月の暮らしコンテスト、プロジェクトメンバーを紹介! | VG+ (バゴプラ)

月の暮らしコンテスト、プロジェクトメンバーを紹介!

宇宙時代の短編小説のコンテスト「月の暮らしコンテスト」、プロジェクトメンバーを紹介!

「月の日常」を描いた短編小説を募集する、宇宙時代の短編小説のコンテスト「月の暮らしコンテスト」が2026年夏に開催されます。コンテストを主催するのは、「東京科学大学 研究奨励金DLab⁺ Challenge 2025 採択プロジェクト」です。大学のプロジェクトでコンテストを開催するの?と疑問に思った方もいるかもしれません。そこで今回の記事では、プロジェクトの経緯とそのメンバーを紹介します。

月の暮らしコンテスト特設ページ

「月の暮らしコンテスト」は、〈DLab+ Challenge〉から始まった

「月の暮らしコンテスト」は、東京科学大学の未来社会創成研究院DLab+が主催する研究奨励金プログラム〈DLab+ Challenge〉から始まりました。〈DLab+ Challenge〉では、単純な現在の延長ではない「オルタナティブな未来」と垣根を超えた自由な研究を目指し、まだ温め途中の研究のアイディアを、異分野の研究者との密なディスカッションを通じて研究計画として具体化し、研究のスタートアップにつなげる研究奨励金プログラムです。

その〈DLab+ Challenge〉で2025年に採択されたプロジェクトの一つが、宇宙進出を契機に人文・社会科学と自然科学を横断する新領域「宇宙社会学」の構築を目的とした「宇宙時代における社会モデルを考える」です。プロジェクトのメンバーは、中国文学研究者の楊冠穹さん惑星形成論・比較惑星学研究者の玄田英典さんアメリカ文学研究者の山根亮一さん歴史学研究者の澤井勇海さん虚構学者、応用小説家、SF戦略コンサルタントの宮本道人さん

そしてこのプロジェクトで、「より広い想像力を取り入れるために」と企画されたのが、月の暮らしコンテストです。コンテストでは、作品を募集し選考するだけではなく、応募作品をプロジェクトメンバーで分析・研究し、受賞作の著者と研究者の対話の場を設ける、研究者が応募作全体をさまざまな手法・角度で学術的に分析するといった、フィクションを研究をつなぐ展開を考えています。

月の暮らしコンテスト特設ページ

「宇宙時代における社会モデルを考える」プロジェクトのメンバーを紹介

 

「宇宙時代における社会モデルを考える」プロジェクトの、研究代表者は、東京科学大学リベラルアーツ研究教育院准教授の楊冠穹さん。楊さんは、東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程から博士号を取得後、関西外国語大学外国語学部助教・准教授を経て、現職につきました。専門は、近現代中国語圏の文学・カルチャースタディーズです。

近現代中国の文芸やカルチャー全般に関心があり、とりわけ、「八〇後」と呼ばれる1980年代生まれの作家たちの作品を読み解くことで、まさに自分自身が生きてきた時代、ポスト社会主義時代における価値観の揺らぎや、個人と国家、記憶と忘却、身体とメディアといったテーマが交差する複雑な文化構造を研究しています。われわれは、どのように過去と向き合い、どのように未来を想像するか。その記録として「作品」は、文学という枠にとどまらず、ネット空間やメディア、音楽、映像などを通じて、どのように社会全体へ拡がっていくか。そうした文化の諸相を、あらゆる視点から覗き込んでみたいと考えているそうです。楊さんについては、こちらのインタビューでより詳しく知ることができます。

惑星科学を研究している玄田英典さんは、東京科学大学 未来社会創成研究院、地球生命研究所(ELSI)の教授・主任研究者。地球や金星、火星、月、小惑星、さらには太陽系外惑星までを対象に、惑星の大きさや組成、大気や海、衛星、そして生命を育む環境が、どのように生まれ進化してきたのかを研究しています。主な研究手法は、物理・化学法則に基づく理論研究と大規模なコンピューターシミュレーションです。惑星同士の巨大衝突、月や衛星の形成、大気や海の獲得と喪失、小惑星の衝突破壊などを数値的に再現し、地球が生命の存在できる惑星になった理由と、その普遍性・特殊性の解明を目指しています。また、理論やシミュレーションから得られた仮説を実際の観測や試料によって検証するため、小惑星探査機「はやぶさ2」のリュウグウ試料研究や、火星衛星からのサンプルリターンを目指す探査計画MMXなど、国内外の太陽系探査にも積極的に参加しています。詳しくは、こちらのホームページ、および「月の起源」に関する一般公演動画をご覧ください。

アメリカ文学を研究している山根亮一さんは、東京科学大学 リベラルアーツ研究教育院准教授、未来社会創成研究院副研究院長。2014年7月慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻後期博士課程で学位取得し、2015年9月から首都大学東京都市教養学部助教を経て、2018年4月に東京工業大学に着任。近年の論文として、“Voices That Matter: Walker Percy’s Semiotic Masculinity in The Moviegoer” (The Japanese Journal of American Studies, 2024)、“Life in the Permanent War: Faulkner, Welty, and Wright and the Nuclear Arms Race” (University Press of Mississippi, 2024)、などがあります。第2回日本アメリカ文学会新人賞を受賞しています。山根さんの研究については、こちらのインタビューでより詳しく知ることができます。

日本政治外交史・東アジア国際関係史で、歴史学・政治学・国際法学が重なり合う領域で研究を行っている澤井勇海さんは、東京科学大学リベラルアーツ研究教育院の准教授。東京大学法学部卒、LSE国際関係史学部博士課程修了。北京大学、中央研究院近代史研究所、ハーバード大学、国立台湾大学などでの在外研究を経て、現職につきました。最近は、幕末維新から現代、さらに未来を見据えた様々な研究課題に取り組んでおり、歴史を通じて現代・未来社会を考える教育にも力を注いでいます。澤井さんの研究については、こちらのインタビューでより詳しく知ることができます。

虚構学者、応用小説家、SF戦略コンサルタントの宮本道人さんは、東京科学大学未来社会創成研究院の特任准教授。フィクションと科学技術を組み合わせてイノベーションを生む手法を研究しています。著書・編著に『古びた未来をどう壊す?』『外来種がいなくなったらどうなるの?』『SF思考』『SFプロトタイピング』『プレイヤーはどこへ行くのか』、共作短編小説に「あなたは特産品です。広まってください」(『北海道SFアンソロジー』所収)などがあります。宮本さんの研究については、トークイベント「空想科学コミュニケーションはじめました」の動画でより詳しく知ることができます。

 

専門の異なるこの5人が集まり、様々な角度から月の暮らしを考えています。「月の暮らしコンテスト」は、その問いを研究者だけで閉じず、みなさんの想像力とともに広げていくための試みです。

「月の暮らしコンテスト」、募集期間は7月1日〜9月30日まで!

月での日常を豊かに想像した短編小説を募集する「月の暮らしコンテスト」、募集期間は2026年7月1日〜2026年9月30日まで。文字数は最大10,000字です。

コンテストには、一般部門とジュニア部門(16歳以下)の二つの部門を設置。それぞれの部門で受賞した作品は、プロジェクトに参加している研究者や、審査員のコメントなどと合わせて書籍に収録し、SFレーベルKaguya Booksから刊行します。特設ページから、詳細や募集要項をチェックし、ぜひご参加ください!

月の暮らしコンテスト特設ページ

VG+編集部

映画から漫画、ゲームに至るまで、最新SF情報と特集をお届け。 お問い合わせ

関連記事

  1. 北海道大学CoSTEP監修『外来種がいなくなったらどうなるの? SF思考で環境問題を考える』目次公開!

  2. 揚羽はな、藤井太洋、正井、蜂本みさ のSF小説4編を先行公開! オンラインで読むSF短編小説プロジェクト・Kaguya Planet始まる

  3. かぐプラ掲載作 揚羽はな「また、来てね!」英訳がSchlock! Webzineに掲載 Toshiya Kameiによる英訳で

  4. f3hito「archipelago」(翻訳:f3hito)、北野勇作「ひゃくじま」、佐々木倫「風の鳴る島」一般公開【Kaguya Planet】