『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』
ロックの英雄、そしてアメリカの魂と称され、50年にわたって第一線を走り続けるブルース・スプリングスティーンの若き日を描く感動の音楽ドラマ『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』が11月14日(金)に日本公開を迎える。公開に先駆け、10月27日の第38回東京国際映画祭【ガラ・セレクション】部門正式出品も決定。そしてこの度、本予告が解禁された。
♪監督が選んだ、若きスプリングスティーンの“特別な時代”
この映画は典型的な音楽伝記映画ではありません。ブルース・スプリングスティーンの人生における、きわめて特別で、深くて個人的な時間を描く作品です。1981年末から1982年初頭にかけて、彼は「ネブラスカ」を録音しながら、同時に「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」の構想を練り始めていました。しかしその時期、彼は幼少期から抱えてきたトラウマとも向き合わなければなりませんでした。私にとってこの映画は、スプリングスティーンの人生全体を語るものではありません。あくまで、あの一瞬を称えること――静けさ、模索、そして感情の誠実さを映し出すことに意味があると考えました。
——スコット・クーパー監督のステートメントより抜粋
ブルース・スプリングスティーンは、1949年9月23日、米ニュージャージー州フリーホールドで生まれた。“The Boss”と称され、社会性の高い歌詞と力強いライブパフォーマンスで世界的な評価を獲得。1973年のデビュー以来、自分自身の生きる喜びや苦悩、葛藤、痛みや怒り、現代社会が抱える矛盾や様々な問題を歌い続け、75年に発表された「明日なき暴走」が一大センセーションを巻き起こした。1984年音楽史に燦然と輝く「Born In The U.S.A.」を発表。 連続84週ベスト10入りしたこのアルバムは、全世界で3000万枚以上売り上げ、モンスター級の大ヒットとなった。
アルバムの全世界での売上枚数約1.4億枚、アメリカ約7,100万枚、日本約400万枚、グラミー受賞20回受賞、トム・ハンクス主演『フィラデルフィア』(1993)の主題歌で、ゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞®受賞。1999年ロックの殿堂入り。76歳を迎えた今も、世界ツアーは継続的に敢行。3時間近くに渡るそのライヴは「Heaven(天国)」とも呼ばれる。
「BORN IN THE USA Tour Live 1984」当時の写真
今回、9月23日、ブルース・スプリングスティーンが76歳の誕生日を迎えたことを祝って、『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』の“心揺さぶる”本予告解禁が解禁された。1982年ニュージャージー、33歳のスプリングスティーンは何と向き合っていたのか——。
The Bossの誕生日に合わせて解禁された本予告は、巨大スタジアムを埋めつくした観客に向かって、ブルース・スプリングスティーンがギターを振りかざす場面で始まる。だがロックンロールの音は遮断され、森の中の一本道を歩きながら「人々が見つめるのは、理想を映した俺の姿」だと独白するスプリングスティーンの背中が映し出される。
「その裏にあるのは虚しさだった」——マネージャーのジョン・ランダウとスプリングスティーンがニューアルバムについて話し合う。主演のジェレミー・アレン・ホワイトは、これまでの出演作では見せたことのない演技で、ロック界のカリスマであるスプリングスティーンを体現している。まさに衝撃の変貌だ。
誰もいないメリーゴーランド場の映像に、アカデミー賞®ノミネートの名優ジェレミー・ストロングが演じるジョン・ランダウの「彼は、成功や名声を置き去りにすることに罪悪感を抱いていた」という声が重ねられていく。
本物だけがたどり着く究極の旅—ひっそりと静まった夜、車の中から彼が見つめているのは、今は誰も住んでいないニュージャージーの家。幼き日の姿がモノクロの画面に、「過去は俺を追いかけ、未来は逃げていく」というモノローグに、「アドレセンス」で、第77回エミー賞リミテッド・シリーズ部門主演男優賞に輝いたスティーヴン・グレアムが演じる父との日々が浮かび上がる。
ロックの魂、その深淵へ。—レコード会社を訪れたジョン・ランダウに声をかけた重役は、「次のアルバムは必ず大成功する。それを逃がすわけにはいかない」と一気にまくし立てる。コンサートの熱狂がホワイトアウトし、夜の街を歩くランダウはスプリングスティーンに「初めてチャートのトップ10に入った。連中は流れに乗ることしか頭にない」と伝える。
「本物を探す。この新しい曲は違う」——過去のトラウマと大ヒットを求められるプレッシャーを振り払うかのように、ニュージャージーの自宅にわずか4チャンネルの録音機材を用意したスプリングスティーンはレコーディングの準備を進めていく。ダイナーで顔を合わせたジョン・ランダウに「今の俺にはそれだけが意味を持つ。それだけが信じられるものだ」と、新アルバム「ネブラスカ」がどんな意味を持つかを伝えると、ランダウは「どんな代償を払っても、手に入れる」のだなと念を押す。こうしてふたりはロックの深淵へと踏み出していく。
そして「ネブラスカ」に収められた名曲「Atlantic City」が流れ始めると、過去と現在、そして未来を象徴するかのように橋が描写される。スプリングスティーンは自宅にこもって創作を続け、ランダウは「キャリアとしては常識外れに見える。だが、それが彼の狙いだ。彼には確かに感じているものがある。とても個人的なことだ」と、レコード会社の重役に誠実に向き合う。
バーで酒を飲む父の大きな背中に恐る恐る手をかけた幼き日、そして突然姿を消した父に再会する成長した今。ふたつの場面が重なって、決して消し去ることのできない過去と、未来への重圧を抱えた33歳のスプリングスティーンの葛藤が浮き彫りになっていく。そしてション・ランダウの「私たちは信じている。彼の音楽は人々に希望を与える」という言葉が胸を締めつける。
孤独のハイウェイを走るスプリングステイーン、いつも彼を見守るランダウの微笑みが切り取られた後、小さなライヴハウスのステージに立ったスプリングスティーンが「曲作りは答えを出す旅だ。誰かが人生に小さな意味をくれる」と目を輝かせる。観客の熱狂、恋人とのひととき、砂漠を疾走する車、いつも優しい母との抱擁、スタジオセッションなどの映像が連射された本予告は、「完璧じゃなくていい、心に響けばいい」とスプリングスティーンの切実な言葉で結ばれる。
豪華俳優が集結
映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』でブルース・スプリングスティーン役を託されたのはジェレミー・アレン・ホワイト。「一流シェフのファミリーレストラン」(ディズニー+)でゴールデングローブ賞テレビ部門主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を3年連続、エミー賞主演男優賞(コメディ・シリーズ部門)を2年連続受賞、同賞で4年連続主演男優賞ノミネートの快挙を成し遂げた、全世界が最も注目する俳優だ。ギター、ハーモニカ、歌唱トレーニングを続け、若き日のスプリングスティーンを体現している。
マネージャー、ジョン・ランダウには、『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』(2024)で悪辣な弁護士ロイ・コーンを怪演し、2025年のアカデミー賞®、ゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされたジェレミー・ストロング。ガールフレンドのフェイ・ロマーノにオーストラリア出身の注目女優オデッサ・ヤング、先日発表された本年度エミー賞リミテッドシリーズ部門作品賞にノミネートされたNetflix「アドレセンス」の切実な演技で同賞主演男優賞を受賞したスティーヴン・グレアムが父親を演じている。
ブルース・スプリングスティーンの魂の旅路があなたの心を震わせる。『ボヘミアン・ラプソディ』の20世紀スタジオが贈る感動音楽映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』は、11月14日(金)より全国ロードショー。
監督・脚本:スコット・クーパー(原作:ウォーレン・ゼインズ著「Deliver Me from Nowhere」)
主演:ジェレミー・アレン・ホワイト(ブルース・スプリングスティーン)
共演:ジェレミー・ストロング(ジョン・ランダウ)、ポール・ウォルター・ハウザー(マイク・バトラン)、スティーヴン・グレアム(父ダグ)、オデッサ・ヤング(フェイ)、ギャビー・ホフマン(母アデル)、マーク・マロン(チャック・プロトキン)、デヴィッド・クラムホルツ(アル・テラー)
プロデューサー:スコット・クーパー、エレン・ゴールドスミス=ヴァイン、エリック・ロビンソン、スコット・ステューバー
製作総指揮:トレイシー・ランドン、ジョン・ヴァイン、ウォーレン・ゼインズ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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