『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1配信開始
Netflixの人気ドラマ『ストレンジャー・シングス』(2016-) の最終シーズンとなるシーズン5のVol.1が2025年11月26日(木) よりNetflixで独占配信を開始した。シーズン5はVol.1とVol.2、そしてフィナーレとなる最終話の三つに分割して配信される。
『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1は、その内容が驚きをもって迎えられ、大きな話題を呼んでいる。シリーズの大ヴィランとなったヴェクナもシーズン5 Vol.1の主要なキャラクターの一人だ。今回はキャストと製作陣のコメントをもとにシーズン5 Vol.1で登場したヴェクナの背景に迫ってみよう。
なお、以下の内容は『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1のネタバレを含むので、必ずNetflixで本編を視聴してから読んでいただきたい。
以下の内容は、ドラマ『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1 第4話の結末までに関するネタバレを含みます。
Contents
『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1ヴェクナはどうなった?
ヴェクナの過去と狙い
『ストレンジャー・シングス』においてヴェクナが登場したのはシーズン4でのこと。デモゴルゴンやマインド・フレイヤーらに続き、裏側の世界の怪物かと思われていたが、実際にはエルよりも前にホーキンス研究所で被験者になっていた「001(ワン)」の成れの果ての姿であったことが明らかになった。
ワンの元の名前はヘンリー・クリール。生まれつき強い超能力を持っていたヘンリーは、研究所に連れていかれそうになった際に母と妹を殺してしまい、父は家族殺しの容疑をかけられて逮捕されてしまった。
研究所に連れてこられた後に抑制装置を埋め込まれて力を奪われていたが、エルにその装置を取り出してもらった後、研究所の人々を殺害。それを発見したエルが脅威的な力でヘンリーを裏側の世界に追放したが、ヘンリーは裏側の世界でヴェクナと化して怪物達を創り出していた。
つまり、シーズン1のウィル失踪事件から裏で糸を引いていたのはヴェクナ/ワン/ヘンリーだったのである。『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1の冒頭では、改めてその様子が描写し直され、ウィルがヴェクナに見出された最初の“器”であったことが明かされた。
『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1のクライマックスでは、ヴェクナの狙いも示唆された。ヴェクナは世界を作り直すために子どもを狙っており、シーズン5ではホリーをはじめとする12人の子どもを裏側の世界へと連れていこうとしていた。
さらに、意識不明に陥っていたマックスがホリーの前に現れると、二人はヴェクナ=ヘンリーの記憶に閉じ込められていることを明かす。マックスはヘンリーが何故か恐れる岩場に住み着いており、ヘンリー攻略のヒントも提示されている。
キャストと監督が語るヴェクナ
ヴェクナはウィルの力を知っている?
『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1の配信後、キャストと製作陣はさらに深掘りされたヴェクナのバックグラウンドについて口を開いている。ヴェクナ/ヘクターを演じたジェイミー・キャンベル・バウアーは米Deadlineでシーズン5 Vol.1の裏側について明かしている。
ヴェクナがマックZでウィルと対峙するシーンは朝5時半、日の出が出る前に撮影されたといい、キャンベル・バウアーの歩き方や動きを反映させるために俳優自身が演じたと裏側を語っている。その上で、ヴェクナはウィルの力について知っているのかという質問に、キャンベル・バウアーはこう答えている。
興味深い質問ですね。彼が知っているか? 彼が触れた者には何らかの痕跡が残るのだろうと推測します。彼にとってイレブンが特別な存在であるのと同じように、ウィルも彼にとって特別な存在なのだと思います。
一方で、シリーズを手がけるダファー兄弟のマット・ダファーは、米Varietyのインタビューで、シーズン5 Vol.1第4話の最後にヴェクナがウィルを殺さなかったこと、連れ去りもしなかったことについて、その理由をこう語っている。
物語が進むにつれて明らかになることですが、彼はウィルのことを完全に過小評価しています。多くの人がそうしてきたように、弱く、取るに足らない、大きなことを成し遂げることはできない存在として見ているんです。ですからあの瞬間、彼はウィルを完全に甘く見ていたのです。それが再び起きるかどうかは、Vol.2を観てください。
『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1第4話のラストの時点で、ヴェクナがウィルを放置して裏側の世界に帰っていった理由は、ウィルを甘く見ているからだという。確かにヴェクナはウィルの母ジョイスにも念動力を使ったが、軍人達と違って殺すような真似はしなかった。それはつまり“脅威ではない”と判断したからなのだろう。
ヴェクナの弱点は?
『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1でヴェクナとの組み合わせとして描かれたのはウィルだけではない。ホリーとマックスもまたヴェクナ攻略のキーキャラクターとして再登場することになった。
ヴェクナ役のジェイミー・キャンベル・バウアーはDeadlineのインタビューで、ヴェクナが12人の子どもの最初にホリーを選んだ理由については、二人の間に“聡明さ”という共通点があったからだと語っている。一方で、自分は聡明だとするヘンリーの認識は弱点でもあると指摘している。
ウィルに関しても、ヴェクナは甘く見積もってウィルの覚醒を許している。ヴェクナの自己評価の高さ、それによって生まれる油断は、ヴェクナ攻略の鍵になるかもしれない。
また、ヘンリーの世界の中にいながらも、ヘンリーが入れない岩場に陣取るマックスについては、キャンベル・バウアーはこう語っている。
何が彼を苛立たさせるのかについては、物語の後半で重大な瞬間が訪れるので、多くは語れません。彼女(マックス)は間違いなく何かを引き起こす触媒になります。彼(ヘンリー)にとっては苛立たしいことで、というのも彼はホリーを利用しようとしていたのに、彼女がホリーを奪ってしまったからです。これは間違いなく悩みの種ですよね。ですから、マックスの行動は……厄介なことなんです。
ヴェクナの自惚れとマックスの存在が、シーズン5でのヴェクナ攻略の鍵となりそうだ。
ヘンリーの世界と洞窟
ヘンリーの世界の元ネタは?
ヴェクナ攻略の鍵と言えば、マックスが発見した岩場の洞窟の存在だ。この岩場の洞窟は、マックスとホリーが閉じ込められたヘンリーの記憶の世界の中にある。ヴェクナはこの岩場を恐れていたが、その背景には何があるのだろうか。
Varietyでは、ダファー兄弟のマット・ダファーが、ヘンリーの記憶の世界には、映画『ザ・セル』(2000) に登場した内面世界のコンセプトを取り入れたことを明かしている。『ザ・セル』では殺人犯の精神世界に入り事件の解決を目指すが、やがて主人公は殺人犯の世界から抜け出すことができなくなってしまう。砂漠が登場するのは同作のオマージュなのだとか。
ロス・ダファーは、ヘンリーの記憶の世界が『ザ・セル』の精神世界と同じ「中間の世界」であるとしている。マックスとホリーは、ヘンリーの精神世界に閉じ込められたということだが、ホリーはこの世界を「カマゾッツ」と呼んでいる。「カマゾッツ」は『5次元世界のぼうけん』/『リンクル・イン・タイム』に登場した闇の惑星だ。
洞窟と記憶
そのカマゾッツでなぜヘンリーが岩場の洞窟を怖がり近づこうとしなかったのか、という疑問には、ジェイミー・キャンベル・バウアーはDeadlineにこう話している。
私が話せる範囲では非常に答えづらい質問です。とても難しいですね。今、何を語るかは細心の注意を払う必要があります。シーズン5において視聴者の皆さんが見ているヘンリーと、キャラクター達が目にするヘンリーは、必要な姿を体現したものだということが重要になります。
以前も誰かに話したのですが、シーズン5で最も興味深かったのは、怪物を作り上げる過程で核となる記憶を保持しながら、それを埋めてしまい、そして洞窟に……ということです(笑)
かなり核心部分を濁しているが、ヴィランとしてのヴェクナ/ヘンリーの重要な要素は、過去の記憶を失ってモンスターになったわけではなく、記憶を保持しているという点なのだろう。だが、ヘンリーはその記憶を隠しており、洞窟はヘンリーの記憶に関する重要な要素を司っているようだ。
『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1では、そのヘンリーの世界を守っていると思われる“壁”も登場。Varietyでは、マット・ダファーは壁の正体についてはVol.2以降で明らかになると予告している。また、ロス・ダファーは、他の子ども達もカマゾッツへやってくることも示唆している他、ヴェクナが子ども達を連れ去ることがシーズン5 Vol.1の最後に必要な展開だったことも明かしている。
そして、ヴェクナ役のキャンベル・バウアーはDeadlineに、Vol.1はVol.2への「爆発的な前振り」だと語っている。ヴェクナ/ヘンリーはシーズン5 Vol.2でどんな動きを見せるのか、エル・ウィル・マックスらはヴェクナを倒すことができるのか、Vol.2の配信開始を楽しみに待とう。
『ストレンジャー・シングス』シーズン5 Vol.1 はNetflixで2025年11月27日(木) より独占配信中。
『ストレンジャー・シングス』シーズン1の裏側の世界を描くコミック『ストレンジャー・シングス:裏側の世界』は長沢光希の翻訳でフェーズシックスより発売中。
シーズン2とシーズン3の間の話を描く『ストレンジャー・シングス:イブウェンの忘れられし墓』はルビー翔馬ジェームスの翻訳でフェーズシックスより発売中。
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