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“観る瞑想アニメ”『ミッドナイト・ゴスペル』あらすじとゲスト【精神科医から元死刑囚まで】

©Netflix

2020年4月より配信が始まったNetflixオリジナルアニメ『ミッドナイト・ゴスペル』。
アドベンチャー・タイム』(2010-2018)で知られるアニメーター・脚本家のペンデルトン・ウォードが、ダンカン・トラッセルというコメディアンのインタビュー形式のpodcast『Duncan Trussell Family Hour』に触発された、新感覚の”インタビュー”アニメである。一見意味不明でサイケデリックなLSD風アニメーションに、仏教や密教、オカルト、瞑想などスピリチュアルな内容を扱い、現在話題沸騰中だ。

『ミッドナイト・ゴスペル』とは

主人公・クランシーは地球から異星へ引っ越してきた少年で、podcastの宇宙版『スペースキャスター』を配信することを日課にしている。
姉から借金して購入した並行世界へ仮想空間で行き来できるシミュレーターを利用し、ごく少ない登録者のため、様々な惑星で知り合った人々にインタビューを試みる。インタビューの内容は、元ネタになったダンカン・トラッセルのpodcastから取られている。

『ミッドナイト・ゴスペル」の各話ゲストとあらすじ

クランシーが仮想空間で行く先々の惑星は、ほとんどが大きな危機に頻していて、ゾンビが徘徊していたり、水面沈没していたりして、アニメーション自体も楽しめるが、主人公クランシーとゲストは大概アニメーションとは関係なく、生と死、依存症など精神的な問題についての会話に終始する。つまり、このアニメはpodcastのアニメ版とでもいえばわかりやすいだろうか。

第1話『王の死』 / ゲスト: ドリュー・ピンスキー

第1話は、『Celebrity Rehab with Dr. Drew』(2008-2012)などで知られる著名な依存症のスペシャリスト、ドリュー・ピンスキーがゲスト。クランシー(ダンカン)は、とあるパーティで睡眠薬とアルコールを同時に摂取し、死にかけた経験を告白する。ドリュー博士は、瞑想と薬について説きながら、こう言う。

良い薬と悪い薬があるわけではない。すべては状況次第なんだ。

第2話『士官とオオカミ』 / ゲスト:アン・ラモット&ラグー・マーカス

「キリスト教における愛と死」をテーマにした第2話では、父の死やアルコール依存を経験し、様々な人生の困難を「まあ、いいわ」と思い流すことを学んだという作家のアン・ラモットがメインゲストで登場する。(アン・ラモットのTEDをご覧になりたい方はこちら
また、サブゲストとしてラム・ダス(スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバークに影響を与えたアメリカの著名な宗教家)財団のディレクター、ラグー・マーカスも登場する。

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第3話 『家を持たない狩人』 / ゲスト:ダミアン・エコールズ

1993年、8歳の男児が惨殺された事件(通称:ウェスト・メンフィス3)で18歳から18年間服役していたダミアン・エコールズが第3話のゲスト。しかしダミアンはまったくの無実であり、地方の田舎では珍しいメタル好きだったことやオカルトを好んでいたという理由で犯人扱いされてしまったのである。
アニメ内で話題がカルマ(因果)へとうつると、クランシーはダミアンに訊ねる。
「つまり君が刑務所に入ることになった理由は……変な言い方だけど、良い報い(Good karma)?」ダミアンはこう答える。

「うん、その通り。クレイジーに聞こえるだろうけど、僕はそう思う。今は刑務所で過ごせた時間に感謝してる。恐ろしい目にあったけどね。だから僕は、瞑想で何が得られるのか探っていたんだ。出所する頃には外も中も変わらなかった。僕は自分が何をやるべきか知ってる。それって幸せだ。」

第4話『自らの終わりに惑わされ』 / ゲスト: トゥルーディ・グッドマン

アニメ内で勇敢な女戦士として登場したトゥルーディ・グッドマンは、インサイトLAという大規模な瞑想グループの創始者師範であり1991年から1998年までケンブリッジ仏教協会の常駐禅教師をしていた心理学者。
女戦士のクエストの道中でもクランシーとトゥルーディの会話の心理学的な会話は続く。
「怒りへの最善策は許すことよ」というトゥルーディに、クランシーも同意する。「そう、許しは心の懸垂みたいだ。できないって思っても、ジムのトレーナーが補助器具をつけてくれたら、できるようになる。一人じゃ無理だ」「そう、一人では難しい」
二人の会話は孤独や死生観などへと広がる。

第5話『喜びのせん滅』 / ゲスト: ジェイソン・ルーヴ

囚人たちが実存的不安に苦しむ刑務所の世界へやってきたクランシーが出会ったのは、瞑想や魔術、オカルティズムに関する活動をしている作家ジェイソン・ルーヴ。魔術の世界に身を置いてから20年、世界中を巡礼しヒマラヤの山岳にいる魔術師からシャーマン教徒にまで出会い、魔術の学を身につけてきたという。第5話ではジェイソンがチベット死者の書に著述されるような輪廻転生と解脱についての説法を説く。曰く、世界はすべてつながっていて、個々はただ網のつなぎ目にすぎないという。非本質主義についてジェイソンはクランシーに教え、ついに囚人は実存的不安から抜け出すことができた。

第6話『誇り高きハゲタカ』 / ゲスト: デヴィッド・ニックターン

作曲家でサウンドトラックメイカー、仏教指導者、瞑想家というデヴィッド・ニックターンがゲスト。
使用しているシミュレータが実は違法だと知られたクランシーは、本来毎日塗らなければならない油を差したことがなかったことが発覚する。コンピュータに「あなたは仮想世界に没頭しすぎて、やるべきことをしていない」とたしなめられ、半ば無理やり気デヴィッドのいる仮想世界へ赴くこととなる。「瞑想なんてしてるつまらないやつに会いたくない」「よく瞑想なんてことできるよな」とぼやくクランシーに、デヴィッドは瞑想における3つの原則「沈黙」「静止」「空間」を教授する。そして、何かとイライラしているクランシーにこう説く。

君は自分一人しか寝られない小さな部屋にいる。自分の考えから離れたら、大きな家へ引っ越せる。人を招き入れられる。君も、他の人も入れる広さだ。それが”空間”だ。

クランシーは徐々に、自分の惨めな気持ちをデヴィッドへ話すようになる。

第7話『月食のカメたち』 / ゲスト: ケイトリン・ドーティa

土葬、火葬、直葬、自然葬など多様な、故人や遺族の希望に沿った葬儀を実現する葬儀会社「アンダーテイキングLA」を2015年に設立したケイトリン・ドーティが、死への向き合い方を説く。南北戦争で一気に変貌を遂げた葬儀や、遺体への向き合い方など、クランシーにレクチャーしてくれる。この回で、クランシーはすでに両親を亡くしていることを明かす。

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第8話『銀のねずみ』 / ゲスト: デニーン・フェンティグ

シーズン1最終話である本回で、クランシーは一貫して「ダンカン」と呼ばれる。クランシーの声を担当し、また本アニメの元ネタであるpodcastを制作したダンカンへ向けて、転移性の癌ですでに余命短いダンカンの実母のデニーン・フェンディグがゲストとなり、ダンカンに、自身に迫った死へ対する想いを述べる。このインタビューは、デニーンの死の3週間前に収録されたという。彼女の死への向き合い方は、ぜひ自分の目で見て、感じて欲しい。

宇宙や生命の神秘といった壮大なテーマ

人は日々生きるだけで、苦しい思いをしたり、思いも寄らない悲しみや怒りに直面する。その感情への向き合い方を、堅苦しい講義の形からすり抜けて、質の高いカートゥーンへと昇華させた『ミッドナイト・ゴスペル』
特に宗教的な事柄やスピリチュアルなものに苦手意識のある人の多い日本人にも十分勧められる内容となっている。
実際、ゲストのほとんどは仏教の考えに重きをおいており、仏教の考えが根ざしてる日本人にも受け入れやすいだろう。

瞑想をしたことがないあなたも、ついついしたくなってしまうかも?

Kanae Iwakawa

1995年生まれ。Kpopアイドルとゲームと本が好き。

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