『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』より本編映像解禁
「ナチスが生み出した最大の怪物」と呼ばれた医師ヨーゼフ・メンゲレの知られざる南米での逃亡生活、国際社会やナチハンターたちの追跡に怯えながらもナチズムに心を支配され続けた男の深淵に迫る、映画『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』が2026年2月27日に全国公開される。この度、ヨーゼフ・メンゲレが実の息子から戦争犯罪の真実を問われる本編映像が解禁された。
終戦直後、世間からヨーゼフ・メンゲレへの追及の声はそこまで大きくはなかった。情報が伝わる速度は今日より遅く、南米に逃れたナチスの残党たちは再び栄光の座に返り咲くことを夢見ていた。しかし、メディアによって彼らの悪行が徐々に世界に知られるにつれ、国際社会の批判の声が高まっていく。
1985年1月27日、アウシュヴィッツ収容所解放40周年記念式典にて、メンゲレの人体実験から生き延びた生存者たちがカメラの前で、彼から受けた非人道的な“医療行為”を証言し、その逮捕と裁きを各国政府に求めた。そこで語られた内容はどんなグロテスクで残酷なホラーよりも筆舌につくしがたいもので、映像が衛星中継で世界中に配信されると、とてつもなく大きな反響を呼び起こした。
ナチ戦犯の息子として生まれた青年は父に問う……なぜ父さんはアウシュヴィッツにいたの?
今回解禁となった本編映像は、南米・ブラジルで逃亡者としてひっそりと暮らすヨーゼフ・メンゲレを訪ねてきた息子ロルフとの再会シーンだ。
当時、アメリカで暮らしていたロルフは60年代の自由な文化に触れ、髪を伸ばし、リベラルな若者に育っていた。彼は偽造パスポートを使って入国を果たし、年老いた父と対峙する。彼にはどうしても問いたいことがあったのだ。
しかし、なかなか真実を話そうとしない父にロルフの苛立ちは隠せない。青年になった息子に、「家族、血筋は大切だ。血を裏切るな」と脳に深く焼き付いた優性思想を滔々と語る父ヨーゼフに、「なぜあなたは過去を黙殺できるのか?」と怒りをぶつけるロルフ。「おまえはユダヤ人の嘘を信じるのか?」とはぐらかす父に絶望しながらも、どうしても聞かなくてはいけないこと―「あなたはアウシュヴィッツで何をしたのか?」と問いただす。
真摯な息子の問いに、メンゲレはどのような真実を語るのか? それとも、デマだと言い続けるのか? ユダヤ人に対するメンゲレの暴虐な思想は、さらに続く息子との会話の中で明かされていく。
2026年1月27日の今日、アウシュヴィッツ収容所の解放から81年目の式典が行われる。40年前の式典で生存者たちが望んだ“死の天使”メンゲレの逮捕は実現することは叶わなかったが、彼の行った罪と過激な思想は本作に刻まれ、永遠に忘れられることはない。
映画『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』は2月27日(金) シネマート新宿、シネスイッチ銀座ほか全国公開。
★STORY
第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ収容所で戦慄の実験を行った医師ヨーゼフ・メンゲレ。<死の天使>と呼ばれた彼は終戦後、南米で潜伏生活を送る。ナチス時代の仲間たちが次々と捕まる中、彼は戦犯を追求するモサドの網を狡猾にくぐり抜け、歪んだ思想を持ったまま、日常の世界に溶け込んでいく。
<CAST>
ウグスト・ディール、マックス・ブレットシュナイダー、フリーデリケ・べヒト
<STAFF>
監督/脚本:キリル・セレブレンニコフ
原作:オリヴィエ・ゲーズ 『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』 (東京創元社・創元ライブラリ刊)
原作であるオリヴィエ・ゲーズ/高橋啓訳の小説『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』は、2月19日に東京創元社・創元ライブラリより文庫版が刊行発売。
