小松左京「幻のSF人形アニメ」から二つのプロジェクトが始動
日本を代表するSF作家である小松左京の没後に発見された「幻のSF人形アニメ」に基づく、新たな二つのプロジェクトが発表された。一つは「幻のSF人形アニメ」絵コンテを特別収録する書籍の刊行で、もう一つは絵コンテをもとにアニメ化を目指すプロジェクトだ。小松左京の「幻のSF人形アニメ」は、1965年に海外輸出を前提とした5分のSF人形アニメで、小松左京がパイロット版の脚本を担当していた。
『堀晃ジュニアSFコレクション』に特別収録
「幻のSF人形アニメ」絵コンテは、盛林堂ミステリアス文庫から2025年11月23日(日)に刊行される『宇宙(スペース)ランド 2100 堀晃ジュニアSFコレクション』に特別収録される。本書は、ハードSFの第一人者であり、第1回日本SF大賞を受賞した堀晃 (ほり あきら) によるジュニア向けSF作品の全てを一冊に集成したもの。1970年代の高校生雑誌に発表された短編群、1980年代の小学生雑誌での連載作品、1990年代発表の入手困難な長編まで、時代を超えて輝きを放つ作品群を網羅している。
本書に特別収録として、堀晃が協力し、小松左京氏が脚本を手がけた「幻のSF人形アニメ」の貴重な絵コンテが掲載。堀氏自身による解説文もあわせて収録しており、SF ファンにとって見逃せない内容となっている。
編集・解説は、作家・翻訳家であり書誌研究家の北原尚彦が担当。カバーイラストは日本SF界のレジェ ンド、加藤直之氏が手がける。本書は、11月23日(日)開催の「文学フリマ41」内「書肆盛林堂」ブースにて販売を開始し、以降、盛林堂書房の店頭および通販サイトにて販売される。
【書誌情報】
• 書名:『宇宙(スペース)ランド 2100 堀晃ジュニアSFコレクション』
• 著者:堀晃
• 編者:北原尚彦
• 価格:1,760 円(税 10%込)
• 判型:文庫版
• 頁数:312 頁
• カバーイラスト:加藤直之
• カバーデザイン:岩郷重力
• 発行日:2025年11月23日
• 発行:盛林堂ミステリアス文庫
映像化に向けた企画が始動
小松左京ライブラリは、「幻のSF人形アニメ」のパイロット番絵コンテを活用し、AIによって新たなジュブナイルSF短編とアニメ企画書を制作。本企画の60周年を記念して、2025年11月19日(水)より小松左京ライブラリ公式サイトにて公開されている。
「幻のSF人形アニメ」は、1965 年に海外への輸出を前提とした平日帯の5分枠番組として企画が立ち上がったもの。脚本を小松左京が担当し、SF作家の眉村卓、当時学生だった堀晃も企画に協力していた 。しかし、1966年に日本で『サンダーバード』の放送が決定。「これには対抗できない」との経営判断から、企画は制作断念に至る 。その後、小松左京が執筆したオリジナルの脚本は見つかっていなかったが、詳細なパイロット版の絵コンテが遺品の中から発見された 。
参照:小松左京ライブラリ公式
今回、小松左京ライブラリでは、この手書きの絵コンテを生成AI(Gemini 2.5PRO)に読み込ませ、その物語構造を解読・分析させた上で、現代の視聴者向けにアレンジするという試みを実施。AIは、絵コンテのプロットに基づき、以下の二つのコンテンツを新たに生みだした。
1. ジュブナイル SF「ふしぎな恐竜ダイナ」
・絵コンテの物語をベースに、AI が現代の児童向けに書き起こしたショートストーリー。
2. アニメシリーズ企画書『時空たんけん!ダイナとジョーン』
・元の設定を拡張し、AI が生成した新たなアニメシリーズの企画書とイメージイラスト。
本プロジェクトは、60年前に実現しなかった手書きのアイデアが、AIという新たな技術と結びつくことで、未来に向けた新しい創造の可能性をひらく試みとされている 。 小松左京ライブラリは、本企画を足がかりに、未映像化の企画だけでなく、小松左京の残した膨大な作品群を時代に合わせてアップデートし、新たな世代に届ける試みも継続していきたいとしている。
プロジェクトの詳細は小松左京ライブラリで。
情報提供
小松左京ライブラリ
『さよならジュピター』40周年で振り返る小松左京の挑戦はこちらから。
『日本沈没』初の二次創作ゲーム化についてニュースはこちらから。
