実写『ONE PIECE』シーズン2配信開始
実写ドラマ『ONE PIECE』のシーズン2がNetflixで配信を開始。シーズン2では、シーズン1でも見られた原作で後に紹介される要素の“先取り”がさらに進み、世界中で話題を呼んでいる。また、原作から改変された設定の中には、原作の謎に迫る要素もあった。
今回は、ドラム島編で初めて登場するワポルと黒ひげの二人についてのある説について、実写ワンピの描写を踏まえて考察していこう。なお、以下の内容はドラマでまだ描かれていない原作漫画のネタバレを含むため、注意していただきたい。
以下の内容は、漫画『ONE PIECE』第59巻までとドラマ『ONE PIECE』シーズン2の内容に関するネタバレを含みます。
実写ワンピのワポル
ドラマ版のオリジナル要素も
実写ドラマ『ONE PIECE』シーズン2第6話では、「ドラム王国から逃亡中の国王」として実写版のワポルが初登場。アメリカ人俳優のロブ・コレッティが演じている。
ワポルに関する設定の改変で注目が集まっているのは、初登場時からミス・オールサンデーと会合しており、Mr.0ことクロコダイルが率いるバロック・ワークスと繋がりを持っていた点だ。ワポルは逃亡中にバロック・ワークスの協力を求めているという。
一方で、ワポルはバロック・ワークスに対して「惜しみなく投資してきた」と主張。見返りを求めると、ミス・オールサンデーはMr.0からの贈り物としてワポルに悪魔の実を授ける。支援への感謝の印だという。
悪魔の実といえば、「1億ベリーはくだらない」とされている。バロック・ワークスのオフィサーエージェントでも、Mr.4やミス・ゴールデンウィークは悪魔の実を食べていないが、クロコダイルはワポルの支援を優先したのだ(もっとも、あまり役に立たない実だと判断したのかもしれないが)。
ミス・オールサンデーは、「黒ひげはドラムを去った」とし、その悪魔の実の力と共にドラム王国に帰還するようワポルに促す。アラバスタ王国の転覆を狙うクロコダイルは、ドラムを同盟国、または傀儡国家として手中に収めるつもりだったのだろう。
黒ひげ襲来
実写版『ONE PIECE』シーズン2第6話の冒頭でミス・オールサンデーの口から触れられた通り、ワポルがドラム王国を逃げ出してきた理由は、黒ひげ海賊団によるドラム王国の襲撃だった。同話でドルトンが語るように、ワポルは黒ひげの強さを知ると軍隊を連れて国を捨てたという。
ドルトンは黒ひげの力を「絶望的な力」と形容する。原作で後に明らかになるように、黒ひげことマーシャル・D・ティーチはヤミヤミの実の能力者で、身体から闇を展開し、ブラックホールのように対象を闇の中に引きずりこむことができる。
ティーチが悪魔の実を食べたのは白ひげ海賊団に所属していた時のことだ。ヤミヤミの実を手に入れた4番隊隊長のサッチを殺して悪魔の実を強奪、白ひげ海賊団から逃げる形で新世界からドラム王国へやって来ていた。実写ワンピでもドルトンは「黒ひげが去るまで耐えるしかなかった」と、その圧倒的な力に触れており、すでにヤミヤミの実の力を持っていたものと思われる。
原作では、後にティーチは白ひげのグラグラの実を奪い、通常なら不可能とされている二つの悪魔の実の力を持つことになる。マルコはその様子を見て、黒ひげの身体の構造が“異形”であることを指摘。黒ひげの身体構造が理由で悪魔の実の力を二つ同時に保持できているとした。
黒ひげ&ワポルの考察に終止符?
根強い「黒ひげ三つ子説」
長年、『ONE PIECE』ファンの間では黒ひげの身体の構造についての考察が行われてきた。その中には、黒ひげが異形であることにワポルが関係しているのでは、という内容のものもある。
根強い支持があった考察は、「黒ひげ三つ子説」「ケルベロス説」と呼ばれるものだ。黒ひげ海賊団の海賊旗に三つのドクロが配置されていることから、黒ひげは三つ子だった、あるいは三つの頭を持つケルベロスになる実を最初に食べたのでは、という説が囁かれてきた。
つまり黒ひげが複数の悪魔の実の力を手に入れられるのは、身体に「三つのスロット」があるから、ということだ。この説のうち、特に三子説を補強したのが、過去に黒ひげがドラム王国を訪れていたという設定である。
白ひげ海賊団から逃げていて、エースに追われていた黒ひげが、なぜドラム王国に立ち寄って国を滅ぼしたのかという点は考察要素の一つだった。有力なのは、後に王下七武海に入ってインペルダウンに侵入するために名をあげようとしたという説だが、まことしやかに囁かれるのは黒ひげがワポルを狙っていたという説だ。
ワポルが黒ひげを改造した?
黒ひげ三つ子説では、黒ひげは本来三つ子だったが、人体改造が可能なワポルのバクバクの実の力により一人の黒ひげを作り出したのではないかという考察がある。例えば、ドラマ版ではカットされたが、ワポルはバクバク工場(ファクトリー)を使って側近のチェスとクロマーリモを合体させた「チェスマーリモ」を生み出している。
この説では二つのパターンが考えられている。一つは、①三つ子が幼少の頃にワポルが合体させ、後に黒ひげがドラム王国に復讐に来たという説。もう一つは、②黒ひげは三つ子から一つの身体になることを望んでいて、バクバクの実の力を持つワポルに自身を合体させるために白髭から逃げる道中でドラム王国へやって来たという説だ。
②では、黒ひげはワポルに力づくで言うことを聞かせて合体をさせた後、ワポルは国を捨てて逃げたという流れが考えられる。ところが、お気づきのように実写版『ONE PIECE』ではこの説を覆す設定が採用されている。
三つ子説は否定された?
実写ドラマ版『ONE PIECE』では、ワポルは黒ひげから逃げてバロック・ワークスを頼り、黒ひげが去った後にMr.0から悪魔の実を授けられている。つまり、仮にワポルが黒ひげと出会っていたとしても、ワポルにはバクバクの実の能力はなく、黒ひげの“合体”はできないということになる。
ワポルがバロック・ワークスと繋がっていた、Mr.0から悪魔の実をもらってからドラム島に帰還したという設定はドラマ版のオリジナル要素だが、ドラマには原作者の尾田栄一郎がエグゼクティブプロデューサーとして参加している。
シーズン2第1話では、原作で後に明らかになったローグタウンにバルトロメオがいたという設定も描かれるなど、“描き直し”は丁寧に行われているように思える。もし原作で黒ひげの能力の根幹に関わる描写がワポルに関連したものであれば、ドラマ版ではその展開をはじめ、重要な原作設定と緩衝する描写は避けられているはずだ。
ドラマ版で黒ひげのドラム王国襲撃とワポルのバクバクの実が切り離されて描かれたことは、黒ひげ三つ子説を否定する要素だと言ってよい。となると、心臓を二つ持って生まれてきたという説などが有力になってくる。
意外なところで進展があった黒ひげの能力と身体の構造をめぐる考察。全てが明らかになる日を楽しみにして、引き続きドラマも原作も追いかけていこう。
ドラマ『ONE PIECE』はシーズン1とシーズン2がNetflixで独占配信中。
漫画『ONE PIECE』最新刊の113巻は発売中。
114巻は2026年4月3日発売。
黒ひげの身体が“異形”であることに触れられた59巻も発売中。
ドラマシーズン2の続きは17巻途中から描かれる。
ドラマ『ONE PIECE』シーズン2の解説&感想はこちらから。
公式が明かした最終話のスモーカーの“誤解”についての解説はこちらから。
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