第2話ネタバレ解説&感想『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』ギャバン・ブシドーの過去とコスモギャバリオン 考察 | VG+ (バゴプラ)

第2話ネタバレ解説&感想『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』ギャバン・ブシドーの過去とコスモギャバリオン 考察

©テレビ朝日・東映AG・東映

第二のギャバン、ギャバン・ブシドー登場

『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975-1977)から半世紀、日本の特撮ヒーローの看板を背負ってきたスーパー戦隊シリーズ。その看板を引き継いだのが、PROJECT R.E.D第1弾『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』(2026-)だ。本作は、メタルヒーロー第1弾『宇宙刑事ギャバン』(1982-1983)の名を継承しながら、その“正義”の意味を再定義しようとしている。

『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』第1話「赤いギャバン」は「スター・ウォーズ」シリーズを思わせる艦隊同士の衝突や、派手アクションシーンなどが魅力的だった。その一方で宇宙からの移民表現が排外的に読まれかねない点や、圧政に抗う葛見仁志に対するトーン・ポリシングとも受け取れる台詞は、本作の“正義”の立ち位置に微妙な緊張を生んでいた。

第2話「二つの刃」では、大戦後の宇宙Λ8018のギャバンで、戦争用に生み出された人工生命体のギャバン・ブシドー/哀哭院刹那を中心に物語が展開される。葛見仁志が語っていた指導者による搾取と隷属が行われている宇宙とは何なのか。そして、その宇宙の“ギャバン”であるギャバン・ブシドーはどのような存在なのか。

本記事では哀しみで変身する第二のギャバン、ギャバン・ブシドーのバックボーンが語られる『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』第2話「二つの刃」について解説しつつ感想を記していこう。なお、以下の内容は『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』第2話「二つの刃」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』第2話「二つの刃」の内容に関するネタバレを含みます。

『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』第2話「二つの刃」ネタバレ解説&考察

魔空空間に潜むもの

ネガティブ波動を浴び過ぎた結果、魔空空間の裂け目が開いてしまった。ギャバン・インフィニティ/弩城怜慈によって、その裂け目は閉じられるものの、魔空空間には葛見仁志を利用している犯罪組織がいた。

その一人が鴉麿。指導者による搾取と隷属に対する反抗をしていた青年に危険なエモルギアを流した張本人である。彼の目的は葛見仁志が暴力的な感情に飲み込まれることによって、エモルギアがネガエモルギアに変質し、それを回収することだった。

そして、自分たちの存在が銀河連邦警察に悟られないよう、デス・ギャバンという“ギャバン”の名を冠しておきながら、犯罪者側に着いた存在に釘を刺す。悲しいことだが、これは『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』において弱者は犯罪者などの大きな存在に利用されてしまうことを表現した演出とも言える。

また、『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』では暴力行為で自身の政治思想を表明しようとすると、そこに甘い言葉で犯罪者が介入してくる危険性を表現しているとも考察できる。葛見仁志はニュースを見て、世界情勢に違和感を抱かないのかと哀哭院刹那に訴えているが、そこに同情するような言葉と共に武器を提供したのが鴉麿だった。

戦争用の兵器としての哀哭院刹那

哀哭院刹那は惑星ボレモスで生み出された人工生命体であることを弩城怜慈に告白する。彼もまた、ある種の宇宙人であり、それも文字通り使い捨ての存在とされていたのだ。さらに人工生命体でありながら何故血を流すのかと質問された際、戦場で有効だからと返す。それは、人間の躊躇いという感情すら戦術化する戦争の論理を示している。

『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』のテーマは感情だ。つまり、人間たちが血を流す存在を見たときに躊躇いが生まれるのを哀哭院刹那は理解しており、敵の躊躇いを誘発するために「血」を組み込んだ設計は、感情そのものが兵器化されていることを示唆する。

弩城怜慈に哀哭院刹那は「自分は“ギャバン”の名に相応しくない」旨の発言をしている。そのため、彼は敵の躊躇いを利用し、殺すために戦ってきた。その記憶が“ギャバン”の名を拒ませている。

その行いによるものか、彼にとって現在の任務は、戦時下の行為への贖罪として位置づけられている。そのため、葛見仁志から「指導者による搾取と隷属を何も思わないのか」と問われた際にも論点をすり替えたのは、自分の行為によって指導者が私腹を肥やすとしてもそれを生み出した自分に咎めることはできないと考えている可能性が高い。

コスモギャバリオンGC-R

魔空空間に突入するギャバン・インフィニティとギャバン・ブシドー。そこで犯罪組織のネガエモルギアの製造拠点を発見した二人は、大型宇宙戦艦コスモギャバリオンの強襲フォームへの変形の承認を申請する。あくまでも、銀河連邦警察という組織の装備であるため、コスモギャバリオンの変形は複数の管理者の承認制というのは、ヒーローの暴走を制度が制御する構造を可視化している。

今後の作品の展開によっては、銀河連邦警察の上層部との意向が違うが故に強襲フォームへの変形の承認が下りない可能性も考察できる。『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』が“刑事”を名乗る以上、そこには官僚制と責任の連鎖という現実的な構造が組み込まれている。

強襲フォームであるコスモギャバリオンGC-Rに変形すると、巨大化した怪人・エモンズなどと戦うのではなく、犯罪組織のネガエモルギアの製造拠点であり、宇宙を連鎖崩壊にする可能性があるネガティブ波動を生み出す可能性のある組織の拠点の破壊を行う。この演出は特撮ファンとしては『ウルトラセブン』(1967-1968)の「地球最大の侵略(後編)」を想起させてくれた。

『ウルトラセブン』の最終話である「地球最大の侵略(後編)」では、ウルトラセブンは怪獣である改造パンドンと戦う前にゴース星人の侵略基地の中を飛行。そして、基地を破壊しながら決戦に向かう。怪獣を倒したところで、それを兵器にしている侵略者がいる限り攻撃は終わらない。だからこそ、本拠地を叩くという作戦だった。

ギャバン・インフィニティの作戦もそれに近く、鴉麿やエモンズといった末端だけを倒しても、多元地球Λ8018でのエモルギア密売は終わらない。終わらせるためには本拠地を叩くしかない。そのために、コスモギャバリオンGC-Rに変形し、敵の防衛網を突破しながら製造拠点を攻撃したと考察できる。

これは『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』第1話「赤いギャバン」冒頭で、コスモギャバリオンGC-Rを含む様々な銀河連邦警察の宇宙戦艦を登場させ、その立体的なバトルシーンを描いたことによって可能になったと思われる。まず、『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』第1話で提示された宇宙戦のスケールが、第2話では制度的運用として回収された。

そして、次の宇宙へ

哀哭院刹那によって鴉麿は逮捕されたが、弩城怜慈との会話でも明らかになっているように、これで事件が解決したわけではない。現実の犯罪と同じように、これから哀哭院刹那たちは鴉麿によって密売されたエモルギアの流れを追い、これ以上エモルギアを利用した犯罪を防ぐため、捜査に入らなければならない。

この設定は、『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』が刑事ものであることを描く重要なものとなっている。最後、葛見仁志や葛見晴美の姿も映されることで、彼らへの事情聴取などもあるし、葛見仁志たちの主張も終わってはいないことが示唆されるのだ。

また、あくまでもギャバン・インフィニティ/弩城怜慈は助っ人であり、多元地球Λ8018の情勢を詳しくは知らない。これからは哀哭院刹那が自分で考え、犯罪を犯してしまった人々の抱える哀しみと向き合うことになると考察できる。

そして、多元地球Α0073の銀河連邦警察地球支部・資料課の面々は多元地球Ι5109へと旅立っていく。今後、哀哭院刹那は“ギャバン”の名を継ぐ者の一人、ギャバン・ブシドーとして、どのような判断をするのだろうか。その中で、大戦後の指導者たちとどのように向き合っていくのだろうか。

『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』ネタバレ感想

コスモレイヤーごとの“ギャバン”の物語

制作陣は『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』に関して、ギャバン・インフィニティ、ギャバン・ブシドー、ギャバン・ルミナスといったそれぞれのギャバンが、単独で1年間の主役を張れるような作品にしていきたい旨を語っている。その点においては、哀哭院刹那の武士のような独特な言葉遣いは良いキャラクター性だったと言えるだろう。

そして、この1年間で掘り下げてほしいところとして、多元地球Λ8018の政治情勢が挙げられる。哀哭院刹那は葛見仁志からニュースを見ても何も思わないのか問われた際、ギャバン・インフィニティの言葉と妹の涙を見ても何も思わなかったのかと返す。これは論点のすり替えやトーン・ポリシングとも取れるものだ。

しかし、『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』第2話「二つの刃」で弩城怜慈と触れる中で、考えを変えていくような様子が見て取れる。それまでの哀哭院刹那は過去の戦争での行いから、自分に“ギャバン”を名乗る資格があるのか迷い、とにかく指導者の言葉通りに動くことが贖罪だとしているように思えた。

それに対して、弩城怜慈は自分の正義を信じて突き進む。それにより、哀哭院刹那は自分なりの方法で罪の意識と向き合い、“ギャバン”として戦うことを選ぶ。今後の物語の展開では、ギャバン・ブシドーとして、哀哭院刹那がトーン・ポリシングや論点のすり替えをせずに葛見仁志と向き合い、搾取と隷属を強いる指導者にぶつかっていく姿が見られるのかもしれない。

また、弩城怜慈も宇宙共生時代を迎えた多元地球Α0073で宇宙人との共生に関する問題と向き合うことが考察できる。『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』はそれぞれの宇宙で様々な社会問題を分割して描く物語なのではないだろうか。

“刑事”としての矜持

『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』で興味深いのは、“ギャバン”の名を冠する宇宙刑事たちが警察官としての矜持を持っていることだ。例えば、ギャバン・インフィニティ/弩城怜慈は興奮した強盗や暴徒をエモルギアによって落ち着かせることで逮捕している。

また、ギャバン・ブシドー/哀哭院刹那はネガエモルギアで強化されているとはいえ、生身の人間に対しては木刀で戦っており、ギャバリオンブレードで戦ったのは強化外骨格を身にまとった鴉麿と暴力的な感情から生まれた怪物・エモンズだけだった。そして、最後は鴉麿をしっかり逮捕している。

彼らにとって、犯罪者は爆発させ、倒すべき存在ではない。逮捕し、犯罪のルートを解明して、市民の安全を守るべく捜査すべき対象なのだ。また、事情を抱えた者を一律に「敵」と断じないこと。それこそが、本作が提示する“刑事ヒーロー”の倫理である。『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』では“ギャバン”の名を冠するものたちの刑事の矜持が垣間見えた。

『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』第3話「キキとコト」では多元地球Ι5109の宇宙刑事であるギャバン・ルミナスが登場する。ギャバン・ルミナスに変身する祝喜輝は鑑識課であり、彼女の目的は真相の解明だ。物事をうやむやにせず、真相と向き合うという刑事の矜持があると考察できる。

まだ、多元地球Α0073での排外主義につながりかねない第1話冒頭のナレーションや、葛見仁志の政治主張に関するトーン・ポリシングとも取られかねない演出など、第1話で提示された排外性の緊張や、葛見仁志への応答のあり方はなお解消されていない。

しかし、第2話は、それらを回避するのではなく、“刑事”という立場から引き受けようとする姿勢を示した。『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』がその緊張から目を逸らさない限り、“ギャバン”は再び時代のヒーローたり得るだろう。

『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』第2話「二つの刃」は2026年2月22日(日)9:30より放送開始。

『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』公式サイト

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『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』第1話「赤いギャバン」のネタバレ解説&考察はこちらから。

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鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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