Kaguya Planet の運営方針について
VGプラス合同会社は、2020年12月にオンラインSF誌 Kaguya Planet の活動を始め、約2年半運営してまいりました。活動開始当初から現在に至るまで、一人でも多くの人が作品を安心して楽しむことができる場を作っていくことを目指して活動をしております。
社会には多くの差別や構造的な暴力があり、フィクションの世界もそれを取り巻く環境も全ての人に対して開かれたものとはなっていません。
より多くの人に安心してフィクションを楽しんでいただけるよう、作品を掲載する「場」を作っている私たち自身が社会問題と向き合い続けることが大切だと考えております。
もちろん私たち自身の認識が甘い点や知識の不足している点、至らぬ点も多数あります。その都度ご指摘くださる皆様に心から御礼申し上げます。
これからも、一つ一つ確認と認識のアップデートを重ねながら、一人でも多くの人が作品を安心して楽しむことができる場を目指してKaguya Planet を運営してまいります。
そして私たちは、国籍や宗教、年齢や職業、性別やセクシュアリティなどの個人の属性と犯罪・加害行為とを直結させて「悪魔化」する言説に反対しています。SNSにも現実社会にも、特定のマイノリティの人々を悪魔化し、人々の不安を煽り、そのマイノリティへの差別を煽動する言説が溢れています。
加害行為を許容しない/社会的な立場の弱い人や被害者やマイノリティが心理的・物理的な安心を得られる場所を作っていく/加害者が学びや更生のために必要な情報や支援にアクセスしやすくする、これらのことを社会全体で作っていくためにも、加害行為と属性を切り離し、丁寧な検討を重ねていく必要があります。
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社会には多くの差別や構造的な暴力が存在しています。差別・貧困・排外主義・不当労働行為……あげればきりがありません。加害行為を行ってしまうことがないように気をつけていても、日常生活や会社の事業で使っている製品・プラットフォーム・サービス等において、全ての差別や構造的な暴力との間接的な関わりを断つことは難しいかもしれません。しかし、そのことに開き直らず、少しでもベターな仕組み作り、場作りに取り組んでいく所存です。
今後とも、至らぬ点についてはご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。
2023年9月7日(木)
VGプラス合同会社 代表 井上彼方