ミン・ジヒョンさんの最新作、邦題は『忘れないから、私たちは』に
『僕の狂ったフェミ彼女』『私の最高の彼氏とその彼女』で知られるミン・ジヒョンの最新作『망각하는 자에게 축복을』が、『忘れないから、私たちは』という邦題でKaguya Booksから2026年11月に刊行されます!
また、Kaguya Booksのオンラインストアでは10月3日(土)から、特典付き『忘れないから、私たちは』の先行予約を行います。『忘れないから、私たちは』をより楽しめる特典となっておりますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
『忘れないから、私たちは』は、記憶と尊厳をめぐる二人の女性の物語
ミン・ジヒョン『忘れないから、私たちは』(加藤慧訳)は、記憶と尊厳をめぐり、ふたりの女が追い、追われる、スピード感にあふれた傑作長編です
資産家の家でハウスキーパーとして働くジェイはある朝、彼が惨殺される現場に遭遇します。現場にいたのは資産家の妻。そして事件の鍵を握っているのは、ホライズン社が開発した、過去の記憶をリアルに体験することのできる装置「ライフ・ランドスケープ」。ホライズン社の財閥令嬢にして「ライフ・ランドスケープ」開発者のリサは、殺人現場から失踪したジェイと、ジェイが持ち去った「ライフ・ランドスケープ」の後を追うよう言い渡されて──。ジェイとリサ、性格も境遇も真逆の二人の女性をめぐる物語、どうぞお楽しみに!
邦題に込めた思い
『忘れないから、私たちは』の原題は『망각하는 자에게 축복을』。直訳すると「忘却するものへ祝福を」という意味になります。なぜ、あえて原題とは異なるタイトルにしたのか、ここではそこに込めた思いを紹介します。
忘れられない記憶、忘れたい記憶、忘れさせたいこと、忘れてしまった大切なこと……。本書には、主人公のジェイとリサをはじめ、「忘れる」ことに対してさまざまな思いを抱く人物たちが登場します。どんなに辛くても、自分だけのものである記憶をしっかりと抱いていたい……という願いが、この物語を前に進める力です。
邦題『忘れないから、私たちは』は、「私たちは忘れない」という宣言と、「忘れないから、〇〇をします」という行動の理由の説明と、二つの意味を表現しています。「私たち」という言葉は、主人公のジェイとリサだけではなく、たくさんの登場人物たちや読者の皆様にも開かれています。
ミン・ジヒョンさん、他にも邦訳やNetflixでの映画化が進行中!
ミン・ジヒョンさんの名前が日本で知られた一冊『僕の狂ったフェミ彼女』(加藤慧訳)は、Netflixで永野芽郁主演で実写映画化、2026年に世界で独占配信されることが発表されています。僕の狂ったフェミ彼女』は、遠距離恋愛で別れた元カノと再会したら、髪をショートカットにして、黒づくめの服装でデモに参加する「フェミ」になっていた……というシーンから始まるラブコメ小説で、日本でもたくさんの共感を呼びました。
また、2026年10月には、ミン・ジヒョンさんの短編小説が2本、翻訳されます。一編は立原透耶・ファン・モガ・程婧波 編『日中韓SFアンソロジー[1] 猫SF 滅亡が言った、ニャーと』です。日本と韓国と中国の12名の女性のSF作家による書き下ろしのアンソロジー。ミン・ジヒョンさんは表題作の「猫SF 滅亡が言った、ニャーと」(加藤慧訳)を寄稿しています。
『日中韓SFアンソロジー[1] 猫SF 滅亡が言った、ニャーと』
もう一編は、日本SF作家クラブ・韓国SF作家連帯 編『シスターパンク・ユニオン』。あなたと私の絆(シスター)による叛逆(パンク)という共通のテーマをもとに、日本と韓国のSF作家16名が作品を書き下ろします。内容も装画も完全に揃えた合同アンソロジーが、日本と韓国で同時発売されるという新しい試み。ミン・ジヒョンさんは「今年は妊娠しない年」(加藤慧訳)という短編を寄稿しています。
『忘れないから、私たちは』の翻訳を手掛けるのは加藤慧さん
『忘れないから、私たちは』の翻訳を手がけるのは、翻訳者の加藤慧さん。加藤さんは、これまでに邦訳されたミン・ジヒョンさんの長編小説『僕の狂ったフェミ彼女』と『私の最高の彼氏とその彼女』に加えて、先ほど紹介した「猫SF 滅亡が言った、ニャーと」「今年は妊娠しない年」の翻訳も手掛けています。
加藤さんの詳しいプロフィールや、『忘れないから、私たちは』の原文照合を手がけた廣岡孝弥さんら制作チームをこちらの記事で詳しく紹介しています。
ミン・ジヒョンさんも参加している『日韓SF交換日記』、好評発売中!
SF作家ソンでのミン・ジヒョンによる講演「フェミニズムとSFは韓国でどう出会い、広がったのか」を収録した『日韓SF交換日記 あなたの言葉を聞くための対話』がKaguya Booksから好評発売中! 講演では、『忘れないから、私たちは』を初めとしたミン・ジヒョン作品の制作裏話も含め、韓国のSFとフェミニズムの歩みが語られました。
韓国と日本、社会と個人、フィクションと現実、書くことと読むこと。あなたとわたしの間で呼応する、よりよい明日を目指すためのたくさんの言葉たちを詰め込んだ一冊です。『忘れないから、私たちは』と合わせてぜひ!
