映画『モネと時間旅行』監督インタビューが解禁
世界で250万人動員の大ヒット。パリで暮らす家族に遺された、ノルマンディーの草原に佇む古い一軒家。長い間閉ざされた屋敷から発見されたのは、白いドレス姿の女性が描かれた印象派の作品らしき絵画。絵に描かれた女性と、作者は、いったい誰なのか?一枚の絵画に隠された家族の秘密が解き明かされたとき、それぞれの人生が輝きはじめる―『ダンサー イン Paris』などで知られるセドリック・クラピッシュ監督による最新作『モネと時間旅行』が2026年9月18日(金)に公開される。
3年に及ぶ膨大な資料調査から、世界初のカラー写真「オートクローム」に着想を得た独創的な色彩設計まで――19世紀パリを映像化するための徹底したこだわりを語る、クラピッシュ監督のインタビュー映像を解禁された。
本作では、現代のパリに生きる主人公たちの物語と、19世紀のパリを舞台にした物語が交差しているが、なかでもクラピッシュ監督が徹底的にこだわったのが、当時(ベル・エポック時代)のパリを「内側から理解する」ための膨大なリサーチ。
クラピッシュ監督は、作品の準備に「3年の歳月」を費やしたと明かし、「自分が印象派についてよく知らないと気づき、徹底的に調べて、美術史の専門家の話も聞いた」と振り返る。そして、本作の脚本家とともに何度も美術館へ足を運び、19世紀がどのような時代だったのかを詳細に調査。絵画や写真、書籍に至るまで膨大な資料を集め、モネやモリゾ、写真家ナダールら当時の著名人だけでなく、名もなき人々の暮らしにも目を向け、「時代を内側から理解したかった」という監督の言葉通り、単に歴史的な風景を再現するのではなく、当時を生きた人々の感覚や空気まで映像に落とし込んだ。
映像表現においても独自のアプローチを追求。デジタル映像特有の「冷たくて整いすぎた質感」を避けるため、撮影監督とともに、1900年前後の時代を捉えるためのふさわしい新たな映像表現を模索、その中で世界初のカラー写真として知られる「オートクローム」に着目した。
ジャガイモのでんぷんを利用して三原色を表現する独特の写真技法で、リュミエール兄弟や写真家ラルティーグらも使用していたというオートクローム。その写真資料を目にしたクラピッシュ監督は、その独特の質感を本作の中で再現するため、フィルム撮影や撮影後のデジタル処理など、さまざまな方法を検討。結果、たどり着いたのは、複数のデジタル処理を組み合わせ、シーンごとに色彩を細かく調整するという極めて繊細な作業で、粒子感を加えたり、複数の映像要素を“ブレンド”したりしながら、デジタル処理の割合も10%、30%、50%とシーンごとに変化させ、「ある色は鮮やかに、他の色は彩度を落とす」など、一律ではない緻密な色彩設計を施したという。
結果、クラピッシュ監督は、これまで自身が手がけてきた『スパニッシュ・アパートメント』や『猫が行方不明』のような、街の中で即興的に撮影するスタイルとは大きく異なり、「すべて綿密に計算した、幾何学的とも言える撮影」だったと振り返っている。
さらに現代の映像技術と印象派の画家たちの探求にも意外な共通点を見出したクラピッシュ監督。現代人がAIなどの新たな技術を用いて新しい映像表現を模索する一方で、印象派の画家たちもまた、光と色をめぐって新たな表現を追求していたことに触れながら「現代技術が可能にする表現と、19世紀の画家が生み出した技法との間に、深い呼応があるのは興味深い」と言及した。
時代を忠実に再現するだけではなく、現代の技術を通して19世紀の芸術家たちの挑戦と呼応させる――。そこには、30年以上にわたりパリを撮り続けてきたクラピッシュ監督だからこそたどり着いた、過去と現在をつなぐ映像表現へのこだわりが込められている。
徹底した歴史リサーチと、オートクロームから着想を得た独創的な色彩設計―。クラピッシュ監督が3年の歳月をかけて追い求めた“時間旅行”の世界を、スクリーンで体感しよう。
映画『モネと時間旅行』は9月18日(金)より ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、 Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下 ほかロードショー。
【CAST&STAFF】監督・脚本:セドリック・クラピッシュ 『ダンサー イン Paris』
出演:スザンヌ・ランドン『スザンヌ、16 歳』、アブラム・ヴァプレ、ヴァンサン・マケーニュ『画家ボナール ピエールとマルト』、ジュリア・ピアトン『最高の花婿』、ジヌディーヌ・スアレム『パリのどこかで、あなたと』、ポール・キルシェ『Winter boy』、ヴァシリ・シュネデール『モンテ・クリスト伯』、サラ・ジロドー『ベルナデット 最強のファーストレディ』、セシル・ドゥ・フランス『幻滅』、オリヴィエ・グルメ『私は確信する』、ヴァランタン・カンパーニュ“Coward”
原題:La Venue de l’avenir/2025年/126分/フランス/フランス語/日本語字幕:古田由紀子/1:2.39/5.1ch/配給:セテラ・インターナショナル
公式HP:Monetojikan.com ■公式X:@Monetojikan
