ネタバレ解説&考察『ピースメイカー』シーズン2第1話、衝撃の冒頭の意味は? ジェームズ・ガンが明かした設定とは | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説&考察『ピースメイカー』シーズン2第1話、衝撃の冒頭の意味は? ジェームズ・ガンが明かした設定とは

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『ピースメイカー』シーズン2配信開始

2022年にシーズン1が配信されたドラマ『ピースメイカー』より、シーズン2の配信がHBO Max on U-NEXTで始まった。元はジェームズ・ガン監督が指揮した映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021) に登場したピースメイカーを主人公としたスピンオフで、DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)の最初で最後のドラマ作品として配信された作品だ。

『ピースメイカー』は早々にシーズン2への更新が決定していたが、ジェームズ・ガンがDCスタジオの共同会長兼CEOに就任し、DCEUは“リセット”が決定。DCU(DCユニバース)と呼ばれる新ユニバースがアニメ『クリーチャー・コマンドーズ』(2024)、映画『スーパーマン』(2025) と共に幕を開けた。

ユニバースが刷新されながらもシーズン2が配信されることになったドラマ『ピースメイカー』。この異例の展開の中で、一体どのようにして整合性を取ったのだろうか。その答えは『ピースメイカー』シーズン2第1話の冒頭で明らかになった。今回はその内容をネタバレありで解説&考察していこう。

以下の内容は『ピースメイカー』シーズン2第1話冒頭のネタバレを含むため、必ず本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ピースメイカー』シーズン2第1話冒頭および映画『ザ・フラッシュ』の結末に関するネタバレを含みます。

『ピースメイカー』シーズン2第1話、衝撃の冒頭3分を解説&考察

「これまでのDCU」

『ピースメイカー』シーズン2第1話の冒頭は、多くのドラマのシーズン2と同じくこれまでの振り返りから幕を開ける。シーズン1では宇宙からやって来たバタフライの侵略を止めるべく、イースメイカーはアマンダ・ウォラーが結成したチームに合流。父との対決を乗り越えてバタフライとの決戦に臨んだ。

この決戦に際し、ウォラーの娘でピースメイカーの良き友人となったレオタ・アデバヨはジャスティス・ギャングの出動を要請、しかしことの重大さに気付いていたピースメイカーとレオタ達がジャスティス・ギャングの到着の前にバタフライを倒して世界の平和を守ったのだった……って、何かがおかしい……!?

そう、『ピースメイカー』シーズン2第1話冒頭のこれまでのあらすじでは、ナチュラルにシーズン1の内容が書き換えられているのである。思わず観ているこちらが自分の記憶を疑ってしまうくらいのナチュラルさでシーズン1の映像が差し替えられている。確かに冒頭に出る表記は「シーズン1のあらすじ」ではなく、「これまでのDCU」となっている。

改変されたレオタ・アバデヨの要請

では、DCEUの『ピースメイカー』シーズン1と、DCUの『ピースメイカー』シーズン2はどう変わったのだろうか。変更されたシーンは主に、①レオタ・アデバヨの応援要請②ヒーロー達の到着、この二つだ。

①は、『ピースメイカー』シーズン1の最終回の序盤でレオタが母ウォラーに電話したシーンだ。ピースメイカーの父ホワイト・ドラゴンとその信者たちとの戦いでチームのメンバーは負傷したが、バタフライが拠点をテレポートする時間が刻一刻と迫っており、レオタは“ジャスティス・リーグ”の召集を要望。だが応援が到着するまでは待てず、ピースメイカー達は単独でバタフライの拠点に突入している。

『ピースメイカー』シーズン2第1話の冒頭では、レオタが召集を要請したチームがジャスティス・リーグではなくジャスティス・ギャングに変わっている。映像は同じものが使用されているが、レオタがジャスティス・リーグの「リーグ」と言う直前に映像が切り替わり、音声が「ギャング」に差し替えられているのだ。

ジャスティス・ギャングは映画『スーパーマン』に登場したヒーローチームで、マックスウェル・ロードの出資によって運営されている。『スーパーマン』の冒頭時点のメンバーはミスター・テリフィック、グリーン・ランタン/ガイ・ガードナー、ホークガールだ。

一方のジャスティス・リーグはDCEUの映画『ジャスティス・リーグ』(2017) でバットマンことブルース・ウェインが結成したチームで、ヘンリー・カヴィル版スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、サイボーグ、フラッシュ、アクアマンが所属していた。バットマンの私設チームだったが、映画『ブラックアダム』(2022) ではスーパーマンはアマンダ・ウォラーの要請に応えて出動しており、政府と協力関係にあることを示唆していた。

『ピースメイカー』シーズン2第1話の冒頭では、ジャスティス・リーグではなくジャスティス・ギャングの出動が要請されていたという改変が行われた。この変更はそのまま②にも適用されることになる。

改変されたヒーローの面々

改変されたもう一つのポイントである②ヒーロー達の到着シーンも、『ピースメイカー』シーズン1最終回からのワンシーンだ。終盤でピースメイカー達はバタフライとその栄養源であるカウを撃破、しかし、その代償としてピースメイカーが想いを寄せるエミリア・ハーコートが重傷を負ってしまう。そこにようやく現れたのが、レオタが出動を要請したヒーロー達だった。

シーズン1では上記の通りジャスティス・リーグの出動が要請されていたため、現れたのはスーパーマン、ワンダーウーマン、アクアマン、フラッシュの4人だった。しかし、シーズン2第1話冒頭の振り返りでは、このメンバーがジャスティス・ギャングの3人(ミスター・テリフィック、グリーン・ランタン、ホークガール)とスーパーマン、そしてスーパーガールと思しき影に改変されている。

ピースメイカーが「来るのが遅すぎだ」と助っ人達を非難するところまでは同じ展開だが、その後のわずかなやり取りが変更されている。シーズン1最終回では、ピースメイカーがジェイソン・モモア演じるアクアマンに「帰って魚とヤッてろ!」と言い放ち、アクアマンは「またかよ、噂なのに」と呆れ、そしてフラッシュが「いや、本当だろ」とおちょくる展開になっている。この流れは、最終回の序盤で、グリーンアローは「ケツに穴開けて馬のコスプレする奴」、アクアマンは「魚とヤる」という噂話に興じていたシーンを踏まえたやり取りである。

シーズン2第1話では、まずホークガールが「筋肉バカが」とピースメイカーを揶揄、それに乗っかる形でグリーン・ランタンが「奴は俺がゲロ好きだと吹聴してる」と愚痴をこぼしている。このシーンの直前には、エコノモスが嘔吐した声を聞いてピースメイカーが「グリーン・ランタンと飛んだ時、酔ってゲロをぶっかけた」「なぜか喜んでたな」と話す場面が挿入されている。

実はこのグリーン・ランタンのエピソードのシーンはシーズン1にはなく、シーズン1では吐きそうになったピースメイカーが落ち着きを取り戻して「もう大丈夫」と言い、ハーコートが「黙ってて」と叱るだけのシーンだった。グリーン・ランタンのくだりは、おそらくシーズン2のために撮り下ろしたか、削除シーンを復活させたものと思われる(ジェームズ・ガン監督はいくつかシーンを撮り直したとThreadsで認めている)。

フラッシュの歴史とスーパーガールの現在

改変コンセプトのヒント

DCEUのジャスティス・リーグがDCUのジャスティス・ギャングに置き換えられた格好だが、なぜのこの変化が生じたのだろう。その答えは、2023年公開のDCEU映画『ザ・フラッシュ』に見出すことができる。

『ザ・フラッシュ』では、過去に戻ったフラッシュことバリー・アレンが、父が冤罪で捕まる歴史を改変したことで現在の世界の状況が変わってしまった。バットマンはベン・アフレック演じるブルース・ウェインではなくなり、ジョージ・クルーニーが演じるブルースになっていた。

『ザ・フラッシュ』のポストクレジットシーンでは、アレンはジェイソン・モモア演じるアーサー・カリーと会っており、酔い潰れて指輪を差し出す姿を見て「本人だ」と確信している。ただし、本人は「アクアマン」を名乗っておらず、酔って水たまりを「ここが俺の家」と言ったこと、指輪が「アトランティスのお宝」だとアレンが判断したことが根拠になっている。

仮にDCEUとDCUが繋がっていると考えた場合、そもそも改変後の世界ではジャスティス・リーグが結成されていないので『ピースメイカー』シーズン2最初の振り返りではジャスティス・ギャングが登場したことになる。一方で改変後の世界にアーサーは存在しているが、アクアマンとしては活動していないという可能性も十分に考えられる(DCUではジェイソン・モモアはロボ役を演じることが発表されている)。

もちろん、『ザ・フラッシュ』のラストがそもそもDCUの正史ではない可能性は高い。設定が余計にややこしくなるという問題もあるし、DCUのバットマンを演じるのがジョージ・クルーニーということにはならないだろう。

それでも、「全てが無かったことにはならないが、基本的には改変された世界」というDCEU→DCUの移行の前提、かつてのDCEUは一部を除いて存在しないという事実は、『ザ・フラッシュ』の歴史改変というコンセプトを踏まえると感覚的に理解しやすくなる。

あれはスーパーガール?

最後にやはり気になったのは、『ピースメイカー』シーズン2第1話の最初の振り返りでジャスティス・ギャングが到着した場面で、スーパーガールのような影が見えることだ。ジェームズ・ガン監督はThreadsでユーザーからの質問に答える形で、この影がスーパーガールであることを認めている。

シーズン1最終回の映像ではスーパーマン、ワンダーウーマン、アクアマン、フラッシュの4人が登場したが、シーズン2冒頭ではスーパーマン、ミスター・テリフィック、ホークガール、グリーン・ランタンの4人にわざわざ「5人目」としてスーパーガールを加えたのだ。単なる“数合わせ”ではない意図的な演出ということである。

さらにジェームズ・ガン監督は、ユーザーからの「スーパーマンとスーパーガールはジャスティス・ギャングに加わったんですか?」という質問に「いいえ、しかし彼女ら/彼らは『スーパーマン』でやったように、チームアップすることがよくあります」回答した。

つまり、スーパーガールが普段から地球で戦っていることを示唆したということである。アマンダ・ウォラーからの要請に応えているところを見ると、スーパーガールも案外真面目にヒーローとしての責務に取り組んでいるのかもしれない。犬のクリプトはお留守番だろうか……。

映画『スーパーマン』では、ピースメイカーがカメオで登場し、スーパーマンらメタヒューマンが自分たちを「見下している」とテレビのインタビューで非難する場面があった。そして、DCUでもピースメイカーはスーパーマン達とすでに面識があったこと、グリーン・ランタンとは「一緒に飛んだ」ことさえあるということも、『ピースメイカー』シーズン2第1話の始めに事実として確定した。

なかなかのウルトラCでシーズン1とシーズン2と繋げつつ、DCU作品として生まれ変わった『ピースメイカー』。本編にはホークガールとグリーン・ランタンら『スーパーマン』からのキャラクターも登場している。2026年公開が予定されている映画『スーパーガール(原題)』へ向けてどんな展開を見せるのか、『ピースメイカー』シーズン2からも目が離せない。

ドラマ『ピースメイカー』シーズン2は8月22日(金) よりHBO Max on U-NEXT にて独占配信開始。全8話で毎週金曜日に新エピソードが更新される。

『ピースメイカー』シーズン2配信ページ

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【ネタバレ注意】映画『スーパーマン』ラストの解説&考察&感想はこちらの記事で。

ドラマ『ピースメイカー』シーズン1第1話のネタバレ解説&考察はこちらの記事で。

映画『ブラックアダム』ラストの解説&考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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