アーシュラ・K・ル・グインのドキュメンタリー映画が米公共放送で初オンエア

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『Worlds of Ursula K. Le Guin』が米PBSで放送

2018年に逝去したSF作家アーシュラ・K・ル・グインのドキュメンタリー映画『Worlds of Ursula K. Le Guin』が、アメリカで2019年8月2日(金)に初オンエアされる。同作は、2016年にクラウドファンディングサイトのKickstarterで23万ドル以上を集めて制作された。監督はアーウェン・カリー。男性作家が中心であった時代にル・グインがどのように執筆活動を続けてきたのか、彼女の作品や作家人生と共にフェミニストとしての信条にも迫るドキュメンタリーだ。

『アメリカン・マスターズ』に選出

同作を放送するPBS (Public Broadcasting Service) は、政府や企業からの寄付金で運営されている非営利の公共放送サービス。『セサミストリート』など教育番組の制作・放送局としても知られる。『Worlds of Ursula K. Le Guin』は、アメリカの文化に多大な影響をもたらしたアーティストにフォーカスする『アメリカン・マスターズ』(1986-) の番組内で放送される。『アメリカン・マスターズ』ではこれまで、ボブ・ディランやエドガー・アラン・ポー、マリリン・モンローらの特集が放送されている。

『闇の左手』50周年

2019年はル・グインの代表作の一つである『闇の左手』(1969) の発刊から50周年にあたる。『闇の左手』は、地球人の男性が、両性具有の人々が暮らす惑星を訪れるという物語。両性具有の人々の社会を描くことで、身体的な性別によって規定されている人間社会の様々な“常識”を問い直した。1970年にはSF最高賞のヒューゴー賞とネビュラ賞の同時受賞する“ダブルクラウン” を達成しており、ジェンダーSFの走りとして高く評価されている。

第58回日本SF大会 彩こん で発表された第18回センス・オブ・ジェンダー賞では、男性が政府に性転換を強制されるという設定の『徴産制』 (田中兆子 著) が大賞を受賞した。ル・グインがSFファンタジーを通して表現したメッセージと想像力は、現代のジェンダーSFの中にも連綿と受け継がれている。

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Thirteen, PBS

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