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『Sonny Boy -サニーボーイ-』放送中!
キャラクター原案:江口寿史×主題歌:銀杏boyz、監督・脚本:夏目真悟の布陣で話題のアニメ『Sonny Boy -サニーボーイ-』が絶賛TV放送中だ。Amazon、Hulu、バンダイチャンネル他では2021年7月17日(土)より配信中。ちなみに、ABEMAとGYAO!では広告付き無料配信が行われている。
物語は早くも第3話。長良によって色々な世界が発見されているようだが、果たして出口には辿り着けるのだろうか? 早速第3話を振り返っていきたい。
以下の内容は、アニメ『Sonny Boy -サニーボーイ-』第3話の内容に関するネタバレを含みます。
『Sonny Boy -サニーボーイ-』第3話「下駄を履いたネコ」あらすじ
次々と発見される「この世界」
学校のトイレの便器の中にまた新たな世界を見付けた長良。希、朝風とともに便器の中へと飛び込んで調査する。結果をラジダニに報告しに行くと、”この世界「ワンウェイ風」”というタイトルで画面に追記される。そこにはこれまでに見付かった「この世界」が動物のアイコンとともに纏められているようだが、上からイヌ、クジラ、ネコ、カメ、ヘビ、ラッコのように見える。果たしてこの動物の並びには何か意味があるのだろうか?
ところで、第3話までOPはなくいきなり本編が始まっていたので、どうやら『Sonny Boy -サニーボーイ-』はこのままOPのない作品として進行していくようだ。しかし、個人的にはこの演出は第1話においては特別感のあるものとして楽しめたが、毎回EDで銀杏boyz『少年少女』に繋がると若干飽きが感じられてしまう気もする。『少年少女』の疾走感ある曲調はやはり物語の始まりにこそ相応しいと思える。OPを『少年少女』にして、EDはもう少し落ち着いたミディアムナンバーを持ってくるというような”お約束”に則っても良かったのではないかという気がする。
村山フリーズ事件
ポニーは島の青空教室で行方不明だった村山がジャングルで見付かったと生徒たちに報告する。けれど村山は奇妙な姿勢で全身真っ黒のまま固まっていた。そして村山以外にも数人の生徒がそのような状態に陥っていることが明らかとなる。ポニーから半ば強制的に調査を命じられた瑞穂は助手として長良を指名する。
二人が村山に近付くと、村山は固まったまま「ゲーム実況」をしていた。
固まったもう一人の犬山の体に耳を当てると筋トレに励む声が聞こえる。
果たして二人は今どこで何をしているのだろうか?
これが現実、資本主義社会
瑞穂は調査の基本として関係者への聞き込みを提案する。
自分がボスなのだから黙って従っていればいいと言う瑞穂に、長良は「何故クラスのみんなにタダで物を分け与えないのか」と問う。
それに対して「これが現実、資本主義社会」と答える瑞穂。
しかし現実社会の資本主義経済は自然界における資源の有限性によって基礎付けられている。自然界においては、食料を筆頭に生活必需品の資源量は限られており、だからこそそれを如何に分配するかという問題が立ち上がる。そこで自然発生的に形成される「市場」においては「希少性こそが価値」となり、限られた物には高価な値段が付けられる。
しかし瑞穂の超能力「ニャマゾン」はこのような物理的限界を無視した能力であるように見受けられる。欲しいものは何でも、どれだけでも調達することができるのだとしたら、その時敢えて現実の資本主義社会を模倣する理由はなくなる筈だ。長良の言うように敢えて「交換」の為に労働を押し付けずとも生活必需品は無償で配り、その代わりに自分には一切干渉するなという特権的な立場に立つことも瑞穂には可能である筈だ。
いや、そもそも本当に一人になりたいなら富の分配もせず兵器で武装した城に一人で引き籠ることも可能だろう。瑞穂が敢えてそうしない理由は何かあるのだろうか。
前回、瑞穂はポニーの生徒会長選挙における不正を告発した過去が明らかとなったが、瑞穂の思う「正しさ」とは単に既存の「ルールに従う」ということであって、自発的に「何が正しいか」を見極め新たなルールを作り出していくということではないのだろうか。如何なる制度も人間が生き延びるために作り上げてきたものだ。「現実」とはかけ離れた世界で、敢えて現実の抑圧的なルールに従う必要はない。物語を通じて瑞穂の価値観がどのように変化していくのかを注視していきたい。
明星に聞こえる”声”
生徒への聞き込みの途中、瑞穂は漂流以前から学校内限定で超能力が使えたと長良に告白する。
一方、希は犬山の傍らに立つ明星に話し掛ける。明星には何らかの”声”が聞こえ、その声によって学校が漂流することも予め知らされていたらしい。前回、明星とラジダニの会話のシーンで聞こえたのもこの声だったようだ。果たして声の主は誰なのだろうか?
暗幕の内側に閉じ籠る行方不明の生徒たち
ポニーに進捗状況を咎められた瑞穂と長良ははやとの作った超能力者リストに目を通すが、それらしい能力を持つ者は見当たらなかった。そこへ朝風がやって来て、長良に自分たちのグループの方にはもう戻らなくていいと告げて去る。
一方的に言われるがままだった長良に対して瑞穂が「見ててイライラすんだよ」と啖呵を切ると、突風が吹いてカーテンのように景色が揺らめいた。
その裾を掴むと、内部は暗幕に覆われたようになっていて、そこに行方不明だった生徒たちが居た。しかし彼らは何かの能力によって閉じ込められている訳ではなく、外の世界に嫌気が差し好きな事だけをできるその空間にむしろ自ら積極的に閉じ籠っていた。
長良の超能力?
瑞穂と衝突した長良は、しかし希から「こっちは長良が居ないと何も始まらないんだから」と言われたことで少し立ち直る。
瑞穂に謝罪のメッセージを送り、ラジダニの作ったらしい特殊アイテムで暗幕を取り除く長良。無事にフリーズした生徒たちも元に戻り事件は解決した。今回も「場の力」が原因だったらしい。何故長良は異世界への扉を見付けることができるのだろうと口にしたラジダニに、希は長良には「新たな世界へと跳躍する」超能力が芽生えたのではないかと推論する。
一方、明星は謎の声に応答するように一人「救世主? それは誰なんだろう」と呟く。
やはり明星はこの状況について何かしら決定的な情報を掴んでいるらしい。
これからの物語にも益々目が離せない。
待て、次回。
アニメ『Sonny Boy -サニーボーイ-』はTOKYO MX他で毎週木曜24:30より放送中。
Amazon、ABEMA、GYAO!他で毎週土曜0:00より配信中。
『Sonny Boy -サニーボーイ-』のサントラはCDとアナログ盤が発売中&予約受付中。
『Sonny Boy -サニーボーイ-』第4話のあらすじ&感想はこちらから。
第1話のあらすじ&感想はこちらから。
第1話の解説はこちらの記事で。
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