dカットは、実写特撮の撮影技法を踏襲しながらも、アニメだからこそ表現できるカットのコンビネーションで彩られていた。その3Dカットをはじめ、撮影、特殊効果、編集などを担当した株式会社グラフィニカが、公式Twitter上で、『SSSS.GRIDMAN』に使用された3Dカットを公開している。今回はその一部を見てみよう。
まずは、第二話で公開されたグリッドマンの変身シーン。原作の巨大化シーンを踏襲した見事な仕上がりに。
「SSSS.GRIDMAN」第2話からオススメの3Dカットもご紹介しちゃいます! 制作スタッフから『大切な変身シーンなので、ポーズや光り方など原作の雰囲気を踏襲しています。』とのコメントを頂きました。特撮としてはやっぱり変身シーンは燃えるものがありますよね。#SSSS_GRIDMAN #graphinica pic.twitter.com/g27NSyiz8w
— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年10月18日
更に同話から、“怪獣投げ”の3Dカット。実写のような圧倒的な重量感が再現されている。
「SSSS.GRIDMAN」第2話から次はこのカット、グリッドマンと今回登場の怪獣「デバダダン」との戦闘シーンです。制作スタッフからは『大きいものを抱える重量感が出るよう意識しています』とのコメントを頂きました。確かに怪獣の重量感は半端ない感じです・・・。#SSSS_GRIDMAN #graphinica pic.twitter.com/gqNITcuTcN
— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年10月18日
第三話、アンチの登場シーンでは、実写特撮を意識した撮影技法が取り入れられている。
「SSSS.GRIDMAN」第3話から次はこのカット。アンチの登場シーン!『地面の台座が上がることで巨大化したように見せる特撮技術を意識しています。よりパースの変化をつけるために、頭と手がカメラの前を大きくナメる(通過する)ようにしました』制作スタッフからのコメントで~す。#SSSS_GRIDMAN pic.twitter.com/b9mVaJbqIA
— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年10月25日
“跳ねる”車の質感は、ネットでも話題に。車のミニチュア感も演出の一つだという。
「SSSS.GRIDMAN」第1話から続いては3Dオススメカットのご紹介です!まずはこちら。制作スタッフから『全編通して唯一車が壊れています。これ以降一切車は傷付きません!』とのことです。車のミニチュア感は雨宮監督からの要望の一つでした。#SSSS_GRIDMAN #graphinica pic.twitter.com/bUsp12xHHH
— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年11月15日
「SSSS.GRIDMAN」第4話から次はこのカット。ゴングリーの攻撃で吹き飛ばされるシーン。制作スタッフから『車のミニチュア感、また跳ね方に差をつけたかったので、車ごとの微妙な個性も見てもらえたらなと思います』とのコメントです。ビルに突き刺さる車にもご注目下さい。#SSSS_GRIDMAN #graphinica pic.twitter.com/1QuOOKLZwc
— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年11月1日
滑り込んでくるマックスグリッドマンの姿は圧巻。
「SSSS.GRIDMAN」第4話から最後はこのカット。制作スタッフから『大きい腕を目立たせるように着地の仕方を工夫しました』とのことです。こちらのカットは制作スタッフ陣も自画自賛の出来栄えになっています。
次回第5話は11/3(土)に放送予定!次回もアクセス・フラッシュ!!#SSSS_GRIDMAN #graphinica pic.twitter.com/61SVJr9qFB— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年11月1日
特撮の撮影を意識し、敢えて火花のタイミングをずらしたというこのシーン。細かい芸がそこかしこに仕込まれている。
「SSSS.GRIDMAN」第1話から次はこのカット。制作スタッフから『火花の出るタイミングは特撮のようにスイッチで起爆させている事を意識し攻撃のヒットからワンテンポ遅らせるようにしています』とのことです。雨宮監督からは「かっこ悪くしてください」と言われていました(笑)#SSSS_GRIDMAN #graphinica pic.twitter.com/D7cCZXTlrm
— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年11月15日
このシーンは、グラフィニカにアドバイザーとして在籍する板野一郎の助言を受け、若手スタッフが完成させたという。板野一郎は、『ウルトラマンネクサス』(2004-2005)をはじめ、複数の「ウルトラマン」作品でCGIモーションディレクターを務めている。
「SSSS.GRIDMAN」第7話から次はこのカット。制作スタッフから『とにかくスピード感が出るように奥と手前のメリハリを極端につけました。また、全体のシルエットが重ならないよう注意しました』とのことです。こちらは板野氏からの助言を基に弊社若手スタッフが制作しました。#SSSS_GRIDMAN #graphinica pic.twitter.com/SSw57V9UM6
— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年11月22日
遠慮のないビル破壊は、アニメならでは。怪獣・ナナシBの動きも圧巻だ。
「SSSS.GRIDMAN」第9話から次はこのカット。制作スタッフから『怪獣の動き自体が派手でない分、建物の倒壊や舞うガレキ、電線のたわみなどでシーンの勢いを出しました』とのことです。前のシーンとは対照的にバジャックが実体化したことを表現したカットになっています。#SSSS_GRIDMAN #graphinica pic.twitter.com/Zl5UiMJmEQ
— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年12月6日
「SSSS.GRIDMAN」第10話から次はこのカット。『ビルからビルへ飛び移る時、いちいち気持ち悪い動きになるよう心がけました』との制作スタッフからのコメントです。ナナシBの着地やミサイルの着弾に合わせて破壊されているビルにもご注目ください。#SSSS_GRIDMAN #graphinica pic.twitter.com/GgkhkeBdUy
— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年12月13日
「SSSS.GRIDMAN」最終話から次はこのカット。制作スタッフから『3Dだから出来るビルの贅沢な使い方です』とのコメントです。このカットだけでなく全編通してビルや電柱、車両のおかげで戦闘シーンに表現の幅が広がりました。#SSSS_GRIDMAN #graphinica pic.twitter.com/76Q866JBK4
— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年12月27日
「1コマ1コマに全力を注いだ」というグリッドナイトのカット。制作にかける熱意が伝わってくるクオリティだ。
「SSSS.GRIDMAN」最終話から次はこのカット。制作スタッフから『グリッドナイトの素早さを生かせるように動かしました。1コマ1コマ全てに全力を注いだ思い入れのあるカットです』とのことです。スタッフの熱意を感じ取ってもらえると嬉しいです!!#SSSS_GRIDMAN #graphinica pic.twitter.com/HM8W03VnHA
— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年12月27日
公開されている全てのカットは、グラフィニカのツイッター上で閲覧することができる。他にも、裏話満載の3Dカットが多数掲載されている。この機会にぜひチェックしておこう。
グラフィニカは、『SSSS.GRIDMAN』の他にも、湯浅政明監督の『DEVILMAN crybaby』(2018)の編集、『怪獣娘(黒)〜ウルトラ怪獣擬人化計画』での3DCG、撮影等、様々な作品を手がけている。2019年秋には『時をかける少女』(2006)、『サマーウォーズ』(2009)で助監督を務めた伊藤智彦による『HELLO WORLD』のアニメーション制作を担当するという。
2019年全国秋公開予定!伊藤智彦監督オリジナル劇場アニメ作品
「HELLO WORLD」のアニメーション制作をグラフィニカが担当します。脚本は「正解するカド」の野﨑まど氏、キャラクターデザインは「けいおん」の堀口悠紀子氏が担当です。公式サイト公開中!https://t.co/fVhHzw3SEx#graphinica— グラフィニカ公式 (@graphinica) 2018年12月11日
『SSSS.GRIDMAN』の放送は終了したが、進化し続ける日本のアニメーションからはまだまだ目が離せそうにない。
Source
グラフィニカ公式 Twitter