小松左京の遺作『虚無回廊』、I・II・IIIを一冊にまとめた合本版文庫が刊行 10月15日発売 | VG+ (バゴプラ)

小松左京の遺作『虚無回廊』、I・II・IIIを一冊にまとめた合本版文庫が刊行 10月15日発売

ハルキ文庫『虚無回廊』(小松左京)

小松左京『虚無回廊』合本版文庫が10月15日発売

SF作家・小松左京の未完の遺作『虚無回廊』について、これまでI・II・IIIの3冊に分かれて刊行されていた作品を一冊にまとめた合本版文庫が、角川春樹事務所・ハルキ文庫より2026年10月15日に刊行される。

巻末には、堀晃と小松左京による対談、瀬名秀明による解説、さらに小松実盛による、AIによる物語の完結を模索する過程の報告「その後の『虚無回廊』」が収録されている。『虚無回廊』は、人工知能の本質、異なる知性とのコミュニケーション、宇宙と人類など、小松左京が長年にわたって思索を続けてきたテーマの集大成ともいえる物語だ。

小松左京ライブラリでは現在、この未完の長編がどこへ向かおうとしていたのか、その「その後」を探るプロジェクトを進めている。小松左京が残した作品・資料をAIに解析させ、作品世界や登場人物、思想的背景などを検討しながら、『虚無回廊』の完結の可能性を探っていく。

単に完結を目指すだけでなく、小松左京の未完の構想をAIがどのように読み解くことができるのかを検討し、その過程を通じて、人とAIとの関係のあり方を考えることを目指している。

『虚無回廊』は、壮大なコミュニケーションの物語です。宇宙中からSSに引き寄せられた様々な知生体、そしてSSそのもの、さらに背後にあるものとのコミュニケーション。

地球に生命が誕生して以来、はじめての全く異なる知性との対話が成立し、共感を持つことができるのか?

このテーマは、急速に進化するAIと人類はどう向き合うべきかという、現在まさに我々が直面している課題と直結しているように感じます。

AIは、ただのツールなのか、それとも生命体とは異なる形の知性なのか。

現在、人類が直面している、エネルギー問題、環境破壊、異常気象、国際紛争、食料生産、パンデミック、富の極端な偏在化など、様々な問題を解決するには、AIの助けが必要です。その一方で、AIの存在そのものが、人類を脅かす可能性がある大きな問題ともなっています。

(本書収録 小松実盛「その後の『虚無回廊』」より)

作品紹介

直径1.2光年、長さ2光年――地球から5.8光年の位置に、“SS”と呼ばれる謎の巨大物体が突如出現した。AE(人工実存)の研究者・遠藤秀夫を中心にSS探査計画が立ち上げられるが、遠藤は突然の死を遂げ、その分身ともいえるAE「HE2」を搭載した探査機からの通信も途絶えてしまう。

頓挫したかに見えた計画。しかしHE2は自らの意志で、六つのVP(仮想人格)を駆使してSSの探索を続けていた。やがて、複数の知的生命体がSSへの接触を試みていることが明らかになり……。「生命」「進化」「実存」「知性」、そして宇宙の「過去」と「未来」とは何かを描くSF巨篇。

ハルキ文庫『虚無回廊』(小松左京)

本書のポイントは、これまでI・II・IIIの3冊だった物語を、文庫一冊で通読できる合本版であること、巻末に堀晃と小松左京による対談を収録していること、瀬名秀明による解説を収録 していること、小松実盛「その後の『虚無回廊』」を収録している点だ。

小松左京プロフィール
1931(昭和6)年、大阪生まれ。京都大学文学部卒。1960年代初頭に「SFマガジン」で商業誌デビュー。『日本沈没』『首都消失』『果しなき流れの果に』『日本アパッチ族』『さよならジュピター』『虚無回廊』など、数多くの作品を発表。日本を代表するSF作家として、SFの枠を超えて幅広い読者を獲得した。
また、1970年の大阪万博ではテーマ館サブプロデューサーとして、岡本太郎とともにテーマ展示を手がけ、1990年の国際花と緑の博覧会など、さまざまなプロジェクトに参加した。
2011年没(享年80)

小松左京『虚無回廊 I・II・III 合本版』は、2026年10月15日発売。Amazonリンク

■書誌情報
書名:虚無回廊 I・II・III 合本版
著者:小松左京
出版社:角川春樹事務所
レーベル:ハルキ文庫
発売日:2026年10月15日
価格:1,800円(税別)
判型・頁数:文庫判・672ページ
ISBN:978-4-7584-4844-4
巻末収録:堀晃と小松左京による対談/瀬名秀明による解説/小松実盛「その後の『虚無回廊』」

角川春樹事務所 書籍情報: http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=7915

また、文化放送では、2027年1月3日(日)に、85分枠の特別番組が放送される。未完のSF長篇『虚無回廊』を題材に、AIによる作品解析を通じて物語の「その後」の可能性を探りながら、AIの可能性と限界、人間とAIの向き合い方を考えるドキュメンタリーとなっている。

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