ネタバレ解説&感想『ストレンジャー・シングス』シーズン5フィナーレ最終話第8話 ラストの意味を考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説&感想『ストレンジャー・シングス』シーズン5フィナーレ最終話第8話 ラストの意味を考察

Netflix

『ストレンジャー・シングス』シーズン5最終話配信開始

2016年から10年近くに渡り物語を紡いできたドラマ『ストレンジャー・シングス』より、シーズン5の最終話となる第8話が2026年1月1日(木) よりNetflixで独占配信を開始した。シーズン5のフィナーレはシリーズのフィナーレとなり、これにて本編の物語は終焉を迎える。

今回は、長く愛されてきたドラマ『ストレンジャー・シングス』のフィナーレ、シーズン5最終話の第8話について、ネタバレありで解説し、感想を記していこう。以下の内容は結末に関する重大なネタバレを含むため、必ずNetflixで本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ストレンジャー・シングス』シーズン5 フィナーレの結末に関するネタバレを含みます。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5フィナーレ 最終回第8話ネタバレ解説

裏側の世界、そしてアビスへ

『ストレンジャー・シングス』シーズン5の第7話では、エルたちはいよいよヴェクナとの最終決戦に挑むために裏側の世界へ。ヴェクナは子ども達を利用してパワーを増幅し、自身が追放されたもう一つの世界を表側の世界と融合させようとしていた。

裏側の世界は別次元ではなく、“アビス”と呼ばれるもう一つの世界と表側の世界を繋ぐ筒状の“橋”で、裏側の世界の上空から迫り来るアビスに電波塔の先端から乗り込めるのではないか、というのがスティーブが考えた策だった。表側の世界とヴェクナに捕えられた12人の子ども達を救うため、一行はマックZのゲートを通り最後の戦いに挑むのだ。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5最終話の第8話「表側の世界」では、裏側の世界では、一行は三手に別れる。研究所チームはエル、ホッパー、カリ、マレーの4人。このチームの任務は、研究所のタンクを使ってエルをヘンリー/ヴェクナの心の中に入れること、そして橋の壁を作り出している研究所のエネルギー源に爆弾を仕掛けて裏側の世界を破壊することだ。

電波塔に向かった残りのメンバーのうち、マックスとヴィッキーは待機。エルがカリと共にヴェクナの心に入ったタイミングでマックスも合流し、マックスが子ども達のいる場所までの案内役になる算段だ。

残りのナンシー、スティーブ、ロビン、ジョイス、ジョナサン、マイク、ウィル、ルーカス、ダスティンの8人は電波塔の先端からアビスに乗り込む“ジャックと豆の木”作戦に挑戦。悪夢を終える戦いが始まる。

第7話でケイ博士に詰められていた兵士のエイカーズは、エルらを見つけるも博士に報告せずに動こうとする。ケイ博士の目的はエルを生捕りにし、その血を使って超能力者の子ども達を再生産することだが、エイカーズがその主旨から外れつつあることでより緊張感が増す展開となっている。

エル、カリ、マックスは無事ヘンリーの心の世界へ、ナンシーらもアビスに入ることに成功する。電波塔がアビスと衝突シーンでは、落ちそうになったスティーブをジョナサンが助ける場面も。和解した二人は、ナンシーは外の世界に出るべきで、特別な人間だと同意したのだった。

なお、ここではっきり言及されることになったが、『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.2ではジョナサンがナンシーに「反プロポーズ」を行い、ナンシーはそれを受け入れた。シリーズのクリエイターであるダファー兄弟は、あのシーンで二人は正式に別れた明かしている。

マックスの案内でヘンリーの家にたどり着いた3人は、カリのイリュージョン能力を使って子ども達を隠すと、エルに対して本性をあらわにしたヘンリーの姿を見て、ホリーを信じていなかった子ども達もヘンリーが敵であることに気が付く。見事なコンビネーションだ。

ホッパーとエルの対話

しかし一方で、ヘンリー/ヴェクナはエルを介して研究所のホッパーの心に入り込む。研究所に「除草剤1966年」と書かれたドラム缶があるのは、ホッパーが元軍人でベトナム戦争に送られていた過去があるからだ。缶にはベトナムを指す「VN」の表記もある。この時点で現実ではなく心の中の世界であることが示されている。

ちなみにベトナム戦争では米軍が山中でのゲリラ戦に対応するため除草剤(いわゆる枯葉剤)を散布し、ベトナムの人々と米兵に甚大な健康被害をもたらした。ホッパーの記憶に枯葉剤が登場するのは、加害側の人間となった意識が根深く残っているからだろう。

故にヴェクナは「お前こそが呪いだ」とホッパーを追い詰める。そしてホッパーが発砲すると、タンクの中のエルが血を流している姿を目にする。ホッパーは慌ててエルをタンクから出すが、エルの腹部から血が出ていたのはヴェクナが見せた幻覚で、ホッパーの弾丸はタンクを傷つけただけだった。しかし、エルの潜入が解かれたことで、エル、カリ、マックスは裏側の世界に連れ戻されてしまったのだった。

さらにホッパーは、カリがエルと共に裏側の世界に残ろうと呼びかけていたことを知り、エルが作戦後に表側の世界に戻ると約束しなければ爆弾を起動しないと詰め寄る。ここで『ストレンジャー・シングス』シーズン5第8話の最初のハイライトであるホッパーの感動的なスピーチが始まる。

ホッパーはエルに、「お前は十分に奪われた」「あまりに不公平で残酷だった」と、その人生に同情する一方で、その先の幸せな日々のために戦ってほしいと呼びかける。ホッパーは「自分の子どもを抱くその日のために」と言っているが、二人が血のつながっていない家族であるという点がポイントになる。

「いつかドアを8センチ開けさせることになる」とは、まさにホッパーとエルのことだ。ホッパーはパートナーなしでエルを授かっているため、この一連の説得の中にエルのパートナーは登場しない。家族主義ではあるが、こういう流れの時に入りがちな、「結婚して子どもを産んで」という制度や身体機能に依存した論を巧みに避けていることが分かる。

ヘンリーの知られざる過去

ホッパーのミスを帳消しにするスピーチの後、カリは軍人のエイカーズに撃たれてしまう。ここでエルはホッパーへのアンサーを返す。このシーンもまた最終回のハイライトの一つだ。エルはホッパーと森で出会ったこと、その後ホッパーが育て、守ってくれたことを回想するが、もう子どもではないとして、自分で正しい選択をすると宣言する。

エルは自分はサラではないとして、腕のヘアゴムをホッパーへと返す。この青いヘアゴムはホッパーの亡き娘のサラが使っていたもので、ホッパーはサラをエルに重ね合わせ、このヘアゴムをエルにあげていた。ホッパーはずっと「約束」を求めてきたが、信じることが本当の信頼関係だ。ホッパーが気持ちを伝えた一方、エルが単に“父の望む娘”になるわけではないという展開は良かった。

ホリーら子ども達はヘンリーが入ってこれない洞窟へと逃げ込むが、ヘンリーは意を決して洞窟へと踏み込む。アビスでヘンリーと意識が同期したウィルを通して、私たちはヘンリーの過去の記憶を知ることになる。

銃を持った謎の人物を殺してジェラルミンケースを奪った幼いヘンリーは、その中に入っていた石を手にすると、ヴェクナが「探せ」と呟く。ジェラルミンケースの持ち主は全力で争わなければ全て飲み込まれると警告するが、ヘンリーは能力を目覚めさせ、その人物を殺してしまう。

このシーンでは、一瞬マインドフレイヤーが映っており、ヘンリーを操っていたのはマインドフレイヤーであったことが示された。石の正体は明かされていないが、ヘンリーを誘惑してヴェクナにした力の根源が存在していることが明かされた。

エルは結局全ての元凶ではなかったことが明らかになっていたが、ヘンリーもまた全ての元凶ではなかった。ウィルは「君のせいじゃなかった」と語りかけ、マインド・フレイヤーがヘンリーを洞窟から遠ざけたのは、その事実を思い出させないためだったと考察する。

利用されたウィルと同じように、ただ利用された子どもだったとヘンリーに呼びかけるが、ヘンリーは、この世界がどうしようもなく壊れているという真実を見せられた、一度も操られたことはなく、選んで加わったのだと目に涙を浮かべながら強弁する。ヘンリーはもはやマインド・フレイやーと相互依存の関係にあるのだろう。

エルはどうなった?

マインド・フレイヤーが最終形態で暴れる中、エルが登場。最終回第8話のまだ中盤だが、クライマックスにあたる決戦が描かれている。マインド・フレイヤーの中でヴェクナと対峙するエルと、四方から攻撃して少しずつHPを削るナンシー達のバトルは最高。火炎放射器や火炎瓶も活用して大怪獣のようなマインド・フレイヤーを撃破する。

その中で、ウィルがヴェクナと同期して動きを止めると、エルが最後のひと押しでヴェクナも瀕死に追い込んだのだった。姉のナンシーが妹のホリーを救出、デレクも無事で、スティーブに抱きつくのだが、デレクがようやく子どもらしい姿を見せた、その受け皿がスティーブというのが、子どもに好かれるスティーブの特性を表している。

そして、最後のトドメはジョイスに委ねられる。息子のウィルが拐われ、シーズン2で彼氏のボブが殺され、マックス、バーバラ、エディ、エルと、ヴェクナによって苦しめられた面々の姿が浮かび、ジョイスは斧でヴェクナの首を落として決着をつけたのだった。ヘンリーも可哀想な子どもではあったが、猫ちゃん達も犠牲になっているので致し方あるまい。

裏側の世界を破壊する爆弾を起動して表側の世界に戻る一同。このシーンで流れる曲はプリンス「When Doves Cry」(1984) だ。

表の世界に戻った一同は案の定軍に拘束されるが、気づけばエルは裏側の世界のゲートに立っていた。エルは意識の世界でマイクに別れを告げると、橋の壁を作り出していたエネルギー源が爆破され、裏側の世界は崩壊。エルは裏側の世界へのゲートと共に消え去ったのだった。

政府の狙いはエルの血であり、エルが生きている限りエルは追われることになる。エルは自分が表側の世界にいる限り、周囲の人たちに危険が及ぶと考えたのだろう。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5フィナーレ最終回第8話ラストをネタバレ解説

1年半後のホーキンス

悲しい結末を迎えたが、5シーズンの締めくくりは長尺のエピローグでしっかり描かれる。1年半後、ホーキンスの街は復興し、ロビンはラジオDJに戻っている。スティーブは少年野球のコーチに、チームのキャッチャーを務めるのはあの時スティーブが抱きしめたデレクだ。

ロビンは、ホーキンス高校89年度の生徒の卒業式が行われることに触れ、ピクシーズ「Here Comes Your Man」(1989) をかける。1989年6月に発表された曲で、1983年11月を舞台に幕を開けた『ストレンジャー・シングス』だったが、作中で5年半の時を経たことが示されている。

ダスティンは「総代」=Valedictorian(ヴァレディクトリアン)として卒業式に出席する。ヴァレディクトリアンは、成績が最優秀だった卒業生のことで、卒業式でお別れのスピーチを行う伝統がある。また、ダスティンは高校卒業後にホーキンスから車で1日かかる場所にある大学に進学することも示されている。

エルを失ったホッパーだが、ウィルとジョイスと写真を撮る場面では警察の制服を着ており、復職したことが分かる。カメラマンを志望していたジョナサンは、今ではカメラで動画を撮っている。

一方のマイクはエルを失ったショックから立ち直れずにいたが、ホッパーからは、エルが自分で選んだことであり、今度はマイクが選ぶ番だと助言を受ける。ホッパーはかつて娘のサラを失い、自分を責め続けていた。その道を辿るか、現実を受け入れて生きていくか選べと告げるのだ。

エルの選択を理解しようとする必要はない、ただ受け入れろ、という言葉にはホッパー自身の成長が現れている。この発想は、正教会などの、理解することよりも信じること、つまり信仰が大事なのだとするキリスト教に親和的な考え方でもある。その一方でエルの自主性を尊重する現代的な思考でもある点が、多くの人に受け入れられやすい構図となっていて巧みだ。

そうして助言を受けたマイクは遅れて卒業式に登場。母に愛を伝えるのだが、今目の前にいて自分を想ってくれている人を大事にするということの大切さにも気付かされる。そして、ダスティンのスピーチでは、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の「混沌とした善と混沌とした悪」を比喩として、まさかの学校批判が繰り広げられる。

学校の生徒達は、体育会系やオタク、変人などで分断されすぎていたとしながら、カオスによって全ての壁が崩れ去ったとダスティンは語る。自分とは違う人たちと知り合って、自分が深く分かるようになる、友達のおかげでより良い人間になれたと、互いの違いのおかげで分断を乗り越えられるのだという感動的なスピーチだ。

最後にダスティンはアカデミックガウンを脱ぎ捨て、今は亡きエディが主宰していたヘルファイア・クラブは死んでいないと主張する「HELLFIRE LIVES!」Tシャツを披露。「くたばれ学校、
くたばれ制度」と吐き捨てて、マイクドロップして退場したのだった。最高のナードである。

それぞれのその後

マイク達の卒業式で集まったスティーブらちょっと大人組はビールを飲みながら談笑している。ジョナサンは希望していたニューヨーク大学に進学し、映画を撮っているようだ。ロビンの進路はマサチューセッツ州のスミス・カレッジ。全米最大の女子大学であり、超難関大学として知られる。

一方、ナンシーは社会に飛び出したくてエマーソン・カレッジを中退し、ヘラルド新聞に就職したと明かす。おそらくマサチューセッツ州のボストン・ヘラルド紙を指していると見られる。ボストン・ヘラルド紙はピューリツァー賞を8度受賞した新聞で、1989年当時はAP社の傘下にあったが、1993年にはAP社がニューヨーク・タイムズ社が合併したため、2013年に売却されるまでニューヨーク・タイムズ社の傘下にあった。

ナンシーのことだ、その途中でニューヨーク・タイムズ紙に異動になって、記者として活躍したのではないだろうか。やっぱり“外”を志向するナンシーに対する、ジョナサンとスティーブ、そしてロビンのリスペクトが感じられるシーンでもある。

そして3人は、ホーキンス、マサチューセッツ、ニューヨークの間に位置する、ロビンの変なおじさんがいるフィラデルフィアで月一回会う約束を交わす。結構頻繁な気はするが、とんでもない経験を生き延びた4人は、それだけ深い絆で結ばれているということなのだろう。

一方、ホッパーはレストランでジョイスにプロポーズ。ニューヨークの友人からモントークで警察署長をやらないかという誘いがあったらしい。みんなニューヨークに行ってしまうが、ホーキンスがあるインディアナ州という場所柄、都会に出るとなるとニューヨークが一番の選択肢になるのだ。

エルが消え、ウィルが高校を卒業した今、ここに縛られる必要はないとしてホッパーはプロポーズし、ジョイスはこれを受け入れる。二人も幸せになってもいいのだ。この時流れている曲はエタ・ジェイムズ「At Last」(1960)。二人の世代の曲であり、「ようやく私に愛が巡ってきた」と、二人の順番がやって来たことを示す歌詞が歌われている。

ラストの意味は?

『ストレンジャー・シングス』シーズン5フィナーレの第8話のラストでは、パーティーに誘われたはずのマイクたちはあの頃と同じようにD&Dをやっていた。そして、マイクからD&Dのシナリオを通してマイク達のその後が語られる。

騎士と滑走師=ルーカスとマックスは村に定住、日を追うごとに二人の愛は強くなる、とされており、必ずしも出ていくことだけが正解ではなく、定住組もいて良いということが示されている。吟遊詩人=ダスティンは知識を求めて勉学に情熱を注ぎ、冒険も楽しむ、とされており、大学生活を謳歌するようだが、映像ではスティーブがダスティンに会いに来ており、二人の友情は今後も続いていくことが示唆されている。

賢者ウィルも外に出ていく人間の一人で、賑やかな街で受け入れられて自分の居場所を見つけるという。映像では同性パートーナーの姿が描かれている。そして、語り部=マイクは友人達に着想を得て語り続けるという。友人達の勇気を知らしめるために壮大な冒険を書くというマイクは、のちに作家として『ストレンジャー・シングス』の物語を作り出すことを予感させている。

そして、「語ることができない魔術師の話」として、エルのその後についてのマイクの仮説が披露される。マイクは卒業式でスピーカーを見た時に疑問を抱いていた。一同がマックZに出てきた時、軍はエルの能力を封じ込めるための音響装置を使っていたはずだが、エルはその影響を受けずに力を使い果たして姿を消したように見えた。

エルの姉、つまりカリは聖騎士=ホッパーの願いを聞いて心変わりし、考えを変えると、エルを生きながらえさせるための計画を実行した。軍を騙すためには友達も騙す必要があり、カリが遠くからイリュージョンの能力を使ってエルを不可視化して逃げさせ、さらにゲートに立つカリの幻覚を見せたという。

誰にも追われないように死を装おったエルは、遠く離れた広大な自然が見える綺麗な場所にいて、滝が流れる小さな街を見つけた。そして安らぎを得た——というのがマイクの仮説だ。真実がどうかは分からないが、そう信じると決めたとマイクは話し、他のみんなも同意する。

ここでもやはり「何を信じるか」ということがテーマになっている。例えそれがフィクションであっても、信じる限りは救われるという現実は、宗教的でもあるが、D&Dを楽しむ一同や、『ストレンジャー・シングス』という物語に熱くなる私たちにも共通するものだ。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5最終回のラストシーンでは、マイク達がD&Dのバインダーを棚に戻すと、ホリー、デビー、ジョシュ、デレク、メアリーという次の世代の子ども達がD&Dを始める。初期メンとは違いボーイズクラブにはなっていない、その多様さが新時代の到来を感じさせる。

マイクはその姿に過去の自分たちを重ね合わせたのだろう。笑みを浮かべると、何を言わずに階段を上り、そっとドアを閉じて『ストレンジャー・シングス』は幕を閉じる。マイク達が大人になったこと、そして物語は次の世代に引き継がれて続いていくことも示唆されている。

エンディングで流れる曲はデヴィッド・ボウイ「Heroes」(1977)。「私たちはヒーローになれる、永遠に/1日だけなら」「私たちは奴らを倒せる永遠に」と歌われている。

なお、エンドクレジットの最後には「LEAVING HOKINS COME AGAIN SOON(ホーキンス出口/またすぐ来てね)」という標識が映っている。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5フィナーレ 最終回第8話ネタバレ考察&感想

フィナーレに相応しいラスト

『ストレンジャー・シングス』シーズン5のフィナーレとなる最終回第8話は、前半1時間でヴェクナとの決着が描かれ、後半1時間で生き延びた面々のその後が描かれた。9年間のフィナーレを締めくくるにふさわしい名場面の多い最終回だったように思う。

特にホッパーやエル、マイクらがそれぞれに望むことがあっても、一つの結論に仕向けるのではなく、ただそれぞれが異なる考えを持っているということを受け入れる、という答えの出し方が良かった。それはダスティンが卒業式のスピーチで話したことにも繋がるし、それぞれが自立した大人になることを認めるという展開でもあった。

一方で、子ども時代を忘れろということではなく、次のステップに行く前に一同はD&Dを通してエルのその後を夢想するし、マイクのD&Dは次の世代の子ども達に引き継がれた。また、ホリーら、マイクら、ナンシーら、そしてジョイスらと、4つの世代を通して、それぞれの成長と絆が描かれた点も面白かった。

『ストレンジャー・シングス』は続く?

ラストでエルが生きているかどうかを曖昧にした点も、私たちが物語を信じるかどうかという問いかけにもなっている気がして、『ストレンジャー・シングス』らしい終わり方だったように思う。まぁ、私たちはエルが生きていると信じるし、信じている限り、そうなのだろう。

ホーキンスの人々はほとんど外へと出ていくことになったし、これで物語は幕を閉じることになるが、一つ謎が残されている。ヘンリーをマインド・フレイヤーに繋ぎ、能力を授けたあの石についてだ。

結局ヘンリーも、マインド・フレイヤーが表側の世界にやってくるための器に過ぎなかったということは示された。では、“橋”もなくアビスとこちらの世界が完全に分離されている中で、マインド・フレイヤーはどうやってあの石をこちら側にもたらしたのだろうか。

もしかするとアビスは別次元の世界ではなく、遠い宇宙の惑星なのかもしれない。あの石は隕石としてアビスからやってきたもので、マインド・フレイヤーは、地球から遥か彼方の遠い場所にあるアビスを橋を通して地球と融合させようとしていたのだとすれば……。シーズン4までファンの間では根強かった『ストレンジャー・シングス』=「コズミックホラー(宇宙を根源とした恐怖を描くジャンル)」説が正しかった可能性もある。

この終わり方を見るに、シーズン5までの主要キャラはこれで卒業になるとしても、同じ世界観での新しいキャラを起用した続編やスピンオフは今後も制作される可能性がありそうだ。そうなれば、ここぞというところでゲストキャラとして旧作のキャラが登場すれば盛り上がること間違いなしである。

また、2026年にはシーズン2とシーズン3の間の物語を描くアニメ『ストレンジャー・シングス:1985年の冒険』がNetflixで配信される予定となっている。スピンオフが続いていくかどうかは、同作への反応次第という側面もあるのかもしれない。こちらも要チェックだ。

『ストレンジャー・シングス』はシーズン5までNetflixで独占配信中。

『ストレンジャー・シングス』配信ページ

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シーズン2とシーズン3の間の話を描く『ストレンジャー・シングス:イブウェンの忘れられし墓』はルビー翔馬ジェームスの翻訳でフェーズシックスより発売中。

ダファー兄弟が明かしたフィナーレのエピローグの意図はこちらの記事で。

ダファー兄弟が語ったヘンリーの最期についての意図はこちらから。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.2の解説&感想はこちらから。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.2 でナンシーとジョナサンの関係がどうなったのか、制作陣が明かした答えはこちらの記事で紹介している。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1の解説&感想はこちらから。

シーズン5 Vol.1のヴェクナについて製作陣と俳優が語った内容はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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