採集文化から考えるイスラエルの支配
家族や友人と野草を摘み、食卓を共にする。そんな野草採集文化やハーブをふんだんに使った食文化と、それへのイスラエルによる弾圧を描いた映画『Foragers ~ 採集する人々』の上映会が8月17日（日）に京都で開催される。
映画『Foragers ~ 採集する人々』の上映会のイベントページ
上映会前には、映画の視聴前に知っておくと良い映画の背景のレクチャー、上映後には『Foragers ~ 採集する人々』の字幕翻訳を手がけた佐藤まなさんと、パレスチナ・ガザ地区で暮らすアリア・ミラド（علياء ناجي ميلاد）さんとともに、パレスチナの伝統料理を掲載したレシピ本『抵抗のためのレシピ』を出版した宍倉滋さんによるアフタートークもある。
『Foragers ~ 採集する人々』
ー採集から見える入植者植民地主義の実態ー
春は野草摘みの季節。家族や友人と野の恵みを拾い集め、分け合い、食卓を共にする。野草採集はパレスチナの人々の暮らしに息づく文化だ。イスラエル占領下、この伝統的な採集行為が違法化された。
食卓に欠かせないタイムの一種「ザアタル」、野草の王様「アックーブ」。これらの野草は今や、イスラエル人たちの集団農場で栽培される商品となった。採集を禁じるこの自然保護法は、自然と共に生きる尊厳ある暮らしを奪おうとする「入植者植民地主義」の実態を露わにしている。自然保護官が目を光らせる中、それでも採集者たちは野をめぐる。見つかれば罰金、あるいは監獄。法廷では厳しい取り調べが待ち受けている…
ゴラン高原、ガリラヤ、エルサレムで撮影されたこの作品は、フィクション、ドキュメンタリー、アーカイブ映像の間を行き来しながら、占領者による文化の略奪に抗い、したたかに暮らしを紡ぐ人々の姿を軽妙なユーモアと瞑想的なテンポで描く。人間が作り出す制度が何を絶滅させ、何を存続させるのか。誰がその制度を作り出しているのか。観る側の視点も問われている。
（配給元サイトより）
『Foragers ~ 採集する人々』上映会＆アフタートーク
【日時】2025年8月17日（日）14時〜16時半
【会場】レンタルルームLeaf（京都駅前）
〒600-8224 京都府京都市下京区京都市下京区下魚ノ棚通油小路東入東町２５８ＫＹビル３０１
京都駅から徒歩4分
【タイムスケジュール】
13:30 開場
14:00 映画の背景についてレクチャー
14:30 上映開始
15:45 アフタートーク
16:30 終了（17時頃まで物販をしています）
『Foragers ~ 採集する人々』
監督：ジュマーナ・マンナーア
ヴィジュアルアーティスト／映画作家。パレスチナ出身、ベルリン在住。植民地主義の遺産と土地に刻まれた複数性の歴史という観点から、身体、土地、物質性に焦点を当て、権力がどのように形作られるかを作品を通して探究している。
2022 ／ パレスチナ／ アラビア語・ヘブライ語 ／ 65 min ／ 日英字幕 ／ 日本語字幕：佐藤まな
【字幕】
上映は日本語・英語字幕付きです。バリアフリー字幕・音声ガイドの対応はありません。
アフタートークは、自動文字起こしによる字幕が表示されます。
【アフタートークゲスト】
佐藤まな
英語翻訳者。主な翻訳作品に、映画『リッチランド』『リトル・パレスティナ』『Foragers～採集する人々』（日本語字幕）、ジェームズ・ウェルカー編著『BLが開く扉 ―変容するアジアのセクシュアリティとジェンダー』（青土社、共訳）など。『現代詩手帖』2024年5月号「パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く」に翻訳、解題などで参加。
宍倉滋
2024年、SNSを通じて知り合った、パレスチナ・ガザ地区で暮らすアリア・ミラド（علياء ناجي ميلاد）さんとともに、パレスチナの伝統料理を掲載したレシピ本『抵抗のためのレシピ』出版。
京都を拠点に、ケータリングや食を基軸に置いた表現をしている。2022年、資本主義や交換という行為について問う参加型の展覧会「STONE」を開催。
【書籍販売】
会場では、アリア・ミラド、宍倉慈『抵抗のためのレシピ』や、上映会を主催するVGプラスの刊行する『Kaguya Planet パレスチナ』など、関連書籍を販売します。
【チケット】
チケット 1500円
割引チケット 1000円
※割引チケットは、学生・22歳以下・障がい者・金銭的に猶予のない方など、ご自由にお使いください。会場での証明等は必要ございません。
※※介助が必要な方へ 介助者（2名まで）の参加費は無料です。参加人数の把握のため、申込時に参加される介助者の人数をお知らせください。
チケットはこちらのチケットページか、下記のフォームからお申し込みください。
映画『Foragers ~ 採集する人々』の上映会のイベントページ
【注意事項】
・イベントの録音、録画、撮影は固くお断りいたします。
・本イベントでは、できるだけ多くの人が安心して参加できる場作りを目指します。イベントの最中やアフタートークの際、特定の個人や属性に対する攻撃的な発言やハラスメント行為がありましたら、企画を中断したり、該当の参加者を退出させるなどの措置を取ることがあります。
【主催】VGプラス
【問い合わせ先】info@virtualgorillaplus.com
SF・ファンタジーで知る、パレスチナ問題とパレスチナの文化
上映会を主催するVGプラス合同会社の刊行するSFのマガジン『Kaguya Planet』では、日本にはあまり紹介されてこなかったSF・ファンタジーを翻訳掲載した、パレスチナ特集を刊行しています。
パレスチナ特集では、パレスチナ人作家、パレスチナにルーツのある作家による、パレスチナを舞台にしたSF・ファンタジーを3編掲載している他、編集部による解説やテーマに関連したコラムを掲載しています。SF・ファンタジーとともにパレスチナ問題について考え、パレスチナの文化に想いをめぐらせてみませんか。
『Kaguya Planet No.2 パレスチナ』
⚫︎小説
ズィヤード・ハッダーシュ「ここの外では」（佐藤祐朔訳）
ソニア・スライマーン「ムニーラと月」（岸谷薄荷訳、佐藤まな監訳）
タスニーム・アブータビーフ「継承の息吹」（岸谷薄荷訳、佐藤まな監訳）
牧野大寧「城南中学校生徒会役員選挙『カレーVSラーメン』」
⚫︎コラム
井上彼方「SFとイスラエルとパレスチナ」
堀川夢「英語で読むパレスチナのSF」
齋藤隼飛「プレイヤーへの期待、その裏にあるキュレーターの責任」
鯨ヶ岬勇士「スーパーヒーローはどこにいるのか。それはあなたかもしれない。」
⚫︎PICK UP
『野球SF傑作選 ベストナイン2024』
『SF作家はこう考える 創作世界の最前線をたずねて』
⚫︎インタビュー
映画『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』総監督・村瀬継蔵＆特撮監督・佐藤大介 インタビュー
SF作家対談 天沢時生×水町綜「不良とバイクとSFと」
⚫︎イベントレポート
IMAGINARC 想像力の音楽
⚫︎VGプラスの活動報告
サイズ：A5
ページ数：108ページ
一般価格：1650円（税込）
ISBN：978-4-911294-01-7
『Kaguya Planet vol.2 パレスチナ』は、Kaguya Planetのオンラインストアと、書店で販売中です。また電子版をKindleで販売中です。
