ネタバレ考察 ヘンリーはなぜ…?『ストレンジャー・シングス5』フィナーレのあの展開、制作陣はどう語った? | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ考察 ヘンリーはなぜ…?『ストレンジャー・シングス5』フィナーレのあの展開、制作陣はどう語った?

Netflix

『ストレンジャー・シングス5』フィナーレ、ヘンリーに注目

2016年からシーズン1の配信を開始したNetflixの人気ドラマ『ストレンジャー・シングス』は、2026年1月1日(木) に配信されたシーズン5の第8話にあたるフィナーレのエピソードで一旦の幕を閉じた。長年ファンから愛されてきたシリーズの終焉に、ファンの間では「ストシンロス」が広がっている。

一方、『ストレンジャー・シングス』を手掛けてきたダファー兄弟は、フィナーレで描かれた内容について、その意図を語り始めている。今回は、シリーズのヴィランとなったヘンリー/ヴェクナの描かれ方について、最終回を振り返ると共にダファー兄弟のコメントをチェックしてみよう。以下の内容は『ストレンジャー・シングス』シーズン5最終回のネタバレを含むため、必ずNetflixで本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ストレンジャー・シングス』シーズン5フィナーレの内容に関するネタバレを含みます。

『ストレンジャー・シングス5』フィナーレでヘンリー/ヴェクナはどうなった?

これまでのヘンリーの過去

ドラマ『ストレンジャー・シングス』シーズン5のフィナーレにあたる最終回第8話では、ヘンリーの過去が明らかになった。シーズン4から登場したヘンリー・クリールは、エルが育てられたホーキンス研究所の最初の子どもで、ワンというコードネームを持っていた。

幼い頃から超能力を持っていたヘンリーは、巨大な怪物のマインド・フレイヤーの絵を描くなど、裏側の世界に親和性のある人物として描かれていた。幼いヘンリーは家族を惨殺し、その罪は父ビクターに着せられることになる。

舞台『ストレンジャー・シングス 始まりの影』(日本未上演)では、能力を持つヘンリーが一度研究所に預けられた後、母親がヘンリーを研究所に預けたことを知り、母と妹を殺してしまったという背景が描かれている。ヘンリーは再び研究所に戻り、ワンとして生きていくことになるのだが、その後に生まれてくるエイトやイレブンはヘンリーの血を妊婦に注入して生み出された子ども達であった。

その中でもヘンリーのような力を得たのはイレブン=エルだけで、エルはヘンリーをアビスに追放し、ヘンリーはマインド・フレイヤーと融合する。しかし、ホーキンス研究所のブレンナー博士はアビスに繋がる橋=裏側の世界を作り出し、マインド・フレイヤーによる表側の世界の侵略が始まったのだった。

フィナーレで明かされた過去

『ストレンジャー・シングス』シーズン5フィナーレでは、ヘンリーが幼い頃に重傷を負った見知らぬ人物と遭遇し、それが能力を得るきっかけになっていたことが明らかになる。その人物はジェラルミンケースを持っており、その中には赤く発行する石が入っていた。

その石を手にしたヘンリーは一瞬マインド・フレイヤーの姿を見た後、能力が覚醒し、ジェラルミンケースを持っていた人物を殺してしまったのだった。この人物の胸には名札のようなものが付けられており、研究所のようなところから逃げていたものと予測できる。

演劇『ストレンジャー・シングス 始まりの影』では、政府のあるプロジェクトに関わっていたブレンナー博士の父が別の次元に迷い込んだこと、その父は生還したものの別人のようになってしまい、ブレンナーが別の次元の研究に没頭するようになったことが明らかになる。『ストレンジャー・シングス』シーズン5フィナーレで石を持っていた人物は、研究所から別の次元(=アビス)の石を持って逃げていた最中だったのかもしれない。

つまりヘンリーは最初からヴェクナだったわけではなく、石に触れてマインド・フレイヤーに操られるようになった、と考えられる。ハイブマインドを通してその事実を知ったウィルは、ヘンリーもまた自分たちと同じように器にされた子どもに過ぎなかったと指摘している。

しかし、ヘンリー/ヴェクナは、おかげでこの世界と人間は壊れているという真実を知れた、操られたことはない、自分自身の選択だと、ウィルの提案を拒否するのだった。確かに演劇版によれば、ヘンリーはマインド・フレイヤーの力を得たことによって母の記憶を見ることができ、ヘンリーは母に求められていないと認識するに至っている。「真実を知れた」というのは、そのことを指しているのだろう。

結果、ヘンリー/ヴェクナには救いは用意されておらず、ジョイスの怒りの斧によって退治されることになる。少しかわいそうな気もするが、実際被害が大き過ぎたという側面もある。制作陣はヘンリーの最後について、どのような考えを持っているのだろうか。

ダファー兄弟が語った意図

Netflix公式メディアのTudumでは、『ストレンジャー・シングス』を手掛けてきたダファー兄弟がシーズン5最終回第8話のフィナーレについて裏側を明かしている。ヘンリー/ヴェクナの過去を明かしながら、自らの選択だと結論づけた背景について、ロス・ダファーはこう話している。

ビリーのようにマインド・フレイヤーに背を向けるダース・ベイダー的な状況をヘンリーにも作るべきか、(脚本家の)ライターズルームと話し合いました。しかし、脚本チームと(ヘンリー役の)ジェイミーとも話し合って、彼はあまりに遠くまで来てしまったので、自分の行いを正当化しなければならないという結論に至りました。今までの行いを正当化する唯一の方法は、「私が選んだことであり、今でも正しかったと信じている」と言うことだったんです。

彼はあの記憶を見て動揺していますが、それでもマインド・フレイヤーに背くタイミングはとっくのとうに過ぎていました。ですが、幼いヘンリーが自ら選択を下したのか、それとも最初から最後までマインド・フレイヤーに操られていたのかという解釈は、視聴者の皆さんに委ねたいです。

それでも、結局のところ、ヘンリーが辿ってきた道はあまり重要ではありません。彼は最終的にマインド・フレイヤーの側に立つことを選んだのです。

マックスの兄のビリーもまた、シーズン3でマインド・フレイヤーに操られ、エル達と対峙することになった。エルの呼びかけに答えて一度は自我を取り戻したが、結局はマインド・フレイヤーによって殺される最期を迎えている。

このような、「スター・ウォーズ」シリーズのダース・ベイダーと同じく、ヴィランが善の心を取り戻す展開について、ヘンリーにも適用するべきかどうかという会話は脚本家と演じたジェイミー・キャンベル・バウアーとの間で交わされていたようだ。話し合いの結果として、ヘンリーが後戻りするには遅すぎるという判断に至ったのである。

確かにビリーが操られたのは1シーズンだけだが、ヘンリーはシーズン1の遥か以前からマインド・フレイヤーと意識を共にしており、多くの犠牲を出してきた。もう後戻りはできず、「自分の選択だった」と考えるしかこれまでの行いを正当化する手段はない、それがヘンリーの結論だった。

一方で、ロス・ダファーはそもそもヘンリーが力を手に入れる過程と手に入れた後の行動について、ヘンリーの意思が機能していたかどうかの判断は視聴者に委ねたいとしている。あの洞窟に入ったことや石を持っていた人物があそこで倒れていたこと自体、マインド・フレイヤーが操作したことであったとすれば、やはりヘンリーには同情の余地もあるが……。

いずれにせよ、『ストレンジャー・シングス』シーズン5のフィナーレとなる最終回第8話でヴェクナと共にマインド・フレイヤーが倒されたことで、シリーズを通して子ども達を脅かしてきた脅威は消えた。アビス自体は残っているが、裏側の世界も消えており、ロシア政府あたりがまた橋を作らない限りは安心ではあるが、果たして……。

『ストレンジャー・シングス』はシーズン5までNetflixで独占配信中。

『ストレンジャー・シングス』配信ページ

『ストレンジャー・シングス』シーズン1の裏側の世界を描くコミック『ストレンジャー・シングス:裏側の世界』は長沢光希の翻訳でフェーズシックスより発売中。

¥1,944 (2026/01/26 03:39:20時点 Amazon調べ-詳細)

シーズン2とシーズン3の間の話を描く『ストレンジャー・シングス:イブウェンの忘れられし墓』はルビー翔馬ジェームスの翻訳でフェーズシックスより発売中。

Source
Tudum

『ストレンジャー・シングス』シーズン5フィナーレの解説&感想はこちらから。

制作陣が語った最終回エピローグの意図についてはこちらの記事で。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.2の解説&感想はこちらから。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.2 でナンシーとジョナサンの関係がどうなったのか、制作陣が明かした答えはこちらの記事で紹介している。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1の解説&感想はこちらから。

シーズン5 Vol.1のヴェクナについて製作陣と俳優が語った内容はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
お問い合わせ
¥2,200 (2026/01/26 02:51:37時点 Amazon調べ-詳細)
社会評論社
¥1,650 (2026/01/25 22:53:20時点 Amazon調べ-詳細)

関連記事

  1. 『GOTHAM/ゴッサム』はジム・ゴードン役のベンジャミン・マッケンジーをどう変えたか——結婚、監督業への挑戦

  2. オクティヴィア・E・バトラーの小説『キンドレッド』ドラマ化へ 『ウォッチメン』プロデューサーが手がける

  3. 『キャシアン・アンドー』シーズン2は「かなり違うものに」トニー・ギルロイが語る

  4. 『ウエストワールド』シーズン2 製作の為、夫ジョナサン・ノーランが妻リサ・ジョイに交わした約束とは?